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火と楔と血の話 04

はじめに

前回の続きですが、今回から読んでも大丈夫。いや、保証はしませんけども。この記事は『デモンズソウル』『ダークソウル』『ブラッドボーン』は全て同じ世界の物語である、という仮定に基づいた児戯幻想の類ですが、『デモンズ』の話はまだしません。必然、該当作品のネタバレを扱いますのでご了承ください。今回は本連載の核心。上位者とは、瞳とは、「本当は」なんだったのか。

上位者。獣を狩っていたはずの我々にちょくちょく存在を匂わせたかと思えば、突如現れて黒幕面し始める奇妙な生命体。深海の時代だか何だか知らないが、幾度と火を継いだ王たる我々を差し置いて、ポッと出の海産物風情が誰の許可を取って神を気取っているのか。……しかし、本当にポッと出なのか。もしかすると我々は、以前より奴らを視界の隅に捉えていたのかもしれません。今回はそのようなお話にお付き合いください。

上位者に結論を(前編)

その深淵を輸血しろ

お付き合いください、とか書き出しておいて何ですが、大分間が空いた事もあって、何を言おうとしてたか忘れちゃった。という訳でちょっと自分の書いたもん読み返してきますね。

……あー、はいはい、なるほどね、完全に理解した。

毎度やってる気もしますが、おさらいとして、まず何も無い世界があった訳です。これが「灰の時代」。正確には岩と樹と竜と、あと霧とかがあったようですが、ある時そこに「火」が灯りました。火は全ての始まりであり、灰色の世界を万象に切り分け、彩りと、ソウルというスーパーエネルギーを与えたようです。その後、火から極めて特別なソウルを見出した王様たちは竜を駆逐し、舞台の主役は完全に入れ替わります。ここからが「火の時代」。しかし火とはいずれ消えるもの。火を絶やさぬ為の苦心の時代も終には終わり、憐れ火は消え去ってしまいました。ソウルは火を根源とした力なので、必然、火と共に消え去っていく定めなのですが、例外として「闇のソウル」だけが残ります。こいつが火の次代を担う、唯一の神秘となるようです。当初の予定としては「闇の時代」と呼ばれる筈だった新たな世界は、しかしそれを望んだ者にとってさえ想定外の出来事をもたらしました。

闇の貴石
主なき人間性に生じるもの。
闇の武器は闇攻撃力を持ち信仰による補正も高くなる。
深みの貴石
深みの聖堂、その澱みに生じるもの。
深みの武器は闇攻撃力を持つが能力補正は消失してしまう。
そこは人智の届かぬ暗闇なのだ。

光と同じく闇にも信仰補正、言い換えれば人の意志を反映する性質がありました。しかし同じく闇に属するはずの「深み」は、どうやらその性質を失っているようです。そして人の意志など介さぬ、それどころか逆に蝕み得る「人智及ばぬ深き闇」は、シリーズを通して「深淵」という名で呼び表されてきました。

肥大した頭部
深淵の主マヌスの闇に飲まれ 人間性を暴走させたウーラシール民の頭部

人は生来「闇(人間性)」を宿しますが、深淵とは人の闇すらも狂わせる、まさしく人智の届かぬ暗闇でした。このことから「深み」とは、つまるところは深淵に類する概念である事が想像できる訳ですが、厄介なのはここから。

人の澱み
人の内にある最も重いもの。人の澱み
それはどんな深みにも沈み 故にいつか、世界の枷になるという
深みのソウル
暗いソウルの澱を放つ
それは深みに沈み溜まったソウルであり 生命に惹かれ、対象を追尾するという
追う者たち
禁忌とされる闇の魔術
人間性の闇に仮そめの意思を与え放つもの
その意思は人への羨望、あるいは愛であり 人々は目標を執拗に追い続ける

テキストから読み取る限り、人の澱みとは人間性、或いは「人間性であったもの」と考えて良さそうです。そして人間性は「重い」ので、宿主から離れた先で、沈み、澱み、寄り集まっていくのでしょう。そうして濃縮されて出来上がったものが「深みのソウル」。ここまでの記事で「澱み」とか「おぞみ」とか呼んできましたが、とどのつまりこの深みのソウルこそが、次代を担う神秘、その根源となっていくようです。人にすら牙を剥く「より深い闇」が蠢く。エルドリッチが予見した「深海の時代」とは、そんな世界でした。

追う者たち ソウルの大澱

追う者たち / ソウルの大澱

追う者たち、着弾 ソウルの大澱、着弾

着弾

ちなみにこの画像、魔術「追う者たち」と「ソウルの大澱」の比較なんですが、ご覧の通り共に人間性を想起させる外形でありながら、着弾を見るに大澱はとても水っぽい。これが人間性と人の澱みの差異であり、そしてそのまま深みのソウルの性質を顕すのでしょう。ここら辺も「深海」の所以。そして「水っぽさ」と言えば「深淵」も似た性質を有しました。

深淵にて濡れる

深淵の痕跡

狼騎士の兜
深淵の闇に汚れた騎士の兜
群青の房は決して乾かず、濡れそぼっている

そんな訳で深みのソウルは深淵に似ます。が、注目すべき差異が一点だけ存在する。「強い深みのソウル」末尾の一文をご覧いただきたい。

強い深みのソウル
より威力のある、暗いソウルの澱を放つ
魔術師でもあった大主教マクダネルは 聖堂に澱むソウルに歓喜したという
素晴らしい、ここが世界の底であると

深みに澱むソウルがただの闇と決定的に異なるのがこれでしょう。曰く「ここが世界の底である」。

思えば「深淵」とはとても大がかりなものであったと記憶しています。小ロンドやウーラシールのように、強大な闇の存在を核として穿たれた大穴というようなイメージでしょうか。しかし深みは少し違う。深みのソウルとは、ただそこにあるだけで「世界の底」と見なされる。即ち澱んだ場所を深淵に変えてしまうんです。或いは更に深い場所へと。これがマクダネルの歓喜の意味なのでしょう。深淵はソウルという形を成し、世界中のどこにでも顕れるようになってしまったのでした。

お求めやすくなって新登場、という奴です。軽量化された深淵、言うなれば「ポータブル深淵」でしょうか。そして何よりタチの悪い事に、深みのソウルもまたソウルである以上、血に宿ります。故に血の通う生物は深淵の器と成り得る。後の世、人々はその器を「聖体」などと呼びました。

鎮静剤
神秘の研究者にとって、気の狂いはありふれた症状であり 濃厚な人血の類は、そうした気の乱れを沈めてくれる
それはやがて、血の医療へと繋がる萌芽であった
右回りの変態
血の発見は、彼らに進化の夢をもたらした

「聖体を拝領するのだ」

人血に鎮静の効能があるのは、そこに宿った人間性によるものです。ならばと考えてしまった。人の血液にすらそのような効能があるのなら、人ならざる聖体、その血からはどれほどの……そうした着想から行われた「拝領」により、真実、人々は何に触れてしまったのか。

ソウルは血に宿る 血の医療

血の医療

肥大した頭部(ウーラシール) 肥大した頭部(実験棟)

肥大する頭部 〜 刻を超えて 〜

深淵です。

ウーラシール民と、実験棟の患者たちの姿が同じなのは、経緯こそ異なれど両者が触れたものが深淵に属するものである証ではないかと考えます。後世の人々が特別な血と信じ取り込んでいたものは、かつて深淵、或いは深みのソウルと呼ばれた、人智の届かぬ暗闇そのものだったのだと。

付け加えるなら、深淵の主マヌスと聖職者の獣が共通した外形を持つ事は過去に述べさせて頂きました。深淵に浸されたものに共通する「捻じれた角」と、何よりもその「肥大化した左腕」。そして大腕を基点とした挙動です。

実験棟の患者と、聖職者の獣。両者を変えてしまった「血」の拝領元は恐らく異なるものです。しかし異なるが故に、例え出口を違えようとも根っこは全て「深淵」に通じているのだと強く象徴しているように思えてなりません。

さて人間性を暴走させ頭を膨らませたウーラシール民からも見て取れるように、人は内なる人間性の変化に引っ張られる形で肉体を変質させます。所詮肉体など「入れ物」に過ぎない訳です。それも中身の変化に合わせて柔軟に形を変える都合の良い器。大仰な深淵になぞ頼らなくても、ただでさえソウルシリーズには、そんな「器の成れ果て」と思わしき怪異が多数登場しました。

スキュラ 月光蝶

人の成れの果て

オーガ 獅子族の戦士

人の成れの果て 2

白木女 蛆人

人の成れの果て 3

闇撫でのカアス
「貴公が望むのならば、我が力をも授けよう 闇の王の力、生命喰いの力だ。その力で、不死として人であり続け 貴公ら人にはめられた、神の枷をはずすがよい」
聖騎士フォドリック
「神の枷は、存外と脆いものなのじゃよ…」
貪欲な金の蛇の指輪
嵌められた枷をよしとしないのなら ときに貪欲も必要だろう

「人らしさ」など無い、不定形こそが人らしさ。そしてそれは後の世も変わっていないようです。様々な手段で闇に触れた者達が、時に獣や獣以上の怪異へと変貌する。そんなありふれた出来事が、呼び名と在り方を変えて、今も続いているだけなのでしょう。

『Bloodborne』が火の時代と地続きであるならば、全てはソウルシリーズの材料で説明がつくはずです。「火の時代の続き」が、変異した人間性の時代であるなら、かつて人間性と共にあったそれらは、何に変異したのか。次代に蠢くそれらは、旧時代、「何」であったのか。上位者とは、本当は何者なのか

「血の話」と銘打ちましたこのシリーズ、そろそろ大詰めと参りましょう。

生あるものに特権を

宿主から零れ落ちた人間性が一所に澱み、濃縮されたものが深みのソウル。それは深淵、或いは深淵以上の特性を備えているが故に、改めて人に宿れば、その者の人間性を歪め、そして暴走した人間性は肉体の形すら変えてしまうというのがここまでの内容。

ですが深みのソウルが「かつて人間性であった」のは確かなので、変わり果てた後もその性質は引き継がれています。それがよく分かるのが以下の画像でしょうか。この辺は何度も言ってるのでさっと流しましょう。

闇の貴石 血の岩

さっ

輪の市街の花 星輪樹

さっ

卵背負いの蛆虫 カインハーストの蛆虫

ささっ

そういえば結晶の錫杖と瀉血の槌ってちょっと似てますね。禍々しさの差こそありますが、共にソウル(遺志)を結晶化・石化させて作った道具と考えれば。

結晶の錫杖 瀉血の槌

トガリが足りぬ……フロムはそう考える。

とまあこんな風に人間性ってものはきっかけさえあれば色んなものに化けて見せる訳です。ただ石化や結晶化というのは、人間性というよりソウルそのものの性質と考えていいかもしれません。問題なのは虫になったり植物になったりと言ったほう。

『ダークソウル』OP より
そして、闇より生まれた幾匹かが 火に惹かれ、王のソウルを見出した
輪の騎士の直剣
古い人の武器は、深淵によって鍛えられ 僅かにだが生を帯びる
闇の飛沫
人のソウルは、人間性としてより 実態に近づくのだろうか
黒蛇
魔術であれ呪術であれ 人間性に触れる術は同じところに辿り着く
すなわち、そこに意志を求めるのだ

闇とは意志を期待され、生命の種子となり、また闇そのものが「生」を育む苗床となる。それらは世界のはじまりから示されてきました。そして多くの場合、人間性や深みのソウルは何でだか「虫」の形をとるようです。

深みの加護
深みは本来、静謐にして神聖であり 故におぞましいものたちの寝床となる
蝕み
深みに潜む蟲たちは、小さな顎に牙を持ち 瞬く間に皮膚を裂き、肉に潜り込む
主教のローブ
深みの封印者であったはずの彼らは やがて皆、おぞみに飲まれた

深みに潜む蟲、おぞましいものたち、おぞみ。どれも同じものを指しているようです。即ち人の澱み、深みのソウルが実体と生を付与されたものの総称です。主教たちを飲み込んだというそれが「虫」の形態を取っていたかは定かではありません。全部「虫」が悪いという旨の記事を書いた覚えがありますが、実際には虫すら「おぞみ」が持つバリエーションの一つに過ぎないのだと思います。しかし少なくとも、聖堂の周囲にはおびただしい蟲の苗床らしき人の死体が犇いていました。深みのソウルが溜まった場所を深み(深淵)へ変えてしまうなら、死体の中で澱んだそれは、その深みを寝床として更に育まれたと考えていいかもしれません。

甦る死体蛆 死体蛆

死体を寝床にすくすくと

なぜ虫なのか。元より火に惹かれ、ソウルを求めて止まない在り方こそが人の本質。だからこそ不死は理性を失った後、最後に残った本性を頼りに人を襲います。つまるところ人の本質、正しく「人間性」とは火に惹かれる「虫のようなもの」であり、そしてその本質は終に形を与えられたのでした。

説教者の白面
深淵の沼に湧く白面の虫
中身空っぽのその頭部
白面の虫、人を闇に誘う説教者のはずが いまや食欲に我を忘れるものばかりである
正道を継ぐ者が必要なのだ
きっと、君がそうなのだろう?
深淵に湧き、火の時代に望まれぬ。虫も人も同じだ
ましてこれを被るなら、姿まで同じじゃあないか

しかし人から生じた蛆の集合体ですが、画像を参照するに「獣」の如き形を成しているように思えます。人間性の根源とは「虫のようなもの」。しかしこれら蟲は、その小さな体を寄せ集めることで、もっと醜悪なものを露にしようとしている。深淵の闇が、深みが虫の如き本性を更なる暴走へ導くというなら、蟲はその「暴走した人間性」を体現しようと形を成したんじゃないかと思います。即ち「獣性」です。

そしてこの獣性、死体から生まれた蟲たちは健気にも自らを束ねて表現するしかなかったようですが、この苗床が生者であった場合、そして生者に生じた獣性が、ある切欠によって臨界を超えた際、実際にその肉体は獣へと作り変えられてしまいます。人の身体は便利な入れ物。

聖職者の獣 サリヴァーンの獣

たぶんどっちも聖職者の獣

獣化への衝動は、私たちみんなが持っている、いわゆる人間性とせめぎ合っています。人間性はある種のカセとして働き、獣化を抑制しています。その枷によって獣化への衝動が強く抑えられていれば抑えられているほどその枷がいざ外れた際に、その反動は大きくなるのです。(宮崎英高氏インタビューより

何度もすみませんが引用しますと、そもそも獣化とせめぎ合う人間性(理性)を持った生者或いは不死にしか獣の病は発症しないんです。そして暴走した「人間性」が「獣性」へと達した時、そして後述しますが、ある一つのトリガーが引かれた時、人の肉体はその獣性に見合った器へと変態する。これぞ獣化のプロセスではないかと考えます。有史以来、変態や進化とは、常に生けるものの特権でした。

「蛆の壁」を超えるもの

こんな記事を書きました。

「君の瞳に恋してる」

『Bloodborne』についての総決算的な記事になっていますが、読まなくて大丈夫です。内容ををざっくり要約しますと、『Bloodborne』における「瞳」とは、「苗床」の暗示でした。

獣血の主 銀獣

獣には寄生虫が憑き物

獣の内に潜む蟲は(二例しかありませんが)総じて「蛆」の形を取りました。では「なぜ蛆なのか」。蛆とは未成熟の象徴であり、同時に宿主となった獣それ自体が苗床として不完全である事の象徴なんです。中間宿主の中の幼体は、決して成体に至れない。

対し上位者と呼ばれる神に近しい者たちの内部に蛆の姿はありません。代わりに出てきたものが、バリエーション豊かな「虫」でした。

生きているヒモ ゴースの寄生虫 3 本目のへその緒

上位者にも虫が憑き物

これらを「成虫」と見た場合、もしもこれらの虫が上位者という苗床の中でしか成体に至れないなら、蛆(幼虫)しか育めない獣と上位者の、これこそが「差異」なのではないかと考えます。

メンシスのミコーラシュは述べました。

「我らの脳に瞳を与え、獣の愚かを克させたまえ」

とどのつまり「瞳」とは「苗床としての質」を指していたのであり、上位者とは良質の苗床(瞳)と成り得る終宿主の事だったんです。

ロザリア

生まれ変わりの母

生まれ変わりの母ロザリアが人の能力や容姿を変更させ得るのは、人と人間性の変態能力に働きかけた結果だと考えます。しかしその変更が許されるのは一生の内限られた回数であり、それを過ぎれば……。

「これ以上生まれ変わることはできません。蛆になってしまいます」

蛆人

生まれ変わり過ぎた人々

生まれ変わりが過ぎれば宿主そのものまで蛆になってしまうようです。虫の如き自らの本性に蝕まれた結果でしょうか。では、だとして、「なぜ蛆なのか」。

前回、狩人についての仮説を立てました。夢に囚われ死すらやり直せる狩人とは、かつての不死人の再現だったんじゃないかと。

でかい蛆 ドでかい蛆

蛆虫どもがよ

在りし日の不死と獣、両者の姿を似せたのは、宿す蟲の原形が同じ「人間性」だと示す為でしょう。このように火の時代の出来事が、火の無き時代にも別の形で再現されるというなら、もしかすると上位者や瞳と言ったものも、似た形で火の時代に存在していたのかもしれない。であれば、かつて人間性と密に結ばれ、それを蛆ではなくもっと特別なものに昇華した者達を探し、発見できたなら、その存在こそ後に上位者と呼び表されるに相応しい、そう考えてみてはどうでしょう。

思い返せば最初から、彼女達は人間性の憑代でした。

月が欠けていた

瞳とは何か。

上位者か否かを分かつものが瞳の有無であり、瞳が「虫」にとって上質な苗床であることを意味するなら、それは如何なる条件を満たせば獲得できるのか。というような事を過去の記事では試行錯誤してみました。そして一つの仮説に辿り着きます。「軟体であること」ではないかと。

「密漁」をします だから気に入った

大漁だァ――ッ!

「虫」と「苗床」、単体では役に立たないそれらが合わさる事で、狩人は一部とは言え軟体を得、そして凄まじい力が発揮される。即ちこれこそ上位者の在り方、その縮図ではないか。そして上位者を定義する上で、瞳と共に切り離せないもの。それが先触れ、「精霊」の存在です。画像(右)で狩人が吐き出しているウミウシに似た軟体生物が該当するでしょう。

精霊の抜け殻
上位者の先触れとして知られる軟体生物の抜け殻
軟体生物は多種存在し、医療教会は総じてこれを精霊と呼ぶ

自然界においてナメクジなどの軟体動物が寄生虫の宿主となっている事実は有名です。だから迂闊に触れるべきではないし、ましてや幾ら旨そうに見えても食べてはいけない。ではなぜ上位者の全て、或いは一部が「精霊」を所有するのかと言えば、軟体生物という形態が寄生虫を宿し、広げる為に有効だから、それ以上のことは無いんじゃないでしょうか。

精霊は愚直に自らが宿すものを広めようと努力します。唯のそれを、しかし人間は「祝福」と称しました。

夜空の瞳

祝福、またの名を「感染」

夜空の瞳
精霊に祝福された軟らかな瞳
その瞳孔の奥には、暗い夜空が果てしなく広がり 絶え間なく、隕石の嵐が吹き荒れている
僅かに瞳を擦りもすれば、それは飛び出してくるだろう

「軟らかい」「瞳(寝床)」に「虫」。これが上位者を構成する最小単位だと言わんばかりの揃いです。軟らかければ何でもいいというのでしょうか。しかし不思議な事に、寄生虫は眼球と結びつく事で実際に宇宙と繋がって見せたようです。ならば媒介者として都合が良いという理由以上に、「軟らかい」場所は虫たちが確かな力を発揮できる場所であることに間違いないのでしょう。理屈は分からなくとも、神秘に通じている。ならば惹かれる者がいるのは道理です。以下の二例は見るものにとっては愚かさの象徴でしょうが、その愚かしさが真相と地続きである事も確かなんですね。

教会の使い ヘムウィックの魔女

そうじゃないけど、それでもいいや

しかし過去色々な理屈をつけてきましたが、やはり軟体に分類できそうにない上位者は存在する訳です(メルゴーの乳母など)。ならば上位者を定義する上で軟体であることは、重要ではあっても必要な条件とは言えないんでしょう。つまり、それ以上の何かがある。

本当のところ、瞳とは何なのか。

っつーかもう面倒なので、「瞳」の核心に触れていそうな記述を読んでみましょう。

3 本目のへその緒
別名「瞳のひも」としても知られる偉大なる遺物
上位者でも、赤子ばかりがこれを持ち 「へその緒」とはそれに由来している
使用により啓蒙を得るが、同時に、内に瞳を得るともいう
だが、実際にそれが何をもたらすものか、皆忘れてしまった

忘れてしまった。しかし論より証拠と申しますか、 3 本の 3 本目のへその緒を使用した狩人は実際に瞳を獲得し、上位者へと昇り詰めたようです。

幼年期のはじまり(トロフィー)
自ら上位者たる赤子となった証。人の進化は、次の幼年期に入ったのだ

何が瞳を与えたのかと言えば「へその緒」なのでしょうが、元々は赤子のものでした。赤子の持ち物が人に「瞳」を与えるなら、では赤子そのものを宿したなら?

偽ヨセフカ

「…ああ、気持ち悪い…あなた、分かる? 私、ついにここまできたの、見えてるのよ…やっぱり私は、私だけは違う。獣じゃないのよ。だから…ああ、気持ち悪いの…選ばれてるの…分かる? 頭の中で蠢いてるの…幸せなのよ…」

シンプルに解釈するなら偽ヨセフカが赤子を宿したのだと受け取ることが出来る描写です。彼女の死後「へその緒」を回収できた事からも同じ想像をした方は多いのではないでしょうか。しかし残念ながら偽ヨセフカはどこぞから現れた謎の狩人に惨殺されてしまい、内なる蠢きは半ばで閉じてしまったようです。ではそうならなかったとしたら、彼女にはどのような未来が訪れていたのか。上位者になっていたのではないかと思います。

母なるゴース 母なるゴース

母なるゴース

ゴースの正体が偽ヨセフカだった! って意味では無いです。赤子の上位者を宿す母体は、相応しい器へと変化するのではないかという仮説です。つまり人の面影を残すゴースも、同様の経緯で上位者となった一人であった事が伺えます。

血の穢れ ヤーナムの石

血の穢れとヤーナムの石

血の穢れ
カインハーストの血族、血の狩人たちが 人の死血の中に見出すという、おぞましいもの
血の遺志の中毒者、すなわち狩人こそが、宿す確率が高いという

血石や血晶石がそうであるように、「血の遺志」は「血の石」となります。そして血の穢れが精子であるよう描写されているのは、血の遺子がやがては赤子へと至る可能性の示唆です。故に赤子もまた石になる。「ヤーナムの石」はそれを示す為のアイテムであり、「ゴースの遺子(いし)」とは、血の遺志と赤子の関係を強く示唆する名称なのだと考えられます。

さてこれに関しても何度も何度も同じ事を言っているのでさっと流しますが、真のラスボス「月の魔物」とは、あの個体のみを指す名称ではなく、「赤子の上位者」の総称だと考えています。赤子の上位者撃破後に共通して「HUNTED NIGHTMARE」と表記されますが、「ナイトメア」とは悪夢それ自体を指しながら、また悪夢を司る魔物、「夢魔」を表す言葉でもある訳です。つまり「HUNTED NIGHTMARE(夢魔を狩った)」。

ビルゲンワースの学徒、筆記者カレルの残した秘文字の 1 つ
それは悪夢に住まう上位者の声を表音したもの

悪夢の上位者、即ち「夢魔」には「月」の意が込められている。だから「月の魔物」だったという話なんですが、つまりです。「瞳」とは苗床を示しますが、重要なのは「何を宿すか」でした。

石ころ 夜空の瞳

瞳に似た石ころと石ころに似た瞳

劇中最初期よりヒントはありました。そこら中で手に入る「石ころ」は「瞳」に似ていた。しかしそれは「瞳」を表しているのではありませんでした。

赤い月

巨大な石

石ころが示すものは、「月」という巨大な石。即ち赤子(夢魔)という強大な遺志の権化をこそ示す前振りだったんです。瞳とは苗床である。しかしそれは虫の為などではありません。月の魔物を育む為の苗床(母体)として、母なる上位者は生まれます。「赤子」が「母」を作るんです。

欠けていたのは、「月」でした。

火防女の瞳

瞳とは苗床を示すようです。しかし赤子の上位者を宿すに足る器でなければ、大抵が蛆を宿す獣に終わり、多少うまくいったところで不完全な母体、不完全な進化に留まります。

アリアンナという娼婦がいました。彼女もまた赤子を宿しましたが、それは彼女の「血」がもたらしたのだそうです。

3 本目のへその緒(アリアンナ)
穢れた血が、神秘的な交わりをもたらしたのだろう

アリアンナはどうもカインハーストの血を引いている。それは偽ヨセフカも同様にです。彼女達が二人とも赤子を宿したのは、希少な血の成せる神秘でした。しかし注目したいのが、偽ヨセフカが殺害時まで赤子を胎内に保持し続けていたのに対し、アリアンナは既に出産を終えてしまっていたところ。恐らく早産だったのだと思います。これを不完全な母体故だったと仮定するなら、何が彼女の「瞳」を不完全足らしめたのか。これを「啓蒙」ではないかと推測します。同じ出自でありながら、片や聖歌隊のエリート、片や娼婦。その有り様こそが結果を分けたのではないでしょうか。

啓蒙とは何か。それは無知な人間に正しい知識を植え付けることです。ではなぜ劇中で啓蒙を取得するアイテムがナメクジの像を結ぶのでしょう。

狂人の智慧 上位者の叡智

頭を軟らかくするのだ

ナメクジなどの軟体生物は寄生虫の媒介者です。そして「虫を伝染させる」という在り方は「正しい知識を伝播する」事に似ます。そして上位者の寄生虫とは、上位者の血から生じたもの。つまり「知(血)の媒介」である事が、劇中で「啓蒙」と称される概念の本質である訳です。そして血の媒介であるという事は、裏を返せば「血を受け入れやすい」ということ。血の遺志が精子としての機能を内包するなら、転じて啓蒙を多く持つという事は、それだけ母体として優秀、言い換えれば妊娠しやすいんです。

発狂という状態異常は、全てでは無いにしろ、上位者やその眷属に類するものたちの体液や血を受け入れた際に起こる異常でした。そして啓蒙の値が大きければ発狂ゲージは短い。血を受け入れやすい(妊娠しやすい)からです。幸い狩人は寸前のところで「瀉血」を行い、ダメージは受けるにしろ決定的な末路は避けていました。逆に啓蒙が低いほど発狂ゲージは長く、また獣性ゲージも長い。つまり妊娠しづらく、母体(苗床)としての資質に欠ける。「我らの脳に瞳を与え、獣の愚かを克させたまえ」……という訳です。

啓蒙アイテムが軟体の像を結ぶのは、「虫≒血」を宿す資質の高さを暗示しているのでしょう。一部の上位者が軟体であるのは、その資質が大きく顕れた結果なのかもしれません。そして赤子を保持できた偽ヨセフカはこの資質に富み、対しアリアンナには欠けていた。故に「母」になりそこなった、そういう事なんじゃないでしょうか。

そして当然ながら、前提として「女性」である必要があります。血の遺志が「精」であるなら、その苗床は女性にしか務まらないからです。

このように、特別な血を引こうとも資質に欠けたものが「月」を宿すことはないんです。そしてそれは「上位者」と括られるものであっても同じです。上位者の中には、上位者でありながら「眷属」に属するものたちがいました。

星界からの使者 ロマ エーブリエタース

眷属上位者

  • 星界からの使者
  • 白痴の蜘蛛、ロマ
  • 星の娘、エーブリエタース

これらは皆、上位者にして何か別の存在の眷属であるようです。そして共通する特徴がある。「自分の小さなコピーを量産する」んです。これらは赤子ではありません。恐らくただのコピーであり、「月」を宿せない反動ではないかと見ています。

星界からの使者たち ロマの子ら 星の子

子は親のコピーじゃない

細かな経緯は分かりませんが、想像するに、これら眷属上位者たちもまた特別な血を引いていた。啓蒙もあったのでしょう。しかし「子を成す機能」が欠けていたんです。多分ですが、生殖機能が未成熟な、或いは障害を抱えた状態で上位者と交わり変態を遂げてしまったのではないでしょうか。

ちなみにエーブリエタースは「見捨てられた上位者」と称されています。

ビルゲンワースの学徒、筆記者カレルの残した秘文字の 1 つ
それは見捨てられた上位者の声を表音したもので 「瞳」の意味が与えられ、更なる発見をもたらす

見捨てられた上位者とはエーブリエタースだけを指すのではなく、赤子を宿せず、母になりそこなったものたちの総称だと思っています。瞳とは苗床のこと。しかしそれはあくまで「月(赤子)」の為のものでなくてはならない。血も資質も十分な彼女達は、しかし女性として未熟であった為に、「ただの虫の苗床」として進化を終えてしまい、「見捨てられた」のだと、ここに提言します。「虫」なんてものは、ただの副産物に過ぎなかったという証左じゃないでしょうか。

とまあ、しれっと流すように言い切ってしまいましたが、要するにエーブリエタースやロマも元は人間だという事です。

そんな訳で、特別な血を引き、啓蒙を宿し、何よりも「女性」として成熟していること。これらの条件を完璧に満たす者こそが脳に「瞳」を宿すに足るのであり、そしてどうもこういった特別な「可能性」を有した女性たちは歴史上に幾らか存在してきたようです。彼女達はどうやら「fair maidens(美しい娘たち)」と呼び表されてきました。

How to Pick Up Fair Maidens

『How to Pick Up Fair Maidens』

しかし仮定の話ですが、ロマやエーブリエタースたちも「Fair Maidens」だとして、彼女達は更に女性として年を重ね成熟さえしていれば、無事に子を宿し、「母」として、眷属でない上位者に進化することが出来たのでしょうか。娼婦アリアンナは、もっと啓蒙を宿してさえいれば、早産に終わることが無かったのでしょうか。ある種の資質は、後天的に身につける事が可能なのでしょうか。

カリムのイリーナ

カリムのイリーナ、火防女に成れなかった聖女

一人の聖女がいました。名をカリムのイリーナと言います。彼女は火防女に成ろうとして、成れなかった聖女でした。

カリムのイリーナ

「暗く、何も見えず、闇が私を噛むのです。ずっと、ずっと、虫たちが、私を噛み苛むのです」

火防女シリーズ
彼女たちは光を奪われ、魂を受け継ぐ
そして蝕み蠢く暗闇を愛した者ものだけが 火防女たる黒い装束を与えられるのだ

蝕み蠢く暗闇を愛する。それが火防女たる資質なら、イリーナはそれを持たなかったようです。輪の都、その深淵の沼に沸く白面の虫は述べました。

白面の虫

「女は恐れた。闇に潜み、噛み苛む虫たちを。けれど、どうだ! そんなものが、深淵のどこにいたろうか!」

虫などいないと虫が言う。しかし本当にそうでしょうか。一つご覧頂きたいものがあります。

生け贄の道、篝火「道半ばの砦」から少し戻ると、橋の下には二匹の犬がいます。この内一体が特殊個体でした。腹が異様に膨れているので妊娠しているのかと思いきや……。

飢えた犬(腹ただれ)

変なもの食べるから……。

この犬、デザインワークスには「飢えた犬(腹ただれ)」と記載されています。そして特筆すべきは、これら二匹の近くには二人分の遺体があり、それぞれから「モーンの指輪」と「カリムの点字聖書」を取得できること。どういうことかというと、遺体の正体はカリムの騎士と聖女だったんじゃないかと思うんです。イリーナとイーゴン、彼らと同じ目的で旅をする最中、道半ばで倒れ犬に喰われたんじゃないでしょうか。そして何より重要なのが、それを喰ったであろう犬の腹が蟲でパンパンになっていたこと。なぜこの場所の犬ばかりがそうなったかと言えば、つまりカリムの聖女の中に虫がいたからであり、そしてそれはイリーナを苛む「虫」が、彼女の虚言でないことの、何よりの証明になると思うんです。

この虫が何かと言えば、彼女の言う通り「闇」であり、そして「人間性」なのだと思います。誰の中にでもある人間性の闇が何故彼女たちの中では格別に蠢いたか、という部分にきっと意味がある。考えなくてはならないのが、「そもそも火防女とは何か」ということ。火防女について理解できている事は多くありませんが、当たり前の事として、彼女達は皆女性でした。女性しか持たない何かが、火防の役目を支えているのでしょう。ではイリーナには何が欠けていたのか。そして何を満たし彼女は火防女に至ったのか。

火防女のイリーナ 火防女のイリーナ

カリムのイリーナ、火防女に成った聖女

火防女に成れなかった彼女は、しかし点字聖書を与えられ、そして覚えた奇跡(物語)を灰に読み聞かせる事で終に火防女と成ります。

聖女の指輪
カリムでは、聖女は物語の語り部である。
分厚い聖書を何冊もよく覚え、よい声で語る。
そのように、彼女たちは名高い。

よく覚え、語る。はて、知識を他者に伝播する。この行いを呼び表す言葉があったはず。そう、啓蒙です。カリムのイリーナは、自らの足りぬそれを補い、結果その努力は彼女を火防女へと押し上げました。特別な叡智は、それだけで人を特別な存在に昇華させるのでしょうか。

結晶のスクロール
それはウロコのない白竜、シースの力であり それに見え啓蒙を得たローガンの魔術である
白竜の息
かつて「ビッグハット」は白竜に共鳴し 裸の探究の末、その神の業を己のものとしたという
オスロエスはそれを知り、また啓蒙を得たのだろう

しかし一方で同じように「啓蒙」に触れた者達は確かにいたようですが、彼らの末路は共に狂気でした。ここの規則性を求めるのなら、「性別」なんじゃないかと考えます。この世界において性別は超がつくほど重要です。だから外見と能力に干渉するロザリアと言えど、性別だけは変えられない。

女性だけがある種の智慧に対し特別な耐性を示し感応する。そしてその果てに火防女は存在します。そんな彼女達は、人間性の憑代でした。だからきっと、それを目指すカリムの聖女自体が、不完全にしろ特別な「憑代(苗床)」として機能したのでしょう。聖女を食べた犬の腹が蟲で爛れるくらいには。

ソウルの共鳴 ソウルの大きな共鳴 絶頂

人間性を基にした魔術三種

ご覧の通り、特定の闇術が精子の形に描かれています。前述した通り闇は生命の「種子」となり、そしてそれは「子種」にもなる。だからこそ人間性の憑代たる火防女は、女性でなければ務まらないんです。なぜなら女性とは、生まれながらにして「精」を育む苗床を持つから。

火防女の魂

火防女の魂

人間性に食い荒らされる火防女の魂ですが、その様は卵子に群がる精子そのものです。火防女はこれに耐えなければならない。いや、それどころか愛さなければならない。母のように。

深海の時代とは、深みに澱んだ人間性が実体を得る時代と言えます。そしてそれは蛆かもしれないし、別の虫かもしれないし、或いは虫でさえないかもしれない。しかし何にせよ多くの場合、それらは人を苗床にして生を得ようとしているようでした。そして恐ろしい事に深みのソウルは、自身が出生するに相応しい形に、母体を作り変えてしまう。

火が消えた後、火防女はどこへ行くのでしょうか。火と共に、やはり消え去る運命なのでしょうか。そうであったとしても、火防女としての特別な資質を持った女性は、やはり深海の時代であっても生まれてくるのではないかと思います。ならば人間性を愛し育む最高の素材である彼女達を苗床に、闇はどのような形を得て這い出てくるのでしょう。そして内なる人間性の変化が、器である肉体に対し変化を及ぼすというのなら、「それ」を孕んだ火防女(Fair Maidens)は、どのような姿へと変わり果てるのでしょうか。

ソウルの大澱
永い間、深みに沈み溜まった 暗いソウルの大澱を放つ魔術
深みから這い出る湿り人たちには 時に大澱が憑依しているという
それはとても、人に似ている

ゴースの遺子

それはとても、人に似ている

火防女の魂(アナスタシア)
火防女の魂は人間性の憑代であり それは彼女たちの体においても変わらない
あらゆる皮膚の下に無数の人間性が蠢き その姿は、大抵おぞましいものとなる
ゴースの寄生虫
海岸に打ち棄てられた上位者ゴースの遺体
その中に大量に巣食う、ごく小さな寄生虫

火防女 上位者

瞳を持たない娘こそが、やがて誰より瞳を得る。

火防女の瞳
後に全ての火防女が失う光そのもの

脳に瞳を持つという上位者。その正体が、かつて瞳を持たぬとされた美しい娘たちの末裔だというのは、これ以上無く皮肉でしょうか。

かつての人間性の憑代。人間性が赤子へ至るなら、憑代が至るは母である。

母なる上位者、深海の時代の火防女でした。

一旦のまとめ

  • 人間性を基とする深みのソウル。その深みのソウルは澱んだ場所を深淵に変えてしまう性質を持ち、それは生物であっても例外ではありません。血の医療とは「血に宿った深みのソウル(深淵)」を輸血する業でした。
  • 深みのソウルは人間性の性質を引き継いでいるので、石や花や虫になったりします。それらは人間を始めとした、生物やその死骸を苗床に芽生えますが、特別に強力な形を得て生まれてくる場合には、苗床となる生物を、生まれてくるものに見合うだけの強力な苗床へと作り変える必要があるので、そうします。深みのソウル(血の遺志)が赤子の上位者として生まれてくる場合、親も上位者でなくてはならないので、逆を言えば赤子を孕めば上位者になれます。つまり上位者への進化は基本的に女性だけに許されています。
  • 女性であれば誰でもウェルカムなのではなく、一部の特別な資質を持った女性だけが進化できます。それらの女性は最近では「Fair Maidens(美しい娘たち)」などと呼ばれているようですが、大昔には特別な「聖女」、或いは「火防女」と呼ばれていました
謝罪

申し訳ございません。予定していた半分の内容なのに、予定していた倍の長さになりそうだったので切ります。前半となる今回が「深海の時代の火防女」についてだとすれば、後半は「火の時代の上位者たち」になる……予定です。後は「赤子」についても。それでは(なるべく)(たぶん)近いうちにお会いしましょう。

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