ACID BAKERY

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どうして?

鈴の母は自分の命を絶つという道を選びたくなかった。もうすぐ病によって尽きる命なのだとしても、それでも命とは「投げ出していいもの」なのだと鈴に教えたくなかった。自分は死ぬまで親なのだから。この命の全ては鈴に与えるためにあるのだから。だから最後まで諦めない事も含めて、鈴に見せてやるのだ。

それに鈴の目には不安や諦めの色などなかった。浮かんでいるのは信頼だけ。

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