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プリキュアセブン | このまえのおはなし | このつぎのおはなし

「ドキドキの学園祭! 虹色の友情!」 (ドキドキのがくえんさい! にじいろのゆうじょう!)

クイーンハーシュは思(おも)い悩(なや)んでいた。まさか、プリキュアがそろわないだなんて。倒さなければならない「(てき)」がいるのに、まさか身内(みうち)に足(あし)をひっぱられることになるとは。なにか手(て)をうたなければ。ぜったいに、プリキュアでなければならないのだから。一方(いっぽう)で、キングブラドはたのしんでいた。まさかの、そろわないプリキュア。ずっと続(つづ)けていれば、こういうこともあるのか。勝(か)ち戦(いくさ)ばかりで飽(あ)きていたところだ。たまにはこういう変(か)わり種(だね)があってもいいだろう。なによりクイーンハーシュの苦渋(くじゅう)が見(み)てとれるようで、たのしい。

待(ま)ちに待(ま)った学園祭(がくえんさい)! 虹橋学園(にじはしがくえん)は丘本(おかもと)グループのバックアップもあってか、一般客(いっぱんきゃく)もいりみだれての大賑(おおにぎ)わいだった。出店(しゅってん)のクオリティもたかくて、司(つかさ)は大満足(だいまんぞく)。クラスの企画(きかく)もうまくいっているし、ほんとうによかった。意外(いがい)だったのが、新人(にいと)がちゃんとした先生(せんせい)みたいにクラスのみんなをひっぱっていたこと。妖精(ようせい)としての使命(しめい)はどうしたんだろうか。プリキュアをあつめることをあきらめたわけじゃないようだけど。そんなとき、モスキーとツェツェがあらわれた。学園祭(がくえんさい)をむちゃくちゃにして、うらぎりもののみいこを始末(しまつ)しにきたの!

性懲(しょうこ)りもなくカブラーン召還(しょうかん)……しようとするふたりだけど、どうしてか学校(がっこう)のみんなや一般客(いっぱんきゃく)からエナジードレインができない。なんとそれはみいこのおかげだった。みいこは学園(がくえん)のなかにいるみんなからあらかじめちょっとだけライフエナジーをもらっておくことで、ほかの幹部(かんぶ)がエナジードレインできないようにしておいたんだ。だったらカブラーンになどたよらないと、モスキーとツェツェはじぶんたちだけでみいこを攻撃(こうげき)する。さすがに 2 対(たい) 1 では分(ぶ)がわるい……だけどそのころ司(つかさ)は、これまでのたたかいでたまったダメージで変身(へんしん)できなくなってしまっていたんだ。

プリキュア候補(こうほ)たちが、次々(つぎつぎ)と名乗(なの)りをあげる。司(つかさ)をひとりではたたかわせたくない。「ありがとう……。だけど、もう少しだけ、 1 人で」。意地(いじ)になっているのだろうか。そんな場合(ばあい)じゃないのに。でも、もうちょっとだけ。身勝手(みがって)で傲慢(ごうまん)かもしれないけど、はじめて「やろうときめたこと」なのだ。まだ、やれる。そして司(つかさ)は無理矢理変身(むりやりへんしん)して、みいことふたりでモスキーたちを追(お)いかえす。そろわないプリキュア。それでも、一緒(いっしょ)にたたかってくれようとするひとたちがいるかぎり、孤独(こどく)ではない。この日(ひ)ようやく、司(つかさ)は自分(じぶん)がプリキュアであるということを受(う)けいれたのだった。

じかいよこく

つかさ「というわけで、今日(きょう)から心(こころ)をいれかえてプリキュアとしてがんばります。もう嫌々(いやいや)やりません。でも身体(からだ)がキツいのでさっさと終(お)わらせたいです。こういう本音(ほんね)もありでしょ」

マニー「もう、いいマニそれで」

つかさ「いいの?」

マニー「どうせマニーがなにをいってもきかないマニ。目的(もくてき)はブードゥーキングダムをたおすことマニ。プリキュアの人数(にんずう)は関係(かんけい)ないマニ。クイーンハーシュもおゆるしになるマニ」

つかさ「話(はなし)、わかるじゃん。というわけでプリキュアセブン、『富裕層無双(ふゆうそうむそう)! 低所得者(ていしょとくしゃ)たちを救(すく)え!』」

つかさ「プリキュアセブン? ひとりでじゅうぶん!」

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