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『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』 第 45 話「DIOの世界 その 1」

ポルナレフという男は死に場所を求めてきたのではないか。守るべき妹が惨殺された時に、彼のなかで「生きる欲求」のようなものは朽ちていたのではないかと考えることがある。妹の無念を晴らすべく旅を続けてはきたものの、それは「目的」というより、どうしようもない激情が発露した結果だったという方が個人的にはしっくりくる。「両腕とも右手の男」と対峙した時、ポルナレフはただ感情に流されるだけだった。結果として仇は討てたが、アヴドゥル達の介在が無ければ死んでいただろう。どうにもポルナレフは「逃げる」ということをタブー視している傾向がある。それは「勝つために逃げる」ジョースターとは対極の境地だ。妹を守れなかった時点で、ポルナレフは「活路」よりも、より信条に反しない「死地」を選び取るようになってしまったのではないか。それは確かに高潔と言える生き方なのかもしれない。そのような戦いで命を落とそうとも、きっとポルナレフに後悔は無いのだろう。だが死ねないのだ、こういう男は、残念ながら。なぜなら彼の仲間が、彼の自暴を許しはしないからだ。ポルナレフの口にする「悲しい友情運」とは、そういうものなのだ。

ヴァニラ・アイスはお手柄だったよな。自らの命と引き替えに、敵にそれ以上の痛手を与えてみせた。「しっかりと強かった」のだ。ラスボス手前の敵というのは、「次に待つのは今以上」と印象づけるために存在する。果たして DIO が持つ「世界」の正体とは何か。超スピードや催眠術よりも恐ろしい能力とは何か。今や有名過ぎて『ジョジョ』を知らない人間ですら DIO の「世界」だけは知っているという事態を生みだしている、それほどまでに恐ろしい「最強のスタンド」の秘密は、次回明かされるッ!

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