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『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』第 28 話「今にも落ちて来そうな空の下で」

サブタイトルでもう泣きそう。

さて既についた決着だが、リゾットは「メタリカ」で「エアロ・スミス」を操り自分ごと貫かせようとする。だがこれだけの死闘を演じた後ではとても予想もつくまい。ボスの能力が一部でしかなかったなどと。故にボスは予知した被弾の未来を「吹き飛ばし」、後には暗殺チームのリーダー、その亡骸だけが遺った。グッとくるのはリゾットが「ただメスを投げて返り討ちにあっただけの雑魚」として処理されるだろうというボスの推測が覆されたことだ。その場には強者しかいなかったと、ブチャラティはきちんと汲み取った。これがほんの僅かばかりでも追悼になるだろうか。

仕方が無かったとは思う。アバッキオの懸念もあって、念入りに調査すべくブチャラティはナランチャに付き添った。事実調査それ自体は正しく、それはボスを追い詰める行動になったと言える。トリッシュの護衛には二人つけたいし、亀からも出したくない。だからアバッキオに単独行動をさせるのは仕方のないことだったのだ。だがこうも思わずにはいられない。「フーゴさえいれば……」と。半死半生のボスだが、たまたまそこにいた子供の輸血がたまたま自身に適合したという神がかり的な幸運に護られるがまま、アバッキオの「再生」も阻止した。さすがは人生の絶頂に居続けた男。彼自身の立ち回り以上に、やはり「幸運」でなければそんな生き方は成り立たないのだろう。アバッキオの死は「運命」だった。

死の淵か、アバッキオは夢を見た。かつて自分が死なせた警官との再会。動かなくなったアバッキオと別れる一行の中、ジョルノが彼の手に握られた遺志に気づいた。それは確かに、アバッキオが最期の力で辿り着いた「ボスの素顔」であった。アバッキオの夢の中で警官は言う。例えその意志が完遂できずとも、誰かがそれを継ぐだろう。それを信じて逝くならば、それは途中でもなければ、まして失敗などでは断じてない。それは完全にして、決定的な、ボスという男への反証なのだ。

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