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ドラマ『岸辺露伴は動かない』 第七話「ホットサマー・マーサ」

今年もやってきた『露伴』の季節。まさか三年も続くとは思わなかった。今回は「ホットサマー・マーサ」。原作は『JOJO magazine 2022 SPRING』に掲載された一篇から。

動かないと言いつつ何だかんだ動くことに定評のある露伴先生ですが、今回こそは動かない。いや動けないと言うべきか。新型コロナの脅威はこの世界にとっても例外ではなく、露伴は強制的に縫い留められた形です。取材をこそ心底の活動資源とする漫画家にとってこれは大きすぎる痛手でした。岸部露伴は動けないッ。

淀んだ世界、淀んだ理性。だから辻神によって不思議な場所へと迷い込んでしまう。ここまではいいよ。でも御神木に封じられていた鏡を触ってヤバいメに合ってるのは完全に自業自得じゃんさッ! しかし自覚はあったようで、高慢ちきな露伴も誠心誠意謝罪せざるを得ない。でも謝ってるだけだよ、そいつ。好奇心から手を伸ばして痛い目を見るのはこの男の宿痾なので、絶対にまたやるよ。康一君の魂を賭けても良い。

ということで今回の敵は鏡に映った者の暗黒面、露伴の心のヤバイやつとして本人と入れ替わる藪箱法師……ではない。杜王町に住まう一般的狂人、イブちゃんだ。藪箱法師は間違いなく害悪ではありますが、恐らくそのものに悪意は無く、近づかなければ何も問題は無い存在です。どうしようもないのは、先天的に暗黒の人間性を持つイブちゃんだよ。怖いってこの町。このレベルの狂人がゴロゴロいるんだもの。仕方がないとはいえ藪箱法師によって反転させられた彼女はどんな災いを振りまくのだろう。案外闇の反対は光ということで善行ばかりな気もする……いや、闇は鏡に映らないか。

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