司（つかさ）は後輩（こうはい）の片山衛（かたやまえい）がはいっている野球部（やきゅうぶ）の試合（しあい）をみにきていた。衛（えい）はなんと男子（だんし）にまじってレギュラーを獲得（かくとく）しているんだよ。がんばっている後輩（こうはい）のはれ舞台（ぶたい）をみないわけにはいかないよね。だけどまわりのひとたちみたいに一生懸命（いっしょうけんめい）応援（おうえん）するきにはなれない。だってがんばってるのは選手（せんしゅ）だもん。応援（おうえん）なんか意味（いみ）ないよ。そのころ衛（えい）は体力（たいりょく）の消耗（しょうもう）をおさえるためにベンチにさげられちゃった。男子（だんし）はまだ余裕（よゆう）がありそう。いつごろからだろう、性差（せいさ）にきづきだしたのは。これからその差（さ）はもっとひろがるんだ。どうしてわたしはおんなのこにうまれてきちゃったんだろう。そんな衛（えい）のところに、風間新人（かざまにいと）がやってきた。
「女性（じょせい）であることをくやむなんてもったいない！」。新人（にいと）はそういって緑色（みどりいろ）のカードをとりだした。これは……？ 疑問（ぎもん）におもう衛（えい）だけど、いきなりあらわれた司（つかさ）が新人（にいと）のレバーに拳（こぶし）をつきさしていた。あわをふいてたおれる新人（にいと）を、司（つかさ）は笑顔（えがお）でひきずっていく。自分（じぶん）がどんどん人気（ひとけ）のないところにむかっていることに恐怖（きょうふ）した新人（にいと）は、誠意（せいい）をこめて説明（せつめい）した。片山衛（かたやまえい）にはプリキュアの素質（そしつ）がある。司（つかさ）はゴミをみるような目（め）でいう。「その緑（みどり）のカードをわたして。あと、面倒（めんどう）だからほかのプリキュアカードも全部（ぜんぶ）よこせ。しね」。そのとき試合場（しあいじょう）で異変（いへん）が！ もしかして、ブードゥーキングダム!?
試合場（しあいじょう）ではすでに、野球（やきゅう）ボールのカブラーンがあばれていた。そのうしろには筋肉（きんにく）モリモリマッチョマンの変態（へんたい）が。そのなはリーチ。ブードゥーキングダム四大幹部（よんだいかんぶ）のひとり。はせさんじるキュアレッド。「プリキュア・レッド・ライン 2.0！」 いきなりの必殺技（ひっさつわざ）！ ……きかない！ だったら、 3.0！ やった！ カブラーン撃破（げきは）！ ……だけど全身（ぜんしん）をおそう激痛（げきつう）に、キュアレッドはたおれこんだ！ 2.0 と 3.0 を連続（れんぞく）してはなったから？ ちかづいてくるリーチ。からだがうごかない。マニーはこの好機（こうき）に衛（えい）をプリキュアにしようとする。……やっぱり無理（むり）だったのかもしれない。そんな司（つかさ）の耳（みみ）に声（こえ）がとどく。「がんばれ！」
衛（えい）をはじめ、目（め）をさましたひとたちがキュアレッドを応援（おうえん）していた。うごかないはずの身体（からだ）がふるいたつ 。そしてはじまるリーチとのぶんなぐりあい。もう身体（からだ）は限界（げんかい）だ。しかしたおれるわけにはいかない。その姿（すがた）に衛（えい）は希望（きぼう）をみた。すさまじいステゴロをせいしたのはキュアレッドだった。四大幹部（よんだいかんぶ）、撃破（げきは）……の寸前（すんぜん）、よこやりが。仮面（かめん）の少女（しょうじょ）、四大幹部（よんだいかんぶ）のひとり、ノミー。「キュアレッドよ。たったひとりで、どこまでやれる？」「あんたたちを、ぶっつぶすまで」「……またあおう」。そして野球（やきゅう）のしあいは、無事（ぶじ）に再開（さいかい）された。さっきまでのだんまりはどこへやら、試合場（しあいじょう）には司（つかさ）の元気（げんき）な応援（おうえん）がひびいていた。
つかさ「インファイトでけっちゃく。そういうのもあるのね」
マニー「あーあー、ふえないプリキュアっていっても、パターン化（か）してきてそろそろあきられるマニよ。……おや？ つぎのプリキュアはどうやら……いけるっぽい……マニ……？」
つかさ「なにをゴチャゴチャいってるのかしらないけど、わたしはさいごまでひとりでプリキュアよ」
つかさ「プリキュアセブン、『生徒会長（せいとかいちょう）の憂鬱（ゆううつ）！ キュアブルー誕生（たんじょう）!?』」
つかさ「プリキュアセブン？ ひとりでじゅうぶん！」
マニー「いだだだだだだだだ！ なんでマニ！ なんでマニ！」