ACID BAKERY

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シルバー・チャリオッツこそスタンドの中のスタンドである

言わせて貰いたいことがありまして。それは「シルバー・チャリオッツってかっこいいよね」ということでです。正直チャリオッツはスタンド能力の複雑化が進む中で「あまり強くない」という評価が散見するスタンドです。言いたいことは分かります。「相手に効果を強制する」という、スタンド最大の利点を持たないからです。しかしこう言いたい。「超能力がわざわざ人の形をとっている意味ってなんなの?」と。他(た)の超能力とスタンド能力を差別化できる最大にして唯一の要因は、まさにその「超能力が人の形をしている」という一点です。本体が能力を使うのではない。むしろ本体は静かに佇み、その背後で激しいバトルが行われているというギャップがなければ、荒木先生がイーストウッドに見た「気品」は演出できない。「そばに立つ」からスタンドなのです、少なくともこの時点では。もちろん昨今の複雑化する能力バトルを批判したいのではなく、人の形をしたビジョン自身がその肉体を用いて攻撃を繰り出す、そのある意味で原始的な様式こそスタンドの「本領」なのだと強く主張したい。そして最も原始的と言えたスタープラチナですら、 DIO を倒すためにはシンプルなままではいられなかった。そういう意味で、もはや単純に殴る蹴る「だけの」スタンドは全滅したと言っていい。その中でシルバー・チャリオッツの「能力」である「剣技」は、他の誰よりもスタンドらしい、と思うのです。特に切り札である「剣先を飛ばす」っていうのが最高。本当に「奥の手」って感じがする。

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