ACID BAKERY

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ふるいたつ

「なぜ立てる」 リーチは驚きを隠さない。だが驚いているのはキュアレッドの方だった。全身がバラバラになったようだった。力尽きるとはこのことなのかと理解した。ならば……なぜ立てる。この沸き立つ熱量はどうだ。ここで終わりだと思い込んでいた場所に、まだ先があると知る昂ぶり。これを与えてくれているものは、自分が無意味だと断じていた声援であった。人の声に神通力が宿る訳ではない。「まだやれる」、そう信じてくれている皆に答えたい……その思いが、魂こそが、この動力の源なのだ。何が「一人でやる」だ。私なんて、まだまだじゃないか。

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