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『ドラゴンボール Z 復活の「F」』

あらすじ : フリーザが復活した。地球のドラゴンボールを利用したのである。だが宇宙の帝王などと恐れられたのも過去の栄光、今やフリーザの力など悟空の足下にも及ばない。復讐と意気込んで地球へと攻め込んでくるフリーザだったが、瞬く間に一蹴されてしまうのであった。なぜだ、なぜ勝てない。打ちひしがれるフリーザを見下ろしつつ、悟空は言う。「もう帰れ」 完全なる格下へのその言葉に、フリーザの怒りは振り切れた。そして変化が訪れる。絶望がフリーザへともたらした「更なる進化」は、皮肉にもかつて自分を敗北に追いやった「金色の姿」であった。ゴールデンフリーザ。形成は逆転した。神の領域を垣間見た悟空ですら、伝説を超越したフリーザには歯が立たない。そして「その時」は来た。かつてのナメック星の終焉をなぞるように、フリーザのパワーによって地球は粉々に吹き飛んでしまった。全員死んだ。ただの一人の生存者もなく、全ては終わりを告げたのだった。その頃、ナメック星では界王神の指示によってドラゴンボールが集められていた。「生き返らせて欲しい人がいます」 ……孫悟空はなぜ負けた? ウィスは言う。「油断はあなたの悪い癖です」 ビルスは言う。「負けるならせめてもっと真面目にやれ」 そして伝説は蘇る。決着のために。行け! 戦え! 復活の「ファイター」!

……あ、やっべ間違えた。これ CM 観て妄想した奴だった。以下多分ネタバレ。

んまあー、まあ、まあ、あれな。「順番」だと思うんですよ。『神と神』の前にフリーザ復活だったらもうちょっと締まりの良い話になってたんじゃないかと思うんですがね。他にもキャラクターの強弱どうなってんだとか色々あるんでしょうけど、個人的にはそこまで気になりませんでした。ただ、フリーザ不憫と思う傍らで興味深いとも思っている点があって、つまるところビルス様方の存在ですよ。これまでの『ドラゴンボール』は頂点と頂点の決戦で、「一番強い奴」をどうにかしないと世界がやばい、だって一番強いのが悪い奴だから、っていう話だったじゃないですか。でも今回は違うじゃないですか。一生懸命戦ってる奴ら全員が「高見の見物をしている神様」より弱いんですよ。前回「ゴッド」でビルスに近づけたんだから、悟空もフリーザもビルス並ってことでいいと思うんですけど、でも現実はビルス以下。めっちゃ頑張って「次元の違う化け物になって〜」とか言ってるけど結局はビルス以下。頑張って戦闘力 130 万に持って行ったのにビルス以下。我々は二番手以下の小競り合いを見せられた訳ですよ。いやこれって凄いことじゃないですか。前に書いた『神と神』の記事で、「久しぶりの続編で悟空を辺境のそこそこ強い奴程度に扱ったのは凄い」とか言った気がしますけど、今回も結構凄いことやってますよ。今まで我らが悟空は色んな悪者を相手取って戦ってきたけど、もっと強い奴ってのはどこにでもいて、そいつらからしたら人類のピンチも宇宙の片隅の小競り合い程度だったんだなぁって事実を再確認させられたというか。やっぱり「あのフリーザが復活」と聞いての期待は消化不良で終わった感ありますけど、鳥山先生は「全てやりきった『ドラゴンボール』という作品でこそ出来るその後」をやろうとしているんだなぁと思った次第でございます。

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