前回、こんな記事を書きました。
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タイトルから察して頂けたでしょうが、今回はこの記事の次、というよりちょっとした「接ぎ足し」となります。我ながらそこまで真新しい内容ではないですし、分量も少ないので前回の記事にそのまま追記することも考えましたが、一応執筆後にアップデートされた内容を基にしているので、まあ別記事とした方が座りがいいでしょう。
以下、本編(「Shadow of the Erdtree」発売前)のネタバレを配慮しない内容となっておりますので、お気をつけて。
- マリカ × ゴッドフレイ
- ゴッドウィン(G)
- ゴドフロア(G)
- ゴドリック(G)
- モーゴット(M)
- モーグ(M)
- ラダゴン × レナラ
- ラニ(R)
- ラダーン(R)
- ライカード(R)
- マリカ×ラダゴン
- マレニア(M)
- ミケラ(M)
- マレニア
- 長姉メアリー
- 次姉モーリーン
- 三姉エイミー
- 末妹ポリアンナ
- ミリセント(四姉?)
この簡素な家系図を見ませい。
一度扱った事柄なのでさらっと流しますが、モーゴットやミケラなど、デミゴッドの中には「M」の名を冠する者たちがいて、これはマリカの子だと示すものと思われます。一方、ゴッドウィンなどは長子でありながら「G」。恐らくですが、どちらかと言えばゴッドフレイ(G)の血が濃いことを示している、そんな想像が妥当でしょうか。どうなんだい、ジョージ。
ところでレナラって何となく語源を「月(luna)」だと思ってましたが、曰く「Rennala」らしいですね。彼女とラダゴンの子供は全員「R」で始まりますが、血の濃さを名が示すなら、「R」のデミゴッドたちは果たしてそれぞれ、誰がどちらの「R」を継いでいるのか。そんなところまで夢想してみると楽しいかもしれません。
髪の色にも注目したいですよね。例えばラダーンやマレニアは赤毛ですが、これはラダゴンの血でしょう。しかしそうなると、血の濃い方に名前が受け継がれるという考えは適当ではないかもしれない。どういった理由で名が継がれるのか。髪色は、性別は、それ以外は? マリカと伴侶、そしてデミゴッドたちの織りなす系譜には、きっと想像以上の情報が含まれている。そうなんだろう、ジョージ。
前回メリナについて掘り下げてみましたが、そういう意味では彼女の髪色も興味深い。彼女が「M」を継ぐものと仮定して、しかしマレニアたちとも異なる赤み。それは金と赤の丁度中間とも受け取れます。マリカが時間を追うごとにラダゴンになりつつあった(?)事と関係するのでしょうか。
……と、以上を踏まえてなんですが、 2022 年 12 月 7 日に追加された闘技場システムに紛れ、しれっと追加されたこの描写をどう見ましょうや。
それ以上のことはない。
円卓の暖炉横に追加されたマリカ像。闘技場に参戦する為のこのオブジェクトは、なぜこの位置、ローデリカの対になるように設置されているのか。直感的に捉えるなら、調霊師ローデ「リカ」が女王マ「リカ」の血縁であることを示唆する為ではないかと。
思えばローデリカは金髪でした。デミゴッドたちとは異なるルールですが名を共通し、髪色を同じくする。察しの良い方々はとっくに思い至っていた可能性ではあるのでしょうが、お恥ずかしながらこの円卓のマリカ像でようやくピンときたんですね。なるほどなと。
話を変えるようですがストームヴィル城にはゴストークという NPC がいました。
その左腕が欠けていることから、葦名弦一郎に切断されたのでなければ、恐らく接ぎに捧げる羽目になったのでしょう。で、もう少し深読みしてみるなら彼も名に「G」を持つんですよね。ゴストークの G は始まりの G、つまり彼もまたゴドリックと同じ黄金の一族の末裔、そんな可能性もあると思っています。どことなく顔の造りも似てらっしゃる。いや、ゴドリックが市民顔なのかもしれない。
黄金の一族、つまりマリカとゴッドフレイの血族ですが、その末裔であるゴドリックや貴公子たちは他者の肉体を接ぎ合わせていました。ですがゴストークは一族でありながら、「接ぐ」側とは見なされなかった……とは勝手に描いた背景ですが、そう考えれば彼がゴドリックへと向けた憎悪にも深みが増そうというもの。もっとも名前で血縁を疑い出すとキリがない部分はあるのですが、そっちの方向から本作を徹底的に掘ってみるのも一興でしょう。
ローデリカはどうでしょうか。
- 深紅のフード
- 鮮やかな深紅のフード付きマント
- 流離する王族の装束
- 生命力を高める
彼女は狭間の外側、いずこかの国では王族だったと見受けられます。身分の根拠がその出自だったとすれば分かりやすい。ローデリカが黄金の一族とは言い過ぎかもしれませんが、そこから枝分かれした、もはや唯の人間と区別もつかないほど傍系のまた傍系であったとして、それでも人の世で威光を発揮するには十分だった、くらいは想像してみても良さそうです。そんな彼女が導きも持たずに旅立ち、黄金の君主の元に身を捧げる間際にいた。不思議な因縁を感じます。それはある種の帰郷だったのでしょうか。
よって調霊師ローデリカ。彼女がマリカを想起させる為に配置された人物なのだとすれば、その存在そのものが女王マリカに迫るヒントとなる。
- 鍛冶師ヒューグ
「…あんたが連れてきた、あの娘…。心折れ、もう武器を振るうことはあるまいが あれには、調霊の才があるぞ。ずっと昔、見たことがある。あれはそういう瞳の色だ」
「…あの娘と少し話したんだ。やはり、調霊の才があったからな。知る限りを伝えておいた。…昔、世話になった人が調霊師でな。せめてもの恩返しだ。あんたも、疑って悪かった」
もしも血の繋がりが因縁を左右し、ローデリカが円卓に、ヒューグの元に辿り着いたことと無関係でないのなら。円卓の鍛冶師ヒューグがかつて世話になったという調霊師こそ女王マリカその人であった……くらいまで踏み込んでみるのも面白い。そう考えてみれば、女王に纏わりつく多くの謎が多少は晴れてくれるでしょうか。
- 深紅のフード
- それは、使命なき旅へと贈られる
- 遥か彼方、二度と帰ることのない旅立ちに
- つまりは、体のよい厄介払いだ
- ローデリカは、導きなど見えていなかった
- 旅シリーズ
- 軽く丈夫な〇〇
- 運命に向き合うために旅に出る 娘たちの装束
- マリカの爛れ刻印
- エルデのルーンが刻印された瞳
- それは、女王マリカの印であるという
- 強き使命は、その主を蝕む
- まるで逃れ得ぬ呪いのように
劇中では多くの「娘」たちが、自らに課せられた重すぎる運命に翻弄される中、唯一人そこから少し外れ、ローデリカは自由でした。ならば燃え落ちようとする円卓で、最後までヒューグの傍にいることを選んだその選択は、きっと彼女自身のものだったはず。しかし、もしそれだけではないのなら。
- 鍛冶師ヒューグ
「…儂の武器で、神を殺してくれ。それが儂の、生きたすべて。そして、女王マリカとの誓約なのだ。そしてどうかあの娘を、気にかけてやってくれ」
永遠の女王と因縁浅からぬヒューグの元へ、その血縁が現れ、知らず、最期を共にしたのだとするなら。それは使命や運命などとはとても呼べない、けれど、或いはかつて在った誰かの願いや祈り、そのささやかな成就だったのかもしれません。