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『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』 第 43 話「亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その 2」

ヴァニラ・アイスの「クリーム」。スタンド最強議論においてまず間違いなく名前が挙がる能力の一つである。一方で本体名にインパクトがあり過ぎるためか、スタンド名が「なんだっけ」と思われがちな印象がある能力だ。ともかく「クリーム」は強い。こいつを簡単に言い表すなら、「絶対に安全な場所から」「気配も音もなく」「防御不能の攻撃ができる」というスタンドである。何というか、強力過ぎて身も蓋もない。これまでの敵スタンドに存在していた「付け入る隙」が無くなり、スタンド本来の恐ろしさである「不意打即必殺」が具現化したようだ。アヴドゥルがいなければ全滅していたことだろう。

「この世界の空間から姿をまったく消すスタンド」。 DIO は「クリーム」をそう称した。個人的に思うスタンド使い最大の恩恵とは、「スタンドを認識できること」だ。どれほど力のかけ離れた能力同士でも、「認識」という一点においては対等であり、その恩恵こそ全てのスタンド使いに与えられた「勝機」なのだ。だが「クリーム」は少し違う。認識できず、防御も反撃もできず、知らない間に殺されてしまう……そういった「非スタンド使いがスタンド攻撃に抱く恐怖」を、「クリーム」は同じスタンド使いに対しても与えることが可能なのである。敵の副将とは何とも凄まじく恐ろしい相手であった。アヴドゥルの命を引き替えに繋いだか細い生存の糸を、ポルナレフたちは勝利へと繋ぐことが出来るのだろうかッ!

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