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『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』 第 25 話「『愚者(ザ・フール)』のイギーと『ゲブ神』のンドゥール その 1」

「そろそろか……」 半年待った視聴者の気持ちを代弁するかのように放たれる承太郎先輩の台詞ッ! そりゃカメラも大きく回り込むというもの。さあついに始まった『SC』後半戦! そしてここで驚くべき現象が! 「OP が」! 「あるッ」! これまで一、二、三部と初回に OP はつかなかったはずだが、今回はド頭から主題歌が聴ける。部を跨いでいないからだろうか。良い意味で期待を裏切られた思いだ。

『その血の記憶 〜end of the WORLD〜』。歴代のボーカルが集結している模様。正直一度聞いただけの印象ではあまりピンと来ない曲だが、 DIO への十分な殺意は伝わってくる。

そこへ現れるヘリ。驚く面々の中、その正体を知るジョセフに承太郎は尋ねる。「スピードワゴン財団?」 半年ぶりで忘れている視聴者に対してそれとなく解説してくれる承太郎……と見せかけて原作にもある台詞。ジョースター家を世界の終焉に至るまでサポートし続ける相棒と言える組織だが、それが当たり前になってしまえば感謝は薄れるもの。読者や視聴者は何かと忘れられがちなのを配慮して復習させてくれたのかもしれない。承太郎の優しさは、ちゃ〜んと見抜いているんだからねッ!

ジョセフと一緒に乗り物には乗らない。その危険性に気づいている承太郎だが、しかし元々ジョースター家と乗り物の相性は最悪と言っていい。馬車は落ちるわ、船は爆発するわ。海洋学者になった承太郎はこの欠点を克服しているように思えるが、しかし娘には継承されていたりする。という訳でヘリには乗らない。このヘリは、まあ、結局落ちるし中の人たちも結局死ぬが、乗らない。なぜなら彼らは助っ人を連れてきただけだからだ。間違いない。花京院の一本毛も「助っ人」という言葉に強く反応している。そして着陸したヘリから現れたのは……。

懲りずに喧嘩する二人をよそに、ヘリから二人の男が降りてくる。原作でのこのくだりは、二人の内のどちらかが助っ人、というブラッフを提示した割にはあんまり引っ張らないという一種のギャグになっていた気がするが、アニメでは緊迫した音楽が続くせいかあまりハマっていない気がする。これでは事前に男二人に凄みを持たせた意味が薄い。

無人と見せかけて怪しい毛布。相手がスタンド使いだと知っているにも関わらず、その怪しさに着目しないポルナレフはもう駄目だ! 怪しげな布を見つけたらスタンド使いかドノヴァンかを疑う癖を怠ってはいけないのだ。

意外! それは髪の毛ッ! 満を持してのイギー登場である。『SC』前半の OP でもこっそりと存在を暗示されていた最後の仲間が今、参上したのである。砂のスタンド「愚者(ザ・フール)」を操る。物質を媒介にしているタイプなので、一般人にもヴィジョンが見えてしまうという欠点がある……いやテキトーなこと言った。でもこの推測が正しいとすると、人目につく場所でこっそり行動できないのだろう。意外とその辺がアヴドゥルによって捕獲されてしまった理由の一つかもしれない。

イギーをガムで大人しくさせている間に積み荷を受け取る一行。その中の一つにカメラがあった。念写用に持ってきてくれたとのことらしいが、ジョセフはそのカメラで自分たち一行の集合写真を撮影する。言わずもがな、五部のアレである。これは巧い展開だ。しかし申し訳ないが呪いの写真と言わざるを得ない。だって撮影者も含めて、なんというか。

さて「ンドゥール」の発音が「ンードゥール」だったことに驚いたのはさて置き、出発した一行が乗る車内でイギーが早速幅を利かせている。原作のこの部分で面白いのは、ポルナレフが文句言ってるコマ、イギーが発する「クチャクチャ」のふきだしがシートに合わせてトリミングされている部分。丸く膨らませたらアヴドゥルの顔が隠れちゃうからね。などというギャグ・シーンも束の間、車が急停止した。早速大破だろうか。いや大丈夫。デストロイしていたのは、先ほど飛び立った SPW 財団のヘリであった。一体何に狙撃(シュートヒム)されたというのだ!? スタッフ二人のうち、一人は苦しみ抜いて死んでいた。まるで何かから逃げるように足掻き、口内には不思議な水で溢れている。あと小魚。

というか結局この小魚はなんだったのか。ゲブ神が一般人に見えていたことを考えると、実在する水に憑依して操作できるタイプだと考えられる。つまりヘリの中に水槽でも置いてあって、それを操り殺したのだ。もしくはお魚を丸呑みする趣味があったか。ジョースター一行と合流していた時点でヘリ内に忍び込んでいたのだろう。なんせ射程が四キロ以上もあるしな。三部の基礎ステータスの壊れ方は異常である。

犠牲者の一人はまだ存命であった。しかし衰弱している。水を与えようと水筒を近づけると、哀れ中から現れた手が彼の頭部を丸ごと引きずり込んでいった。こんな死に方イヤだなぁ。

先んじてネタバレしてしまったが、敵スタンド使いはンドゥール。スタンド名は「ゲブ神」、水を操るスタンドである。イギーの「愚者」とは対をなすような能力で、新規メンバーと新手の敵が交わる回としては好カードだろう。だが疑問も無くはない。なぜこんな水の少ない場所で戦いを挑んだのだろう。街中であればもっと強力な戦いが展開できそうなものだが。まあ恐らくは音だろう。ノイズの多い市街地で戦いを挑むより、静かな砂漠の方が戦える自信が彼にはあったのだ。能力の性質上水が無い場所では不利でありつつも、本体の性質上砂漠をバトルフィールドに選ぶしかなかったのである。何という戦士だろうか。強者の臭いが立ち上っている。本質は屑野郎だけど。

一方、一気に窮地に立たされるエジプトツアーご一行様を余所にイギーは知らぬ存ぜぬを決め込んでいた。「取りあえず窮地に立たされてから逆転を試みる」といういつものやつを見ると、ああ『ジョジョ』だなという気持ちになりますね。という訳で次週、ンドゥール戦後編を待て。

どうでもいいけどこのクソ犬、ジョースター家が全滅したらどうするつもりなんだろうか。広大な砂漠を抜けられる自信があるのだろうか。……できそうだなこいつ。街とか臭いで方向割り出しそうだし、いざとなればグライダーで飛んでいけそうだし。じゃあ大丈夫だ。目の前でヤバイことになってるジョースター達なんて見殺しにしても大丈夫ですな。チャンチャン。

ところで CM が六部バージョンになっていた。「(集英)シャア」の声が悩ましい。これは仮に四部があったとして、ジャイロ達の絡みが見られるのだろうか。期待してしまうぞ。

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