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『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』第 37 話「メイド・イン・ヘブン - 2」

時は加速するッ! 超スピードに翻弄される一行。しかしそれを除けば敵の性能は精々中の上程度でしかなく、近づいて殴ってくることが分かっている以上、瞬間を捉えれば勝ち筋は存在する。さあ「海(オーシャン)」だッ! そんな思い切りのいいタイトル回収から始まる今週の『ジョジョ』ッ!

結論から言うと、プッチの大局観が勝りました。前回、承太郎の思惑を超えて木の弾性による追加ブーストを行ったところで嫌な予感はありました。そもそも時の加速を除けば凡庸な近距離タイプでしかないことなど自覚しているに決まっていて、そもそもアナスイのダメージ肩代わりスキルは既に見られている。プッチからすれば展開は読みやすかったことでしょう。むしろどうしたジョースター、と言いたいところ。かつて DIO と戦い、打ち破った。その過去そのものからやり返されているかのような悪夢。空条承太郎が死んだ。

偉大なる男の死を悼む間もなく、世界は加速度を上げていく。僕はついていけるだろうか…君のいない世界のスピードに。雲が吹き飛んでいく。太陽がラインを描いていく。地形が変わっていく。岸辺露伴が締め切りに間に合う。ジョリーン最期の足掻きによってただ一人生存したエンポリオは世界の加速と地球の終焉を見届け、そして宇宙へ放り出され……気付けばそこは見慣れた場所、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所でした。よく出来た物語とは、全ての終わりに「はじまり」へと戻ってくるものだと言いますが、これはつまり、そういうことなのでしょう。『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』……次週最終回。

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