それはキュアレッドへというよりは、クラスメイトの司馬司に対する言葉だった。
学生としての司は無気力で、食べ歩きの趣味に興じたり、キュアレッドに変身して戦っている方がよほど活き活きしている。退屈な日常生活を毎日仕方なく続けているような人間に、「無理をするな」などと言われる筋合いはない。
美味しいものを食べたり、正義の味方となって戦ったり、やりたいことを誰からも咎められることなくやっている人間に、こちらの憤りはわかるまい。……憤り? わたしは何に怒っているのだろう。