ACID BAKERY

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祈ってあそぼ

はじめに

あけましておめでとうございます。正月に記事書くつもりも無かったのですが、軽い記事一本くらい書いておこうと思ったものでしてね。

さて今回は『アーマード・コア fA(フォーアンサー)』のアサルトアーマーについて取り上げます。合わせて『Demon’s Souls(デモンズソウル)』も取り上げるので、ネタバレに注意した上で御照覧あれぃ。

アサルトアーマーは心の所作

というわけで新年早々ですがアサルトアーマーを一発喰らってください。

アサルトアーマー

アサルトアーマー・フォーアンサー

『fA』におけるアサルトアーマーとは、機体に纏わせているコジマ粒子を収縮させた後に威力を持たせ解放する全方位攻撃です。名の通り「攻性の鎧」であるその技術は、登場以降、ソウルシリーズなどでも当然のツラしながら同様の全方位攻撃として標準配備されるようになります。「その兆候が見えたら防ぐか逃げるか恐れず殴る」というムーブをプレイヤーの脳裏に刻み込んだ、発端であるわけですね。

さて続けざまですが、『Demon’s Souls』のアサルトアーマーである「神の怒り」を、リメイク版と併せて一発ずつ喰らってください。

神の怒り
神の怒りRE

お年玉じゃ!

そんなわけで今回合わせて取り上げるのは、『fA』(2008 年 3 月 19 日)と同時期に発売された『Demon’s Souls』(2009 年 2 月 5 日)のアサルトアーマーこと「神の怒り」。結論を先に言ってしまうと、神の怒りがそうであるように、アサルトアーマーにもまた「祈り」が関与していたのではないかという小さな小さな思いつきが、今回の主題です。

神の怒り
デーモン「竜の神」のソウルから発現した奇跡
術者を中心に、強い力場を爆発させる
この奇跡は、巨大な悪意に対する、神の力の象徴であり
すべての正しい人を助ける、最も偉大な奇跡のひとつである

知らない人のために解説すると、『Demon’s Souls』含むソウルシリーズにおける「奇跡」とは、信仰というステータスを要します。つまり「祈る」ことで発動するんですね。

対して『fA』のアサルトアーマー、無機質で血の通わない兵器はしかし、やはり「祈り」と共に在りました。

ホワイトグリント
ホワイトグリント

祈りの所作

みんな大好きな『fA』 OP のラストでホワイトグリントがアサルトアーマーを起動するわけですが、その際にカメラアイ部をシャットアウトしています。推測するにカメラアイを衝撃から保護する意味なのでしょう。しかし思うにこれは目を閉じて祈る、そんな所作を思わせる描写だったのではないか。

少なくとも「祈り」とは『fA』を形作るキーワードの一つでした。

pray
for Answer

Pray for Answer

pray for Answer。答えのための祈り。『Demon’s Souls』でアサルトアーマー(神の怒り)が「奇跡」として登用されたのは、ただの輸入やセルフパロディ以上に、『fA』にあった「祈り」を強調する意図があったのかもしれません。

誰かが何かを想って目を閉じるなら、それは何のための祈りだったのか。絶え間ない争いの世に救いを求めての「祈り」なのか、自らの答え以外を悪意として拒絶する為の「怒り」なのか。

人間の外見がほぼ登場しない『AC』シリーズでは、機体とキャラクター・ビジュアルはニア・イコールです。その中にあって、人の形をした兵器に祈りを思わせる「機能」を搭載した意図に思いを馳せてみる……そんな 2024 年の始まりも乙なものでしょう。

そういえば余談なのですが、「神の怒り」はボス「竜の神」のデモンズソウルから発現します。竜の神が複眼であるのは、ひょっとするとホワイトグリントを引用したデザインだったのでしょうか。

竜の神
ホワイトグリント

竜の神 vs ホワイトグリント

神の怒りだけでなく、その持ち主からしてセルフパロディの範疇だったのかもしれない。ただそうなると『fA』と『Demon’s Souls』の OP ムービーは、どちらもホワイトグリント(≠竜の神)の飛翔で幕を開けるわけですが、どこまで意識しているんでしょうね。

おわりに

以上です。お読み頂きありがとうございました。今回はアサルトアーマーに限定した話をしましたが、そうでなくとも後続のソウルズボーンでは『AC』ネタが散見します。フロムゲーは『AC』シリーズしかやってない、或いは『ACVI』で興味が湧いたから他のフロムゲーもやってみようかなという人たちは、そういうのを意識してみると一層味わいが深くなるかもしれませんよってな感じで、新年早々の啓蒙活動でした。

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今年もよろしくお願いします。

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