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『ELDEN RING(エルデンリング) SHADOW OF THE ERDTREE』の前に取りあえず考えておくこと(3)

おはようございます。

「SHADOW OF THE ERDTREE」発売前に現状の考えを先出しして、発売後に可能な限り答え合わせをしてみたい、の記事三本目です。これでたぶん最後。別枠の記事をもう一本アップする予定ですが。

ところでもう、この期に及んで新情報は入れたくないので先日公開されたプレイ動画は見てないです。そんな人間が以下を書いています。

加えて言うと今回さらに雑に書いてます。いま考えていること、今後書くであろうことののメモ書きをするための、ここ「別館」なので、本来であればこれくらいに留めておくべきだったのですが、前回前々回と筆が乗ってちゃんとやり過ぎちゃった。更に加えると今回ちょっとだけ別のゲーム(『DARK SOULS 3』)の話もしてます。ネタバレにお気を付けください。

というわけでいきましょう。

獅子舞

早速ですがストーリートレーラーまでの知識しかない獅子舞みたいな敵(なんか本当に「獅子舞」という名前らしいことは知っている)に関してですが、パッと見、死属性の霧を放っていた……気がします。この辺を考えて見ると、この敵は「混種」のようであり「忌み角」を持ち、そしてその様は「祖霊」のようであり、更に「死」を持つ。

つまり黄金律が取り除き、或いは黄金樹の外側にある神秘であるというそれらの全部盛り。贅沢なそれが示すものは、もしかすれば黄金律が不要と見做したそれらが、元々一つのものだったことを示すのかもしれません。運命の死を取り除いた時期、その前後の出来事を測ることができるでしょうか。

そんで獣。「獣」とは理性の代わりになるのではないか、と考えています。

関連記事 : エルデンリングの作り方 - 2 -

チンクエディア
ファルム・アズラにおいて 高位の司祭に与えられる短剣
かつて獣たちに贈られた知性 その象徴たる、五指が象られている
ホーラ・ルー
「もう、よい。ずっと、世話をかけたな、セローシュよ。行儀のよい振りは、もうやめだ。今より、俺はホーラ・ルー!」
エルデの流星
かつて、大いなる意志は 黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り それが、エルデンリングになったという

要点だけを述べるなら、獣は理性として機能し、そしてその獣(理性)を通して神や人は外部からの制御を得るのではないか。

戦士ホーラ・ルーが「お行儀よく」振舞えていたのは、恐らくセローシュという獣(理性)により律せられていたからで、大いなる意志が神人に獣を送るのは、その運命をより従順にコントロールするためではないかと。だからラニはそれを退けたし、セローシュを殺害することでホーラ・ルーは王から戦士に戻ったのでしょう。

そして過去の記事でエルデンリングというプログラムを入力するためにエルデの獣は結晶然とした性質を有していたとも言いましたが、同時に「獣」でもあったのは、これを宿した神を別の側からコントロールするため、だったのかなと。

戦鬼の〇〇
古い伝承によれば、狼は神人の影であり バルグラムもまた、そういうあり様を望んだ
黒き剣の追憶
マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった

影従の獣とは、「影従させる」ための獣、仮説。黄金律とは「内なる律」と「外なる律」、二重の律によって内外から運用していたと考えます。その視点に立つと、エルデの獣とは、エルデンリングであり、獣。ルーンと獣(理性)の二重のルールで、宿ったものをコントロールしていたのでしょうか。

というわけで気になるのは「ラダゴンの赤狼」。あれがラダゴンにとって何なのかは分かりませんが、大いなる意志がラダゴンに与えた影獣で、やがて不要になったものなのか。それともまた別の理屈によってラダゴンから生まれた、あるいはその名を賜った特別な狼に過ぎないのか。

影獣。「影」と言えば影の地。DLCではこの辺りも整理されるといいですね。

大きい妹

もしも「睡眠」が異世界への入口であれば、当然この娘も気にしないといけない。

大きな妹

ジャイアント・スヤスヤ

「大きい妹、フィリア」。名前や体躯などから察するに『DARK SOULS 3』の輪の都に登場した「フィリアノール」のオマージュでしょう。

フィリアノールの眠りを妨げることで輪の都は崩れ落ち、ダークソウルは姿を現します。現存する、そう見えていたものは全て彼女の夢だった……そんな仕組みだと解釈できますが、本作でも「眠り」は重要な役割を与えられていました。夢と現の境を曖昧にする、眠りとはその中間、入口なのでしょうか。

さて大きい妹、フィリア。しろがねのラティナとのイベント終盤では彼女をフィリアの眼前に召喚することができます。そしてラティナはフィリアへと何かを与え……。

ラティナ

「さあ、我らの大きな妹よ。受け入れておくれ、最初の雫を。そして命を為しておくれ。我らすべてのしろがねのために」

最初の雫。「雫の幼生」でしょうか。「生まれ直し」の材料になるというそれは、フィリアの中で新たな命を為すのでしょう。

睡卵
梟が抱卵する、孵ることのない卵

眠りが異界の入口となるなら、「孵らぬ卵」となったフィリアの中、その先にある世界で幼生は新たな命となるのでしょうか(ちなみにフィリアが眠る棄教の廃屋近くにはトリーナのスイレンがめちゃめちゃ生えている)。

このイベントをこなしたか否かで影の地に何らかの影響が出るようなら面白いなと思いますが、フレーバーに留まりそうな気もします。だとすれば、それはそれでという感じ。

ちなみにこのイベントに関してですが、事前にラニイベントを進めてしまうとフラグが折れるらしく、どうもバグだと見る向きがあるようですが、いま本編攻略中の方は気をつけましょう。

ミケラの干からびた体

DLC エリアへの入口となるミケラの干からびた身体。中の人が棄てたというこの身体ですが、つまり今のところ空っぽなわけです。

血の君主の追憶
ミケラを神とし、自らはその伴侶として王となる
そのために、血の閨をどれほど共にしようとも
幼き神人は何も応えなかった
モーグウィンの聖槍
それは、呪われた血に力を与える
外なる神との交信の祭具でもある
真実の母は、傷を望んでいるのだ

モーグさん、それ中身空っぽになった器なんですよ!

もっとも体と魂のどっちを本質と見るかは、見る者次第だとも思いますけどね。

さて、ここからは仮説も仮説ですが、「真実の母」または「姿なき母」とやらは、恐らく外なる神であり、それはある種の血に宿ると思われます。外なる神「腐敗」がマレニアを通して顕現しようとしていた……というのも推測が混じりますが、各所の外なる神が神人の身体を器にしようと画策しているのなら、中身が失われたミケラのそれは格好の的と言えます。

モーグはミケラが再び戻るのを待っているようですが、もしも彼が起き上がり、新たな王朝とやらが始まったとして、恐らく血で満たされたミケラの中身は、ミケラではないのでしょう。

自身が持つ「誘惑」の力によってミケラはモーグを操り聖樹から連れ去るように仕向けたのか、連れ去られてしまった後で操ったのか、それともミケラは何も誘惑などしていないのか、その辺は定かじゃありません。モーグの行動やミケラへの愛が、どこからどこまで彼自分の意志によるものだったのかも分かりませんが、なんか可哀相になってきた。

いや、ずっと幸せだったのなら、憐れむ必要はないのかもしれない。

ボック

前回亜人の正体についても DLC で深堀りできるのかなと触れましたが、ここにもうちょっと触っておきます。

『ELDEN RING』のキャラクターは女王マリカの背景や運命を少しずつ背負わされていると申し上げましたが、ここに「亜人のボック」というキャラクターがいます。彼との出会いや末路については、そのうちしっかりと考えないといけない。

だって魔法で木に変えられていたなんて、まるで女王マリカと黄金樹の関係を暗示しているようですし、そしてルートによってですが、ボックは最後、人に生まれ変わって死ぬ。黄金律が、ラダゴンをやがて神に至らしめるためのものであるなら、このボックの不完全な「亜人以上の存在への生まれ変わり」は、もしかするとラダゴンたちの「人以上のものへの生まれ変わり」を暗示するためのもの、なのでしょうか。

ところでボックは不完全に生まれ変わり、人となった彼は物言わぬ存在になっていました。もしかすると不完全に生まれ変わることで理性を取り除かれ、ここに「獣は理性として機能し、取り付いた対象をコントロールできる」という仮説を加えてみると……なんか面白いことを思いつけそう。

ミエロスの遺剣

そういえば前回の記事で「遺剣」についても考えてみたわけですが、巨人の背骨から作られたという「ミエロスの剣」もまた遺剣と呼べるのでしょうか。

遺剣が「写し身の遺体」から生成される説を適用するのであれば、これはミエロスの写し身が残したもの、かもしれない。

そうでなくとも黄金律の大剣を始め、ラダゴンが関わる大剣って巨人関係の大剣とフォルムがそっくりに思えるんですよね。前回の記事でラダゴンの出生と巨人との間に何か関係があるのではと疑いましたが、ここももうちょっと考えていきたい。

死に戻り

そういえば「生まれ直し」についてですが、死王子と成り果てたゴッドウィンの外形は巨大な人魚のようでした。この理由について考えてみたんですが、黄金律に則り「生まれてくる」ということは、即ち「より良い姿で生まれ直す」ということなので、もしかするとあの魚面こそゴッドウィンの「生まれてくる前」、つまり「元の姿」だったら面白いなと。

時折死ぬことで別の姿に変わる敵が何体か確認されていますが、彼らが「死ぬ」ことで「元の姿」を取り戻したと解釈するなら、ゴッドウィン、あるいはその身体においては、「死」を得ることで「元の姿」を取り戻したと考えると面白い。

黄金のゴッドウィン。皆が有難がったもの、そして皆が忌み嫌ったものは、ひょっとすると元を同じくするものだったわけです。

坩堝の諸相
かつて、生命は混じり合っていた

気を付けたいこと

百智卿とか言ってるくせにギデオンはメスメルのこと知らなかったの? というツッコミがありますが、たぶん DLC が解放されたらシレッと「ああ、あいつね。影の地のあいつね」とか言い出すし、最終段でデミゴットの技の一つとしてメスメルの火をブッ放してくる気がしてならないので、 DLC 前に最終盤まで進めようと考えている人はこれも気を付けた方がいいかもしれません。

終わり

こんなもんですかね。まだ考えていることはありますが、 DLC 前に取り急ぎ言っておくことはもう無い、と思います。

現時点(2024.06.09)で DLC まで二週間を切っています。楽しみ過ぎてハチきれそう。みなさんも事前予想しようぜ。

それでは、また。

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