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『ELDEN RING(エルデンリング) SHADOW OF THE ERDTREE』の前に取りあえず考えておくこと(2)

おはようございます。

6 月 21 日配信の『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』を控え、「現時点で何を考えてるかを先に出しておこう」の記事、二本目です。……二本目? なんかもっとやってる気がしてますが、まあ数かぞえるの苦手なんで何でもいいです。二本目!

また前回に引き続き「別館」の記事となります。つまり「本館」の記事と比較するとあんまりちゃんとやってないというか、正直言うとこの記事の後にもう一本書いておきたく、タイム・リミットが差し迫ってきたのもあり、ちょっと急ぎ足で辻褄だけを合わせる、その為の言い訳として用意したのが「別館」でもあるので、まあそういうこと。

「ぞあっ」と書くので「ぞあっ」と読んでください。

ラダゴンとはマリカである

「ラダゴンとはマリカである」らしいです。本当なんだって信じてくれよ!

王都ローデイルに安置されたラダゴンの彫像の前で「回帰性原理」を使用すると、なんと彫像の姿がマリカの姿に変わります。その言葉を証明するように、最終決戦においてマリカの姿はラダゴンへと変わりました。

王配ラダゴンと永遠の女王マリカは同一の存在だった、そのようなことが示されたわけですが、ことの衝撃に打ちのめされ、肝心の事柄が幾つかスルーされているように思えます。

「ラダゴンとはマリカである」

例えば、それはいつから?

そもそも「ラダゴンとはマリカである」とは?

「ラダゴンとはマリカである」。それが秘密であったということは、当たり前のことを言いますが、皆はそれを知らなかったということ。じゃあ、みんながマリカだと思っていた人物がラダゴンで、マリカだと思っていた人物がラダゴンであった可能性が出てくる。

例えばテキストで「マリカ」と表記されている部分を「ラダゴン」と読み替えてみるとか、その逆をやってみるとか、この記事でその深堀りをやる気はないんですが(というかもう誰かやってるでしょう)、今回気にしてみたいのは、いつ、どのタイミングから「ラダゴンとはマリカ」だったのか、そしてどっちが本体だったのか、或いはどっちも本体だったのか、とかそこらへん。

マリカの言霊
「おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ。お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない。さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!」

個人的にメリナが受信する言霊に関してはマリカ本人のものと信じているのですが、この言を聞くに、マリカの中に入り込んだラダゴンが少しずつその身体と神性を乗っ取っていき……という風に解釈してました。

しかし今回、 DLC のストーリートレーラーを見て、ちよっとだけ考え方の内訳というか、印象が変わったわけです。

今回はその話をします。

ラダゴンはマリカとなる(1)

あんまり知られてないようですが、ゴーレム系の敵に「結晶投げ矢」を数度ぶつけると混乱してくれます。

結晶投げナイフ
これに似た結晶の道具を
かつて、ゴーレム技師が用いたという

結晶はソフトの入力装置であり、ゴーレムは空のハードウェア。

要はゴーレムを生きているかのように動かすために技師が結晶を通してルーン(プログラム)を打ち込む必要があることが示唆されていると考えます。だから同じように結晶(に込められたルーン)を打ち込むことでプログラム同士が干渉しあってバグるんでしょう。

で、結晶とは入力装置であると同時に記憶装置でもある。そしてその対象は「魂」にすら及ぶことが、セレン師匠イベントによって明らかになっています(輝石を結晶の一種として見るなら)。

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セレンの原輝石
原輝石とは、すなわち魔術師の魂である

アズール、ルーサット両師などはその頭部、脳機能を輝石に移してしまったことが伺えますが、セレン師匠を通し、我々は原輝石という記憶装置および入力装置によって、人の魂が移植可能であることを知ります。

セレン師匠の新しい身体が既存の人体(有機物)なのか、精巧な作り物なのかは知りませんが、後者を入れ物として選び、そしてその魂の移植を最もうまくやった一人がラニでしょう。彼女が行った自身の魂の移植は、セレンやアズール、ルーサット両師が行った魔術、或いはれに近しい技術の、恐らく前例です。

魂とは元の肉体から別の肉体は愚か、無機物へとすら移植することが可能なのです(どちらかと言えば元の身体と魂を切り離すことの方に高度な技術を要する気がする)。

そして冷静に考えて見ると「なんで?」という事象の一つに、ラストのマリカ(ラダゴン)の肉体が、さながら石膏像のように崩れていたことが挙がります。エルデンリングの器であるというマリカの肉体が、その破砕に呼応するように砕けたのだと思いますが、もっとシンプルに、あの身体はそもそも作りものの無機物だったという仮説は如何でしょう。娘のラニがそうであったように。

つまりマリカ(ラダゴン)の身体はある種のゴーレムだったという仮説に持って行きたいのですが、わざわざこう考えるのには幾つか理由がありまして。

エルデの流星
かつて、大いなる意志は
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという

思い返して頂きたいのが、ラスボス「エルデの獣」の身体はさながら結晶のような質感に思えました。これが気のせいでなければ、エルデンリングを宿す、或いは「そのもの」であるエルデの獣は、それ自体がエルデンリングという巨大なルーン(プログラム)の入力装置であった、と考えられます。

結晶とゴーレムの関係が、魔術師と輝石と肉体の関係が、それぞれ単体で完結するものでなく、もっと何か大きなものを示唆するフレーバーであると解釈するのなら、それは、エルデの獣という入力装置と、マリカ(ラダゴン)というハードウェアが原初に存在したことを想起させるために在った……ら、面白いなぁと。

エルデの獣自体が結晶(入力装置)であるという仮説を補強するために、その入力先であるマリカ(ラダゴン)には被造の器であって欲しいわけです。面白いから。

指読みのエンヤ
「女王マリカは、エルデンリングの宿主、その幻視を宿す者 すなわち神さね」
「”マリカの大過は、大いなる罰に値する”」
「”だが彼女は、罰せられてなお神であり、幻視の器なのだ”」

エルデンリング、ないし「律」の宿主を神と称する。前述のマリカの言霊と合わせると、ラダゴンはまだ神(宿主)ではない。しかし彼が最終的に「黄金律」として立ちはだかったことを考えれば、つまるところ彼はマリカという器に入力されたルーン(エルデンリング)の、そしてそれによって動く黄金律というシステムの一部であり、徐々に内側から宿主たるマリカを蝕んでいった……「ラダゴンはマリカになって」いった、そう読めます。

ラダゴンはマリカとなる(2)

と、ここまではこれまで書いた記事を整理したもの(書いてない部分にも触れてますが)。しかし DLC のストーリートレーラーを観ることでちょっと別の思いつきを得たわけです。

そもそもここまでの仮説が正しいとして、そのマリカを形作る被造の身体とやらはいつ用意されたのかという疑問が出てきます。もっともこれ、マリカ(ラダゴン)ゴーレム説を掲げているから余計なことを考えなきゃいけなくなっているとも言えます。マリカが自身に宿るエルデンリングを砕いたことで、肉体が人工的な器のように砕けてしまった、と受け取っても良いはず。というかそっちの方がシンプル。

しかしあえてマリカの身体が人工物である説を掲げたいのには、やはり理由があります。

写し身の雫の遺灰
召喚者の姿を模倣し、戦う霊体
ただし、その意志までは模倣できない
永遠の都が、王を創らんとした遺物である
喪失の戦灰
戦いの記憶を失った、空っぽの戦灰
そのままでは、何の付与もできないが
円卓の鍛冶師ヒューグの手により
あらゆる戦灰の複製となる
そして複製は、もうひとつの本物となる

一見して「複製」と「模倣」を強調するこれらのフレーバー。まるで本編の誰かが複製され成り代わられていることを示唆しているかのようにも思えますが、そう思えるだけでそんなキャラクターは登場しません。超重要そうなフレーバーにも関わらず、浮いてしまっているんですよ。

でも、そうじゃないとしたら?

では、ここは大きく張りましょう。

我々が知る永遠の女王マリカ、或いはラダゴンとは「複製(写し身)」であったと。

雫の幼生
銀の雫と呼ばれる、変態生物の核
生物と物質の中間にあるもの

特に永遠の都関連の変態生物は生物と物質の中間に位置するそうなので、ルーン(魂)の入れ物が被造物でなければならない懸念もクリアできそう。

稀人のルーン
稀人は、かつて狭間の外からやってきた
女王マリカの同族であるという

我々はマリカなる人物の出自をよく知りません。どうやら稀人であったらしいということくらいで、どこかで彼女が「複製に成り代わられていた」としても、その人格の矛盾や非連続性を指摘できないんです。

また、本編中で「魂の移植」が描写されていた以上、例えば「複製された肉体に、本物の魂がインストールされていた」という、入り組んだ状態であったとして、これも否定できない。

そしてこれは既に指摘されていること思いますが、ラダゴンの成れの果てと思われる「神の遺剣」と「指殺しの刃」の類似も気になるところ。

指殺しの刃
神の遺剣

指殺しの刃 / 神の遺剣

指殺しの刃
永遠の都、ノクローンの秘宝
遺体から生まれたとされる刃
永遠の都の大逆の証であり
その滅びを象徴する、血濡れた呪物
運命なき者には振るうことはできず
大いなる意志と、その使いたちを
傷つけることできるという
神の遺剣
永遠に死ぬことのないはずの
神の遺体から生まれる剣
人々はそれに様々な意味を見出す
大いなる罪、破滅、時代の終わり
あるいは始まりを

永遠の都の大逆が何かは分かりません。大いなる意志と、その使いである指を傷つける武器を生み出してしまったことなのか、或いはその前段階に何かがあって、指殺しの刃とはその結果生まれたものなのか。

これはいま考えていることのフレーム部分ですが、永遠の都は「写し身」によって神を模倣する術を作り出し(そしてそれは「律」の模倣とも言える)、それが大いなる意志をブチギレさせた。そして死なないはずの神の「模倣」、神の写し身の残骸が、大いなる意志たちをも傷つける刃となった……とまで想像してみると、「ラダゴンはなぜ遺剣になったのか」→「写し身だったから」という方向に、彫り進められます。

さて、しかしてマリカの言霊曰くラダゴンは「黄金律の犬」だったらしいので、ラダゴン自体は大いなる意志の側に立つ者と見ています。これが、写し身によってエルデンリングを模倣した結果、「黄金律の犬」としての性質すら模倣してしまったのか、元は空っぽで意志を持たない写し身に大いなる意志が「黄金律(ラダゴン)」をインストールして操っていたのか、細かく考えるだけ細かく分岐しますが、まあここは今詰めるところじゃないと思っているので一時放っておきます。というかどっちがどっちの写し身だったの?とかも、今は置いておきます。

いま重要なのは、

はじまりは、誘惑と裏切りだった。

黄金はそうして生まれ、また、影も生まれた。

黄金の始まりには銀(しろがね)が在ったのではないか。この一点です。

過去作に倣いますが、『デモンズソウル』において敵対していた「奇跡」と「魔術」は、元は古き獣という同じ起源を持つ力でした。

またこれは言葉遊びですが、『Bloodborne』において「聖血(≒清潔)」と崇められていた力こそヤーナムという街を不浄へ沈めていました。

つまり人々が崇めているものと、その信仰の影で排斥され忌避されているものが、実は同じものだった、という皮肉な大オチを、フロム・ソフトウェアはやりたがるだろうというメタ読みをしています。

しろがねの凝血
しろがね人とは、人に創造された生命である
それ故に、彼らは黄金樹に祝福されぬ 穢れた命であると考える人々がいる
しろがね壺
カッコウたちは嘯くだろう とくと見よ。お前たちの血の穢れたるを こんなものが、まともな生命に流れるものか
それ故に、彼らは黄金樹に祝福されぬ 穢れた命であると考える人々がいる

嫌いで嫌いで仕方がない「しろがね」が、しかし黄金律の始まりに在った。それを知った黄金律原理主義者の顔を想像するだけで笑いが止まらな、いえ、貰い泣きしてしまいそう。

ちなみにこの推測自体は前から持っていて、それを示唆しているのではないかと思っていたフレーバーに「双児シリーズ」があります。

双児シリーズ
黄金と白銀、絡み合う双児を象った〇〇
分かたれぬ双児、Dは二人いる
二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂
共に起きることはなく、言葉を交わすこともない
D

双児

このゲームにおいて多くの NPC たちは、それぞれが少しずつマリカの背景に似た運命を背負わされていると考えているのですが、この「黄金と白銀(しろがね)が絡み合う」装備を纏う D は特に意味深に思えます。それはそのまま「黄金」律と永遠の都の「銀」の関係性であり、或いはマリカとラダゴンの関係性であるようにも思えます。

ちなみに長くなりそうなので飛ばしてしまったのですが、ゴッドウィンを暗殺した黒き刃は永遠の都の末裔らしく、そしてマリカは彼女達と同族である稀人という説があります。それを加味すると、マリカ(銀)とラダゴン(黄金)という対立軸も垣間見え、例の言霊でマリカがラダゴンを「犬」と罵っていたことの意味も一層深まります。

ノクス僧のフード
太古、大いなる意志の怒りに触れ
地下深くに滅ぼされた、ノクスの民は
偽りの夜空を戴き、永遠に待っている
王を。星の世紀、夜の王を

これを見るに「星の世紀」エンドにおいてラニは、黄金律を打倒し、マリカとその故郷が待望した「星の世紀」を興したという奇麗な線が引けるのですが、さて……。

ともかくいま色々と突き詰めることはしたくないので、今回一番強く主張したいことは、

上裸おじさん

ラダゴンとはマリカである

なぜここのマリカ(と思われる人物)は上裸だったのかということ。

セクシー過ぎた為か結構な数のファンアートを見かけますが、思うにこの時点でマリカはラダゴンだったんじゃないかと。我々が知るラダゴンは常に服を来てないので、いまこの瞬間を以て、男性から女性に成り代わったからこそ、マリカ、いえ、ラダゴンは上裸だったんです。

黄金律の始まりにおいて、最初から「ラダゴンとはマリカ」でした

しろがねの残滓

マリカ(ラダゴン)の肉体が写し身だったと主張しましたが、言霊にある「おまえはまだ私ではない」の一文、そして本編ラストで性別を自在に行き来していた姿からもそう思っています。

ただ正直この点もそこまで重要ではないです。肝心なのはその肉体に「銀(しろがね)」の血が入っていたであろうこと。

いま書いてて思いましたが、もう一人の D が永遠の都で蹲っていたのって、彼(ら)の起源が永遠の都にあったからなのかもしれませんね。黄金律に仕える身である一方、その身体には黄金律に反した土地を起源とする血が流れているのかもしれない。黄金律そのものであるラダゴンが、しかしその身体を永遠の都を起源にするのであれば、ここが重なります。

また以前、黄金律というものが坩堝なる生命の起源から不純物を排するためのサイクルであると書きましたが、永遠の都の肉体を持つラダゴンが、その身体を「黄金に相応しい」ものに作り替えようとする意図もあったのかもしれません。

そしてそうはならなかった。

以前から気になっていたこととして、レナラが産み直し続ける幼年学徒たちは、どうも足が不自由です。そしてこれは、しろがね人の第一世代がやがて足を失うことに重なる。

レナラ
「…あら、貴方…少し良い子になったみたい。また産まれ直したら、きっともっと良い子になるわ。ずっと、ずっと、貴方たちは産まれてくるのよ…」

黄金律による誕生と還樹のサイクルが、生命から不純物を取り除き、より「良いもの」に変えていく。レナラが語る「生まれ直しによりもっと良い子になる」とは、まるでその様を表しているかのようです。

しかし、だとすると「生まれ直し」が持つ脆弱性は、そのまま黄金律が持つ不完全性に繋がるという意味にも取れます。不完全な生まれ直しにより足の不調を抱えてしまうのは、黄金律の起源に「銀(しろがね)」が在ったことの、声なき示唆でしょうか。

なぜラダゴンはレナラに琥珀の卵(産まれなき者の大ルーン)を与えたのか。黄金律が持つ不完全性をレナラに解決させたかったと取れますが……。

ラダゴンの肖像
赤髪のラダゴンは
カーリアのレナラの夫として魔術を修め
女王マリカの夫として祈祷を修めたという
英雄は、完全たるを目指したのだ

黄金律の犬は、自らが仕える律、或いは自らそのものを完全にするために魔術を修めたわけです。その始まりに「銀(しろがね)」を持つという事実を、いつか無かったことにするために。

そういえばラダーンも脚部の不自然さ(足首から先が無い?)を指摘されていましたが、あれも兼ねてより囁かれていた通り、「しろがねの血を宿すから」なのかもしれませんね。

そしてもう一つ、公式によって知らしめられた DLC キャラクターが持つ剣は、どこか神の遺剣に似ている。

Will you walk with us? #ELDENRING #ShadowoftheErdtree pic.twitter.com/gSKjQwnKv6

— ELDEN RING (@ELDENRING) May 23, 2024
神の遺剣

神の遺剣

白銀の刀身に黄金の繊維が絡みつく様は、果たして何を示唆しているのか、そしてその由来は、能力は……?

赤髪のラダゴン

さてもう一つ気にしなければならないのはラダゴンのもつ赤髪ですが……同じく赤い毛髪を持つ火の巨人が中盤戦から自分の脚を千切り出したのと、しろがね人の脚が不自由であることと何かしら関係があったりしないかなとか考えています。

まあ極端な話なのでこれは例えばになりますが、巨人の起源にもしろがねが、或いは逆でしろがねの起源に巨人が関わっていたとか。

巨人の赤髪
火の巨人の、燃えるような赤髪を 編み込み束ねた太鞭
巨人たちは、皆一様に赤髪であり
ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという
それは巨人の呪いだったろうか

もしも巨人としろがねの起源が同様であるなら、銀(しろがね)の肉体を持つラダゴンにその特徴が表れてしまった、それで奇麗につながりますが、この辺りは影の地での新情報を期待しているので、あんまり強めに決めたくない気持ちがある。

ところでデミゴッドであるというメスメルですが、やはり赤髪を持ちます。何となく最初期のデミゴッドっぽいメスメルが赤髪なのは、ラダゴンが王配として扱われる以前からマリカとの間に子を設けた(単体生殖)ことを意味するのではないかと考えているのですが、それはそれとして、以下のテキストも気にしておきたいところです。

ミエロスの剣
巨人の背骨から作られたという禍々しい大剣
ミエロスは巨人としては矮小であり 酷く醜く、穢れていたという

メスメルやミケラたちがそうであるように、マリカの子である一つの示唆として名前に「M」を持つ傾向が知られていますが、ミエロス(Milos)も「M」だったりします。巨人の起源も DLC で明らかになるのでしょうか。

忌み角を持つ者たちは、坩堝から端を発した生物が、黄金律の望む形に分離・整形されていない状態と考えています。この「忌み」を分離するために黄金律は再誕と還樹のサイクルを回し続けている、つまり「産み直し」続けているのだと思われますが、巨人が「穢れていた(=忌み角を持っていた?)」とするなら、やはり巨人もまた、デミゴットや褪せ人達と起源を同じくする存在だったのかもしれません。皆、仲間だったんだネ……。

ミケラは天下を取りにいく

最後に「嫌な予感」について書いておきましょう。

前回の記事で、ミケラはしろがね人や混種など、黄金律から弾かれてしまった者たちを救うために新たな律を興そうとしながら、最終的にそれを投げ出したのではないか……と書きましたが、正直に言うとその線はなさそうだなと思っています。

神人眠りの繭
なんかのまゆ

神人眠りの繭 / 睡卵

ミケラの聖樹には神人眠りの繭に似たものが散見しました。前回、眠りは異界への入口であり、これを使ってミケラは身体と魂を切り離し、影の地へと旅立ったと書きました。つまりミケラ(トリーナ)が持つ「眠り」は、恐らく「しろがね」や「腐敗」などと言った、黄金律に受け入れられない性質から魂を切り離す能力なのではないかと思います。

何のためにミケラが影の地に旅立ったかまでは分かりませんが、繭(睡卵)に包まれた肉体から解き放たれた魂を新天地に導く為なのかもしれない、くらいには考えております。

どうもメスメルは影の地に君臨し、かつて忌み人たちを積極的に焼いたっぽいので、影の地を新天地とするなら邪魔になるはず。ミケラは「誰かメスメルぶっ殺してくんねーかな」と思っているのかもしれず、そしてそれは我々の役目なのでしょうか。仕事を増やすんじゃねえ。

もう一つ。これが嫌な予感なのですが、前からトリーナのスイレンについて気になっていることがあります。しろがね村の近くにやたら生えているし、リエーニエでしろがね人(第二世代)がこの花を囲っている場面に出くわしたりもする。もしこれがトリーナによる誘致、言ってしまえば「しろがね人たちや混種、忌みものたちを眠りに誘う」ためのもので、それによって影の地へ誘う意図で配置してあるなら、影の地には恐らくしろがね人含む忌み者たちが、たぶん沢山登場するのでしょう。

それはいいとして、嫌な予感というのが、熊の近くにトリーナのスイレンが咲いていることが多いんですよ。大丈夫? 影の地に熊 100 匹くらい出てこない??

毒沼ならぬ毒クマ、出てきたりしない? 嫌なんだけど!

ということで、続きです。

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