蛆虫の皆さん、おはようございます。相変わらず、いま目の前にある生を全うせずに生まれ変わろうとしているのですか?
今回はソウルシリーズより、深みの聖堂の NPC、「生まれ変わりの母、ロザリア」についてやっていきます。
とはいえ彼女についてはこれまで幾つかの記事で触れており、従って重複箇所も多くなることでしょうが、本稿は分散しているそれらをまとめる「おさらい」と言ったところで一つ宜しくお願い致します。
早速ですが、ロザリア、その正体はロスリック王妃であるというのが有力な仮説の一つでしょうか。当サイトでもこれを採用しています。
一応の根拠としては「女神の祝福」のテキストでしょうか。
- 女神の祝福 - 『DARK SOULS 3』
- ロスリックの王妃が祝福したとされる聖水。
- HPを完全に回復し、全ての異常を癒す。
- 彼女は先王オスロエスの妻であり豊穣と恵みの女神にすら例えられたが
- 末子オセロットを産んだ後、姿を消したという。
姿を消した。どこへ? と考えてみると、ロスリック王妃は消息を絶った後に深みの聖堂に匿われ、或いは幽閉されたという導線が引けるわけです。「ロザリア」とは王妃であった彼女の本名でしょうか。しかしこれだけでは手ごろな NPC 二名を接続しているだけで、論拠としては弱い。なので上記の仮説を踏まえた上で、「ロスリック王妃は元々アノール・ロンド王家の血筋だった」という推測を足し合わせてみます。
ロザリアのソウルで錬成できる奇跡が「太陽の光の恵み」である点と、彼女のソウルを「薬指のレオナール」がアノール・ロンドへと持ち去った、この二点が大事な材料です。
- 太陽の光の恵み - 『DARK SOULS 3』
- 太陽の光の王女が与えたという特別な奇跡
母であり妻であったグウィネヴィアの奇跡は その恩恵をひろく戦士たちに分け与えた
そしてレオナールが持ち去ったソウルは、かつて「豊穣と恵みの女神」グウィネヴィア、その幻影が豊満な肉体を横たえていた場所に安置されていました。以上のことから、ロザリアはアノール・ロンド王家に纏わるものであると推し量ることができます。
そしてロスリック王妃の「女神の祝福」に「豊穣と恵みの女神にすら例えられた」とあるのは、王妃が女神グウィネヴィアに例えられる程の存在だったことを示しており、分かりやすく、彼女は女神の血縁だったのではないか……といった仮説に至る訳です。
これらの材料から、ざっくりと「ロスリック王妃=ロザリア=グウィネヴィア」と結ぶ方もいるようですし、分かりやすく考えるならそれも良いでしょう。
ただ当サイトがその分かりやすさを採用しない理由として、ロザリアのソウルから得られたものが「太陽の光の恵み」だけだからです。
- 太陽の光の恵み / 太陽の光の癒し - 『DARK SOULS』
- 太陽の光の王女グウィネヴィアに仕える 聖女たちに伝えられる特別な奇跡
- すべてに愛されたグウィネヴィアの奇跡は その恩恵をひろく戦士たちに分け与えるが 誓約者でなければ使うことはできない
「太陽の光の恵み」とは「太陽の光の癒し」と共に、グウィネヴィアによって聖女たちへと伝えられた奇跡でした。だから大本の女神がこれを持っていることに不思議はないのですが、せめてロザリアのソウルから両方錬成できたならともかく、片方だけというのは引っかかる。つまりロスリック王妃ロザリアはグウィネヴィア本人ではなく、グウィネヴィアによってこの奇跡を「伝えられた」存在の一人だったと言えるわけです。
そしてもう一点。なぜ「癒し」ではなく「恵み」なのか。
関連記事 : グウィンドリンのつくりかた
アノール・ロンドとロスリックの家系図についての記事です。これ自体はお読み頂かなくても結構なのですが、以下の家系図をご覧ください。
ロスリックの血の営み
ロスリック国には火継ぎに至るための「血の営み」がありました。血と代を重ねて薪の王を生み出したい、ならば王の血を取り込む必要がある。きっとその為のロザリアだったんです。分かりやすく、王妃ロザリアはグウィネヴィアの血縁だったのだと思います。大王グウィンの血筋たるロザリアと、その血筋から生まれた子が交われば、王の血は更に濃厚になる。やがてその血が薪の王の水準へと到達する日を夢見て、建国以来ロザリアはロスリックただ一人の王妃であり続けたんです。
- 太陽の光の恵み - 『DARK SOULS 3』
- 太陽の光の王女が与えたという特別な奇跡
- 母であり妻であったグウィネヴィアの奇跡は その恩恵をひろく戦士たちに分け与えた
なぜロザリア(ロスリック王妃)が「太陽の光の恵み」を宿したかと言えば、ある意味で運命の暗示だったのでしょう。そのテキストにあるように、彼女は自らが生み落とした王の「母であり妻であった」。その営みの果て、王たる資格者、大王グウィンの再来を願い、ロスリック国は近親交配を重ね続けたんです。
そして終に、念願たるロスリック王子が誕生します。彼は生まれながらの薪。火にくべられる為に生を受けました。
というわけでロスリック王妃ロザリアの詳細については以上と言いたいところなのですが、その血筋にはまだ秘密が一つ残っています。
ロザリアのソウルから錬成できる「太陽の光の恵み」。一応シリーズ皆勤賞となる奇跡ですが、これは「太陽の光の癒し」とセット品のようなものだという点も忘れないようにしたいところ。「母であり妻である」彼女が「恵み」を宿したなら、もう一方はどこにあったでしょうか。
『1』に遡ってみますが、両奇跡の取得方法は印象的なものでした。
「太陽の光の恵み」と「太陽の光の癒し」をドロップするスキュラ二匹
そこは公爵の書庫。名状しがたき曲に操られるように襲い来る大量のスキュラたちを払いのけた先で、二匹のスキュラだけがこちらに手を出そうとしません。それこそ震え、啜り泣く声すら聞こえる始末。なんだか可哀そうなので殺害すると、この二体がそれぞれ「太陽の光の恵み」と「太陽の光の癒し」をドロップします。後のソルロンドのレア誘拐イベントと合わせてみると、つまり白竜シースは聖女に属する者たちを浚い、何らかの改造を行いスキュラへと変態させていた……という顛末が伺えます。スキュラ二体が奇跡を落としたのは、彼女たちがグウィネヴィアに仕えた聖女たちの成れの果てであり、まだ仄かに人間性を残していたことを意味するのでしょう。
で、この二体のスキュラについてですが、『DARK SOULS THE COMPLETE GUIDE(ダークソウル ザ・コンプリートガイド)』に衝撃の事実が記載されていました。
姉妹
「姉妹」。
この記述をそのまま受け取るのであれば、あのスキュラ二人は姉妹の関係にあったようです。
だとすれば、ですよ。
一方で『DARK SOULS 3』においても前述のように「太陽の光の恵み」と「太陽の光の癒し」の二つは登場しましたが、前者はロザリア、そして後者は冷たい谷の踊り子のソウルから錬成されるものでした。
これを『1』のリフレインと捉えるのなら、踊り子とロザリアは姉妹だったと受け取ることもできるはずです。
姉妹
- 太陽の王女の指輪 - 『DARK SOULS 3』
- 多くの神と共に故郷を去った彼女はやがて妻となり、母となった
- そして貴い子たちをもうけたという
- 踊り子のソウル
- 法王サリヴァーンは旧王家の末裔に二振りの剣を与え
- 踊り子たるを命じ後に外征騎士として彼女を追放したという。
あくまで過去の情報にそのまま対応しているなら、と仮定した上での話ではあるのですが、グウィネヴィアが生んだという「貴い子」たち、その内の 2 人がロザリアと踊り子なのでしょうか。或いはもっと世代を重ねているのかも。想像の余地は多分にありますが、旧王家の末裔であるという踊り子、並びにアノール・ロンドに関わりを持つであろうロザリアは、それぞれがグウィネヴィアの血を引くが故にその奇跡をも受け継いだと考えています。
- 太陽の光の恵み / 太陽の光の癒し - 『DARK SOULS』
- 全てに愛されたグウィネヴィアの奇跡
「母であり妻である」ロザリアが、それ故に「太陽の光の恵み」を宿したなら、グウィネヴィアの奇跡である「太陽の光の癒し」を持った踊り子もまた、かつて「全てに愛された」存在だったのでしょうか。人間の手を介し余りにも歪んでしまったように思える姉妹の運命。火に生まれた者が、火の陰りに辿らなければならなかった末路とは、かくも残酷なもの。
生まれ変わりの母ロザリアと、冷たい谷の踊り子。太陽の光の王女グウィネヴィアの血を引く、貴い姉妹でした。
ちなみに。
過去の姉妹設定にきっちり対応させていると考えるなら、踊り子がお姉さんでロザリアが妹になります。よろしくお願い致します。
というわけでロザリアについてでした。しかし彼女から読み取れる情報は膨大なもので、エルドリッチとの関わりや、指たちについては本稿で扱いませんでした。ここら辺も過去の記事で触れるだけ触れてはいるので、また何か機会があったらきちんと書いてみてもいいかもしれません。それでは、また。