この記事は『ELDEN RING』についてのものですが、『DARK SOULS』や『隻狼』のについても少し触れています。当然ネタバレしてますよって。
というわけでいきなりですが、サイン溜まり像があの形なのは、ルーンの弧がヒントになるかなと思ってます。
恩恵の受け皿
- ルーンの弧
- エルデンリングの下方には 輪の恩恵の受け皿、底辺の弧があるとされている
- これは、その破片であろう
下方の受け皿には恩恵が「溜まる」。だからこそ、この磔像はサイン溜まりのポイントとして選ばれたのかなと。
……と見せかけて〜?
受け皿のマリカ
マリカの暗示
全ては結末、辿り着いた先のマリカを暗示するための小道具でした。各所で磔にされた人々は苦悶の声をあげ続け、マリカもまた同じだったと。ルーンの弧のテキストにある「エルデンリングの下方には 輪の恩恵の受け皿、底辺の弧があるとされている」とは、つまりマリカを磔にする黄金の弧を指しているのだと思いますが、受け皿とはマリカそのものと言え、そして我々が恩恵を受け取る一方で受け皿がどのような状態にあるかなどと、プレイヤーは想像もしていなかったであろう。そんな事実を最後に突き付けたのかもしれません。サイン溜まりはルーンの弧を思わせるものでもあったのでしょうが、単純に、最後のマリカの有り様を、最初に見せておきたかっただけなのでしょう。
過去作の『DARK SOUL』では道中で不死人が燃やされ、これは不死を薪とする結末、継ぎ火の暗示でした。
不死は薪
『SEKIRO』では人の形をしたものに霊魂が宿るという性質を、形代から始まり注連縄ロボなどを用いて描きました。
人の形に宿るもの
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「最後の光景を、最初に見せておく」。作劇においては鉄板とも言える手法かもしれませんが、今回の『ELDEN RING』でも基本は抑えられていましたね。
一つの画面に全部収まっているっていう
最初にリムグレイブの地を踏み、黄金樹の荘厳さに圧倒されましたが、振り返ってみると、黄金樹(マリカ)とそれを暗示する磔アイテムが、実は一画面に収まっているという構成になっていたわけです。とんでもないことですよ。
と、いうわけで『ELDEN RING』クリアしました。
ちょっとだけ感想を書いていきます。めっっっちゃくちゃ面白かったけど、オイふざけんなよ! と言いたくなる場面もきっちり存在するという、いつものやつでした。いや、いつも以上のやつでした。
自キャラ
オフラインでのプレイでした。ネタバレ云々もそうですが、公式のサインがオンライン・サインに紛れて分からなくなってしまうのが嫌だったんですね。まあいつも初見プレイはオフラインです。
クリアレベル 131……ではないですね。これクリア後にレベル5, 6 ほど上げてるので、正確には 125 くらいでクリアしてます。ビルドは上質。毎回初見プレイは上質で進めるのが通例となってますゆえ。ただ今回、面白そうな武器は知力だの神秘だの振らないと使えないのもあって浮気しかけたんですが、まあ 2 キャラめか、 2 週目で振り直すなりすればいいかなと思い留まりました。
武器は斬馬刀。最初期に見つけた武器を最後まで使い倒したかったのですが、いいのが見つからんなーと思ってたら出会いました。振れば引っかかってくれる頼もしいやつ。三寸斬り込めば人は死ぬのだ。ただアイコンに表記されてますが、最終的には上質派生ではなく冷気派生で運用してました。状態異常武器は振りの早い武器につけるべきという先入観もあって、本来はファルシオンに冷気つけて差別化してたんですけど、マレニアにあんまり勝てないもんだから、苦肉の策で斬馬刀を冷たくしてみたらドバドバ凍ってくれるでやんの。上質とは……? まあ、でもお気に入り。ちなみに現在血派生の斬馬刀をもう一本作っており、 2 週目は「冷血」なるダブル斬馬刀でやってこうかなと思っております。上質とは……?
あ、ちなみにキャラ名が「Ranger」なのは『地球防衛軍』シリーズの「レンジャー」から。これも初見プレイでの通例なんですが、まさか今回は地下で巨大な蟻を退治させられると思わなかった。
戦技付け替えが本当に嬉しかった、の一言。実際のところ、『DARK SOULS 3』では戦技というシステムを持て余してました。使いたい武器に使いたい戦技がくっついていてくれることが少なく、 近接キャラを作ると FP が減らなかったんですよね。ところが今回、使いたい武器に使いたい戦技をセットできるわけでしょう。最高でしたね。楽しいこと楽しいこと。
あと遺灰も嬉しかった。あまり縛る気も無かったので戦闘を楽にする手段は何でもやろうという気持ちで遺灰はガンガン使ってました。相棒はクララとオレグ。オレグに関してはこいつを召喚するために FP を 100 まで上げました。それ以上の FP だと持て余しそうだなと思ったので、もっと強い遺灰があったのでしょうが結局最後までこいつらと一緒に戦いましたね。あとセットしてないだけで写し身も使ってました。「仲間感」が乏しかったのと、カニばっかり食べて動いてくれない場面が多くそこまで使いませんでしたが、 FP を要さずに召喚できるのはありがたかったです。
FP を使い尽くす楽しみ。『DARK SOULS 3』だと呪術キャラ等では当然 FP を消費してましたが、今回は近接でも色々やれて楽しかったです。
ボヤかしている部分はあるので分かりやすかったとは言えないのですが、過去作と比べれば凄まじく情報量が多かった。だってフレーバーテキストに出てくる巨人やら指やらが実際に登場してくれるんですよ。名前だけで登場しないキャラクターが多かった過去作からすると信じられないことです。マーティン? マーティン氏の力なの??
最終的にはラニ ED でした。というのもせっかく時間をかけて探索したので複数 ED のフラグが立ってるなら一週目で視られるだけ視たいな、と思いバックアップを利用して視ました。残念ながら全部は視られなかったのですが、おいしいものは最後に回す精神から、最後に視たのはラニでした。うーん美しいエンディングだ。
たぶん世間でもそんな論調になってると思いますが、メリナっていまいち存在感が無かったですね。塩対応で有名な緑衣の巡礼よりも、更に印象が薄いように感じる。なんだかんだレベルアップの際に必ずと言って良いほど彼女とは顔を合わさなければならなかったのに対し、メリナはレベルアップの際に必ず現れてくれるわけでもなし、要所要所でしか出てきませんからね。あれでいて巡礼は何もしていない時に足をブラブラさせていたりと、「そこにいてくれる」感がありました。メリナには、残念ながらそれがない。せめて、と言ってしまいますが、メリナとお話できる祝福の近くに彼女の影が浮かぶ、とかしてくれればこちらとしても探そうと思いますし、会いに行きたいと思えるヒロインになってくれたんじゃないかなと思いますね。その点ラニは、こちらからその姿を探しに行きたくなる導線が引かれていたように思え、むしろ比較されるであろうメリナが気の毒になるレベル。キャラクターの描き方って難しいですな。
前述した通りでした。安易な物言いになりますが「神ゲー」と評することに一切の躊躇いは持たない……のですが、包み隠さず言うと、腐敗結晶人三人あたりで「クソボス! クソボスだね!」と口に出しました。調整ミスってんだろと思う場面は結構ありましたが、それでも狭間の地は美しく、黄金に煌めいていた。『ELDEN RING』、最高の一本でした。
トロコンしました。実際はこれを追記しているタイミングよりかなり早い段階ですが。
トロコン・了
短時間で可能という意味では『隻狼』が上回るでしょうが、あれはあれでスキルポイントマラソンが必須でしたし、その点『ELDEN RING』のトロフィー・コンプリートは純粋に探索の成果として与えられるので、最も充実感のあるトロコンだと言ってしまっていいかもしれない。『Bloodborne』も似たような取得条件でしたが、あっちは聖杯ダンジョンの風景の代り映えしなさがキツいと思う人もいるでしょう。どっちが良いという話でもありませんが、気付いたら終わっているという意味では今作、とても爽快感がありました。
次はどんなキャラ作ろうかな〜。