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なりそこないのイリーナ

はじめに

おはようございます。最近、クロスオーバー系の読みにくい記事ばっかり書いていたので原点に立ち返るつもりで『ダークソウル』単体の記事を書きます。短いです。短いことは良いことです。ではいきます。

イリーナとイーゴン

『ダークソウル 3』の NPC、 カリムのイリーナ。 盲目の聖女であり、彼女の騎士イーゴン曰く、「火防女のなりそこない」だそうです。

カリムのイーゴン

「だが、やめておきな。あの女は、火防女にすらなれなかった、役立たずさ」

イリーナ
モーンだモン

カリムのイリーナとイーゴン

イリーナに対する辛辣な発言が目立つイーゴンですが、『カリムの騎士は生涯一人の聖女に仕える(モーン装備)』らしく、その後もプレイヤーがイリーナを害するなどの行動をとった場合には敵対してきます。また闇に属する点字聖書から奇跡を語りつくした結果、彼女は内なる「虫」とやらに苛まれ、終にはその頬に触れても認識できないほどに闇へと沈んでしまうのですが、イーゴンの手甲を装備した状態でのみリアクションを返してくれます。

イリーナ
「…ああ、貴方は、もう一度私に触れ そして今度は、約束通り、私を殺してくださるのでしょう?」
(参考動画)

牢内のイリーナを「監視している」と語ったイーゴン。或いは実際に監視はしていたのかもしれませんが、彼はイリーナを殺す約束をしていて、それでも出来ずにいたようです。その経緯や心中は想像することしかできませんが、果たすべき約束を、しかし果たさずにいる為の、あの牢は防壁だったのでしょうか。

さてイリーナですが、なりそこないであったはずの彼女は話の運び方によっては火防女へと昇格を果たします。彼女は「なりそこない」ではなく「なりかけ」であったようです。実際に「火防女になった」とは明言されていないのでそれは言い過ぎかもしれませんが、渡す聖書によっては、彼女は火防女が持つレベルアップ能力を有するようになるので、そういう認識でいいと思っています。

火防ーナ

火防女イリーナ

ちなみに何回か言ってますが、彼女の佇まいは『1』の火防女アナスタシアと対になっています。「牢」に入っているという状況も同じ。面白いですね。

アナスタシア
イリーナ

聖女アナスタシアと聖女イリーナ

ということで本編におけるイリーナとイーゴンの物語は以上になるのですが、今回問題にしたいのは、もっと未来の出来事についてです。DLC エリア「輪の都」。恐らく時間軸的には本編の「先」に位置づけられるこの国において、それは現れます。

うめきし

呻きの騎士

共同墓地を進むと「呻きの騎士」なる闇霊が侵入してきます。そして無事に撃破することで闇霊は「目隠しの仮面」をドロップしました。

目隠しの仮面
由来の知れぬ目隠しの仮面
小さな割れ目で視線は確保されている
闇攻撃の威力を高めるが 闇によるダメージも大きくなってしまう
紫鉄のそれは、どこか火防女の頭冠に似ているが それは形ばかりのことだ

『2』に登場したこの装備。ファンサービスの意味はもちろん、それ以上の含みがあると考えられます。呻きの騎士、装いからしてイーゴンなのでしょうが、火防女を志した聖女に仕えた彼が、火防女の頭冠に似た装飾品を手にしていたのは、彼が生涯連れ添った聖女への贈り物だったのでしょうか。闇霊と化した彼が例え正気を失っていたにせよ、それはカリムの騎士の中の、かすかな「名残」だったのかもしれません。

では重要なこと。イリーナはどこへいったのか。 DLC2 が未来の話だとしても、そのあり方は本編のままとは限りません。

話は変わるようですが、「なりそこない」と言えば、イルシールの地下牢のこいつらを思い出します。

成りたいものに、成れなかった

なりそこない

成りたいものに成れなかったこの頭でっかち達は、「愚者の貴石」を落とします。これは「なりそこない」が持つ石だそうです。

愚者の貴石
楔石が変質化したという貴石。
なりそこない共が執着するという。

さて、視点を共同墓地に戻しますが、この場所でも「愚者の貴石」は手に入ります。丁度、呻きの騎士と接敵するタイミングで出会う、以下の遺体が持っています。

なりそこない

愚者の貴石

イリーナはどこへいったのか。イーゴンはなぜこのエリアで侵入してくるのか。愚者の貴石がなりそこないの証だとして、この遺体は、何に「なりそこなった」のか。生涯一人の聖女に仕えるというカリムの騎士。もしかするとその主従は、生涯を越えたものだったのかもしれません。

なりそこない

なりそこない

カリムの聖女イリーナ。火防女のなりそこないでした。

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