ACID BAKERY

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『FRAME GRIDE』

「フロム・ソフトウェアと言えば」……ご家庭でそんな話題になった時、何と答えていますか? 最近では「ソウルシリーズ」や『Bloodborne』という声が多いのでしょう。ですが一番身近なものを忘れていませんかと、声を大にして言いたい。例え他人から鼻で笑われ、否定されようとも、忘れないで欲しい。フロムと言えば、ロボットでしょう? 手に入れた沢山のパーツや武器を組み合わせ! 好みの戦術を構築する! フロム・ソフトウェアとはつまるところ、そのようなことを懸命に、一途にやる会社であったはずです。あいや申し訳ございません。これ以上は野暮というものですよね。

そう、『FRAME GRIDE(フレームグライド)』です!

タイトル画面

『FRAME GRIDE』

フロム・ソフトウェアのロボゲーと言えば、皆さんお分かりですね? 多様なパーツを組み合わせて自分だけのマシンを組み上げる、そう『フレームグライド』です。 pic.twitter.com/nTAAtzibll

— ACID BAKERY (@cid_bakery) January 4, 2021

ストーリー

公式サイトより引用)

帝国暦 700 年、先代皇帝レギリオの死をきっかけに始まったゾルト辺境伯の反乱は、帝国全土を戦乱の炎に包んだ。すでに5つの選帝候領が制圧され、滅亡は時間の問題であった。最後残された選帝候であるミランジェ大司教は数奇な運命を持つ青年に、遥か古より伝えられし力と共に、騎士の称号を与えた。プレイヤーは望みを託された青年として、太古の力を持つ甲冑の巨人「フレームグライド」を駈り、反乱軍に立ち向かっていきます。

(本編冒頭より引用)

古の帝國 クルト

七つの領土と七人の選帝侯 そしてその代表たる皇帝の支配するこの国は 今まさに戦乱の時を迎えていた

帝國暦 700 年 獅子の月

皇帝レギリオ・クレードゥルスの死を契機に 選帝侯の一人、ゾルト辺境伯は 帝国に対し反旗を翻し 配下とする九つの騎士団と共に 他の選帝侯たちに戦いを挑んだ

遺跡に埋もれたはずの超兵器を手にした 辺境伯と九騎士たちの反乱は帝国全土を戦火に包み 選帝侯のうち五人までもが次々と打ち破られていったのである

唯一残った選帝侯、ミランジェ大司教は 多くの側近たちと共に必死の抵抗を見せたが 彼の身は既に病に冒されていた

己の死闘を悟った大司教は最後の希望を託すべく 一人の若者を招き、告げた

そなたに「騎士」の称号を与えよう

導きに従い、その剣を振るうがよい

遥か古より伝えられし 甲冑の巨人と共に

巨大ロボ同士の戦い

ファンタジー巨大ロボ大戦!

剣と魔法の『アーマード・コア』

本作を説明するなら「ファンタジー版の『アーマード・コア』」と言ってしまうのが最も手っ取り早いんですが、もちろん違いはあります。ただ違いがあるというなら『アーマード・コア』自体がシリーズ間で結構操作感の差異が目立つゲームだと思うので、やはりコンセプトが共通している以上、このゲームは「剣と魔法の『アーマード・コア』」、その一言に尽きるんでしょう。

ゆくぞオニカゲ

愛機「オニカゲ」

で、そんなファンタジー版 AC『フレームグライド』ですが、ひと際大きな違いは「属性」と「スクワイア」の存在だと思います。属性は言うまでもなくファンタジー的なアレであり、当然ながら有利不利が発生します。こういうのがあるとガワがファンタジーなんだなと実感できますな。で、「スクワイア」。 2022 年 6 月現在においてこの「スクワイア」のニュアンスを最も簡素かつ分かりやすく伝える言葉があるとするなら、『ELDEN RING』の遺灰です。要はサポートメカで、ファンネルというよりそれぞれの属性と特性を宿したオトモといったところ(ちなみに壊されるとロストする)。プレイヤーだけでなく敵も使ってくるこのスクワイアは、ザコ敵の要素も兼ねています。だから倒すことで得られるものがある。

このゲーム、ストーリー紹介部分で出てきた九騎士たちとのボス戦のみで戦闘パートが構成されているので、探索だったり「ボスへの道中」が存在しないんですね。いきなりボス戦。ボス戦だけ。まさに「対戦メカアクション」。なので相手スクワイアを倒すことで、ある種の経験値とも言える「鉱石(マテリアル)」を入手しておく必要がある。『フレームグライド』においてプレイヤーが機体を強化したり新たなスクワイアを入手する手段というのがこのマテリアルの合成によるものなので、戦闘においては相手スクワイアを放置せず倒すことも重要になってくるわけです。(ちなみに各ステージは何度でも遊べるので、繰り返しボスとスクワイアを倒してマテリアル稼ぎを行ったりする)

マテリアル

装備やスクワイアの素材となるマテリアル

ということで、ひたすら巨大ロボット同士のガチバトルを楽しむ為の本作では、ストーリーが語られるのはゲーム冒頭と最後のみ。戦うべき相手との掛け合いだったり、 NPC もいない。エリアのどこかを壊すと隠しパーツが手に入ったり……しない。任務失敗が続くと肉体が強化され……無い無い無い。余計なことなど考えず、ひたすら撃ち合い、斬り合いましょうや。本作の醍醐味は何といっても各自鍛え上げた機体を持ち寄っての対戦要素です。ほんの 21 年前にネットワーク対戦サービスは終了しておりますが、オフライン対戦であれば地球から電力か人類種が消失しない限りはプレイ可能だと思うので、身近なお友達と楽しんでみては如何でしょうか。

フロムゲー温故知新

さてフロムゲー温故知新。セルフオマージュが大好きなフロム・ソフトウェアが最新作に何か引っ張ってきていないかを探してみるコーナーなのですが……『フレームグライド』については、あんまり無いかも。見つけられてないだけかもしれませんが。なんか当然の如くムーンライトソードでもあるのかなと思ってたんですが、無いみたいですね。

強いて言うなら。

マテリア マテリア マテリア

ラスボスは「混沌」

「深き洞穴」の敵「宵闇の騎士ラシーヌ」が「深淵の穴」や「ウーラシールの宵闇」の原型だった! と言い張るくらいならできそうです。でも、まあ何が何でもってわけでもないですし、ねえ。あと一応「FP」という要素もありますが、これは生命値なので「FRAME POINT」といったところで、後々の「FP」と繋げるのは無理やりでしょう、たぶん。

あ、でもマテリアルが「希石」と表記されている部分もあって、これは『DARK SOULS 3』の「貴石」や『ELDEN RING』の「輝石」に通じているのかもしれない。探せ! 無理やりにでも!

新作の噂?

で、このゲームに関してはまだしておきたい話があって、実はまことしやかに『フレームグライド』新作の噂があり「ました」。

「DARK SOULS」シリーズの区切りに抱いた想い,そしてフロム・ソフトウェアがこれから向かう先とは。宮崎英高氏にインタビュー

2016 年のインタビューなのですが、宮崎社長曰く、フロム・ソフトウェアには新作の用意が 3.5 本分あると。現在では内訳の大半が明らかになっていて、『デラシネ(0.5)』『隻狼(1.0)』『ELDEN RING(1.0)』、そして残り「1.0」は未だに明らかになっていませんが、上記のインタビュー内で社長はこう仰っているんです。

あ,でも,現状で悔しいことに実現性が低いところで言うと,ファンタジー+メカのタイトルは作ってみたいですね。TRPG の「ワースブレイド」とか「天空のエスカフローネ」みたいなやつです。

(「弊社『フレームグライド』」って言わないんだ……)

とまあ、この発言が匂わせとして機能してしまった(勝手に嗅ぎ取ったとも言う)のに加え、当時のフロム・ソフトウェアの求人に「ファンタジー」「メカ」などのワードが並んだことで、一部の人間は思ったわけです。『フレームグライド』作ってんじゃね? と。

フロム・ソフトウェアは“面白いゲームを真剣に作っていればそれでいい”。宮崎英高社長に聞く,「ELDEN RING」で目指したものや独特の開発体制

そして先日(2022.06.24)のインタビュー曰く、最後の「1.0」は開発終盤にあるようで、更にフロムの求人に再び「メカ」の字が……! これは!? ひょっとするとひょっとするのでは? こっちのメカじゃなくてもあっちのメカなのでは??

……とまあ、実のところフロムの求人に「メカ」の字があるのはずっと以前からなので、これをどう見るか、というお話。アレをずっと作り続けてたのかもしれないし、全く別のソレかもしれない。結局わからんのです。しかしどうやら、もうすぐ一つの答えが出ます。アレなのかコレなのかソレなのか、全く想像の外側なのか。楽しみではありませんか。残りの「1.0」、期待して待つことと致しましょう。

ファンタジー・ロボ・アクション『フレームグライド』。実現性は低いかもしれませんが、少なくとも新作として作られてもおかしくはない、シンプルでいて奥行きのある、楽しい作品でした。

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