結果 : 【サザエさんの勝利】
サザエさん : 9 / キュアピース : 9 / あいこ : 14
解説 : ……やはり……こうなったか……。勝利したのはサザエさん。ついに 9 勝へと至り、 10 勝を目前へと捉えてみせた。両者の勝ち数が並ぶのは 14th STAGE 以来の出来事であり、以降はキュアピースが常に 1 - 3 勝のアドバンテージを保ち続けてきた。一部ではこの僅差を保ったまま最後まで走り抜けられるだろうという見方もあったものの、やはりサザエさんがちょっぴり本気をだせばこの通りという事なのか。 26th STAGE でサザエさんにより宣言された「10 勝先着」は当初無謀極まりないとされていた。その時点でキュアピースは 9 勝、つまりサザエさんは相手に 1 勝もさせないまま 3 勝しなければならない……さすがに無理だ、と。だが蓋を開けてみればどうだ。かの宣言から 7 試合、いや、キュアピースが最後に勝ったのが 23rd STAGE である事を考慮すれば、実質 9 試合、 2 ヶ月半もの間サザエさんはキュアピースを封殺し、それどころか自身の勝ち数を敵方のそれと並べてみせた。見事……いや尋常ではないと言う他ないだろう。だがしかし、今語るべきはサザエさんの恐るべきパワーや戦術についてではなく、キュアピースの「敗因」についてだと思う。ジャンケンとは単純なゲームだ。しかしそれが長期戦ともなれば自ずと「傾向」が発生し、相手の表情やフォーム、癖までを考慮に含めた複雑な心理戦と化す。 8 ヶ月以上の長丁場ともなれば尚更だ。だがそれでもジャンケンとはやはり「運」なんだ。考え抜かれた「パー」が適当に出した「チョキ」に敗れる事もある。にも関わらずキュアピースの手元に「たった 1 度の幸運」すら転がり込んでこないのは何故か。それは彼女が「自分の恐怖を乗り越えられなかったから」だ。サザエさんの発するプレッシャー、突破できない「3 勝の壁」、そして続く「勝てない状況」、加えて 28.5th STAGE での「灰色の行為」、これらに追い詰められたキュアピースは心底恐怖した。恐怖に囚われ錯乱した者の心理を探るなど、サザエさん程の達人にとってはお魚をくわえたどら猫を裸足で追いかけるよりも簡単な事だ。グーを出すと分かっている相手にチョキを出す人間はいない。つまりキュアピースは、自分自身の恐怖を払拭しない限り「勝利」を手に出来ない。 10 勝どころかこのまま全敗という事も十分ありえるだろう。さあキュアピース、とうとうここまで追い詰められたな。じわじわと勝ち続けるサザエさんは今間違いなく勝負の「上り坂」にいる。キュアピースは勝負の「下り坂」を……転げ落ちている。踏みとどまれるか? それともこのまま恐怖に飲み込まれ、再起不能にされてしまうのか? 勝ち星の上では両者ともに条件は同じ。意外なほど長く続いた「10 勝先着争奪戦」……制するのはどっちだッ!