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星に憑かれた男たち

はじめに

早速いっちゃいますか。

『Bloodborne』と『隻狼』は同一世界の出来事でした。

……と、当サイトでは考えています。であれば両作品の要素によって互いを補完しあえるのではないか、などと思いに耽るシリーズの、二回目。

前回 : 「蟲」の咄をさせ賜え

それではしばしお付き合いください。

前提としての「上位者について」

さて異なる作品の掛け合わせなので、当然それぞれについての考察を土台として使います。こういうことをすると虚実が一層曖昧になってきますが、この際「全部・全文このサイトが勝手に言ってること」として読んでもらうと受け取るのが楽になると思います。頑張ってついてきてくださいよ。頼むわほんとに。

で、上位者については一億個くらい諸説があると思いますが、とりあえず当サイトが一つ仮定するところとしまして、「上位者に進化できるのは(原則的に)女性だけ」というものがあります。なぜかと言えば女性だけが赤子を胎内に宿せるからであり、そしてこの女性のみに備わった「赤子を宿すことができる力」こそが『Bloodborne』における最重要キーワード、「瞳」に深く関与すると考えているからです。

うちの狩人は男の中の男だが? というご意見もあるでしょう。まさしくその部分が大きなヒントだと考えていて、「男女関係なく」人を上位者に至らしめる実例として、「3本目のへその緒」というものがありました。そこで考えてみて欲しいのですが、赤子のみが持つという「へその緒」によって人が進化するなら、「赤子の上位者」を直接胎内に宿した女性はどうなるのでしょう。人のままでいられる……はずもなく、まさしく「母なる上位者」になるのではないか。故に赤子を宿す能力を持つ者は、それだけである種の素質を有することを意味するのであり、「母なる」ゴースとはその実例だったのではないか、そんな仮説に繋がるわけです。

「女性ばかりが神秘に対し深く感応する」。これがここから先の大きなポイントになります。

踏まえ、実験棟で繰り広げられた脳液イベントを思い出してみましょう。

脳液
薄暗いアメーバ状の脳液。プルプルと弾力がある
頭部が肥大し、遂に頭ばかりとなった患者から採取したもの
そして脳液とは、頭の中で瞳になろうとする その最初の蠢きであるという

この脳液イベント、思うにへその緒イベントのなぞりになっているのですが、脳液をドロップする頭の患者は皆、女性でした。なりかけとはいえ脳液とは瞳に通じるものだそうですが、これを前述の仮説と絡めるなら、女性ばかりが脳液を生成し、また赤子を宿すに至るのは、「瞳」というものが「女性であること」と、イコールではないにせよ、無関係ではないからなのでしょう。

『Bloodborne』とは名の通り「血液感染」の物語でした。特別な血の物語であり、そして血には何かおぞましい意志が溶け込んでいます。

血の穢れ

血に宿る種

あらゆる血の意志の継承者たる狩人の血には、奇妙なことに「子種」に似たものが顕れていました。もしもこれが血の遺志と呼ばれるものに潜む本質的な姿なのだとすれば、この本質とは、上位者が赤子を求めようとする意志の顕れなのでしょうか。或いは上位者でさえもこの「赤子に成ろうとする何か」に憑き動かされているというのでしょうか。定かではありませんが、種は畑が無ければ育たぬもの。血に宿り、血に介し、いつか「生まれてこようとするもの」の意識は、故に畑を、宿主を欲するわけです。そして自らを育む、上質な苗床たるを求める。「瞳」とは文字通りに眼球を指すのではなく、もしかすれば別の何かを指していたのでしょうか。

「ゆるゆると、私卵になるのかしら?」

「卵」。

成りたいものに、俺は成る!!!!

端折りながら過去記事のおさらいをさえずって参りましたが、ここで今一度繰り返します。「女性ばかりが神秘に対し深く感応する」。言いたいことはそれだけなので、以上の内容を頭に入れた上でこの先にお進みください。

精霊、という言葉があります。

医療教会がその名で呼ぶ軟体生物。これは上位者の先触れだといい、痕跡だと。しかしそうなると道端で軟体生物を見つけただけで上位者の存在が匂い立ってしまうことになります。逆を言えば奇妙な軟体生物さえいなければ、そこは上位者の関与しない平和な土地だということ。葦名を見てください。なんて美しい土地でしょうか。妖しいナメクジなんてどこにも……。

水生の先触れ
てぇてぇ餌

水生の先触れ、貴い餌

いたわ。結局のところ、両作品を繋ぐ出発点として考えたのはこの軟体生物どもでした。水生村や源の宮などに見られる、これらの常軌を逸した軟体生物は、やはり「痕跡」として機能するのであり、『Bloodborne』は『隻狼』と同じ世界の上にあるという示唆ではないか。だとすれば片側のルールをもう片側に適用すれば、見えないものが見えてくるのでは、というのが始まりです。全てはナメクジから始まった。

そんなわけで、ナメクジが痕跡であるなら、葦名には上位者がいることになります。全ての上位者は赤子を求め、その為に「種」を撒く者を上位者と呼び、数多の手段から「血」を選んだ、『Bloodborne』がただそれだけの話なのだとすれば。

上位者

上位者・桜竜

桜竜とは「水」を選んだ上位者でした。だから根付いた地で、水に乗せてバラまいたわけです。竜胤という胤(たね)を。

関連記事 : 皆、元は源にいた

どうもただの水ではなかったようですけどね。

戦いの残滓・桜竜
桜竜は、神なる竜古く西から流れ着き、この地に至った
この葦名には、ひと際古い土地がある古い土や岩が、そこの染み渡った水が、神なる竜を根付かせたのだ

葦名の、中でもひと際古い土地。そこに染み渡る水は元々特別なものだったようです。だから神なるものを呼び寄せてしまった。上位者の血が、特別な血との交わりをどうやら求めたように、やはり神なる竜の胤もまた特別な水を触媒としたがったのでしょう。これぞ竜胤の始まりであり、以来葦名の地には「淀み」がもたらされました。

九郎
「私は、竜胤の不死が生む、淀みの連鎖を断ち切りたい」
ヴァルトール
「それは、汚物の内に隠れ轟く、人の淀みの根源

繰り返しますが、全ての上位者は赤子を求めているそうです。その欲求こそが上位者の根源的な意志であるからこそ、その意志が宿るものは血だろうと水だろうと似た効能を示すのだと思います。「赤子に成ろうとする」のです。ということで前回記事の繰り返しになってしまうのですが……。

赤成り玉

赤子の成りそこない

赤成り玉
赤成り玉は、成りたいものに、成れなかった者の名残り
触れば仄かにあたたかく、脈を売っている

「赤成り玉」、成りたいものに成れなかったそれは、即ち「赤子に成れなかった肉塊」だったのだと思います。なぜ成りそこなったか。分かりやすく、変若水の被験者たちとは皆、男でした。得たのはただ強靭な肉体と赤い瞳、そしてある程度の不死身ばかり。対し血の医療の傍らにある「獣化」とは、これら子を成せなかった者たちの副反応がさらに苛烈なものになった、或いは血液感染独自の作用なのでしょう。

続いて水生村の首つり死体。

お宿り遺子
お宿り遺子

赤子の石

経緯は謎ですが、赤子のような石を抱いているのが非常に示唆的。遺体は男性のものでしょうか。「成りたいものを成せなかった」、その狂おしさが彼を死に至らしめたのか。 また落ち谷にて、真白い水蓮が咲く、源からの水が最も濃く溜まるこの場所では、赤子を抱く仏像が確認できます。

仏と赤子

赤子の石 - 2

源の仙郷から撒かれた竜の胤、そこには「赤子に成ろうとする意志」が本質として宿っているのだと、そのような読み取り方ができるでしょうか。『Bloodborne』がそうであったように、『隻狼』にとっても重大なキーワードの一つが「赤子」でした。

女を食い物にする男たち

話は変わるようですが、医療教会は実験棟で具体的に何を行っていたのか。恐らく聖体の拝領、「ゴースの血を患者に輸血していた」のだと思っています。結果は見てきた通り。成功したのか失敗したのか、どちらにせよ血を入れられた者たちはタダでは済みませんでした。

肥大した頭部(実験棟)

でっかい頭

しかし気になる点があります。

ゴースの寄生虫
海岸に打ち棄てられた上位者ゴースの遺体 その中に大量に巣食う、ごく小さな寄生虫
人に宿るものではない

ゴースの血、ゴースの肉、そこに潜むものは人に宿るものではない。実験棟で行われていたことが推測の通りだとすれば、これほどの変容を遂げてもなお、これは「宿った」とは言えず、ただ惨たらしい結果を招いただけ。しかし考え方に依れば、「人に宿るものではないもの」を宿した者は、即ち人でないことになる。それを宿すに足る素養をこそ、医療教会は「瞳」と呼び、解明に終始してきたのではないでしょうか。

呪詛溜まり
蹂躙された漁村の住人、その頭蓋骨
おそらくは、頭蓋の内に瞳を探したのだろう。過酷な仕打ちの跡が、無数に存在する

漁村。悪夢の最奥たるそこにはゴースの遺体が横たわっていました。漁村の住人の人離れした在りようは如何なることか。その秘密を探る為に、漁村は探究者により蹂躙し尽くされました。「漁られた村」、故に漁村。

漁村の住人達が元々は人間であり、しかし上位者ゴースに近い場所にいたことであのように異形と化したのだと仮定するなら、実験棟の患者たちとの差異が気になります。考えたいポイントは 1 つです。ゴースの血をダイレクトに体へと入れる方法とは別の手段で、漁村の住人は母なるゴースから神秘を受容している。それは何なのか。

さて、葦名。

竜胤発祥の源泉から最も近い源の宮、その濃厚な水を飲むことで人は「貴族」となることが劇中で確認されています。少なくとも少し遠ざかればそれは希釈されてしまい、望む変化はもたらされない。それを嘆いた水生の神主は、後に京の水を飲み、めでたく貴族の末座へと連なることに成功しました。

宮の貴族

貴き人

しかしながら、源カーストにおいて京人は頂点ではないかもしれません。貴族の上には、翁がいる。

白木の翁

白木の翁

桜竜の周囲には白木の翁と呼ばれる異形が湧いて出ました。これらを京人の上位種とするのはかなり結論ありきな物言いになるのですが、まあそうだと仮定させて頂いて、貴族となる者、翁となる者、そこにはどのような差異があるのか。

ちなみに余談なのですが、主を前に、その主の小さな似姿が群れを成して主へと祈りを捧げる、という光景。実は桜竜とゴースで共通していたりします。

神なる竜と翁たち
ゴースへの祈り?

親玉に似た小さな群れ

この辺を「桜竜、上位者説」の根拠(と呼ぶには弱いですが)の一つにでもして頂けると嬉しい。

そんなわけで本題です。漁村・実験棟における「ゴースの影響を受けた患者と漁村住人の差異」と、源の宮・仙郷における「桜竜の影響を受けた京人と翁たちの差異」のケースは、類似している。

これらが実のところ同じ箱に入れられるサンプルなのだとすれば、両者を対照させることで何らかの解が得られるのではないか。これが今回の本題となります。

とはいえ、発想自体は単純です。

話を戻しますが、上位者の神秘に対して女性は強い反応を示すというお話をさせて頂きました。『隻狼』においては、源の宮の女武者、淤加美たちが非常に気になるところです。

淤加美
淤加美

淤加美

淤加美の古文書
仙郷を目指した淤加美一族が残した古文書
香気の石、葦名の底の村に祀られたり
身を投げねば、辿り着けようも無し
これで源の香気、揃うたり
仙郷へ、出立のときぞ
錆び丸
その刃の青錆びの毒が、敵の身体を蝕み「中毒」状態にする
青錆びの毒は、いにしえの戦で 人ならぬ、淤加美の女武者らを退けたという
その血筋に連なる者にもまた、有効だろう
古戦の掛け軸
かつて葦名に、あやかし来たり
あやかしの雷は、源の神鳴り
神業無くば、弾き返せぬ
即ち、地に足つけぬ、雷返しなり

たぶん元々は尋常の人間であった彼女たちは、源ないし仙郷へとたどり着き、やがて「人ならぬ」と称される存在へと成りはてたようです。完全なる推測ではありますが、彼女たちは貴族たちと同じ京の水を飲んだのだと思っています。しかし結果は分かたれ、彼女たちは貴人にはならなかった。貴族たちですら扱えぬ独特の業を操る、神に近い特別な異形と成ったんです。

なぜか。女性だから。

上位者の血を体に入れた女性が、みな赤子を宿したわけではないように、淤加美たちが元々何らかの特別な素質を備えていたからこそ神鳴りの境地に達した可能性は高い。しかし前提として彼女たちが生来持つ女性性が無ければ、上位者桜竜の神秘を受容し、特別な変態に至ることにはならなかったでしょう。或いはその素質とは、西方で呼ばれる「瞳」に近いものだったのでしょうか。

今回扱いませんが、多くの変若水被験者の中で唯一「御子」として開花した事例が女性であったことも、仙郷に至る場所で眠りについていた人物が「巫女」であったことも、決して無視できない事案でしょう。

巫女
変若の御子

巫女と御子

オイオイ、このご時世に男性差別か? 結局のところ男ってのは上位者との間に深い結びつきを構築することの出来ない、欠陥生物なのでしょうか。貴族と呼ばれる彼らは所詮偉そうにしていても、実験棟における頭の肥大した患者に近い、「失敗作」に過ぎないのでしょうか。どうすればいい、どうすれば……。

お、妙案を思いつきましたよ。女性だけが何らかの特別な素質を持っているというなら。

またいっぱい食べたいな
ハッピースマイル

美味しいヤミー感謝感謝

食べちゃえばいいじゃん。

「特別な素質」が無いのなら、持っているものから頂けば良い。それこそが、「なぜ貴族は淤加美を捕食していたのか」に対する解答だったのだと考えます。貴族が淤加美食べて生まれたものが、白木の翁だったんじゃないかと。果たしてそれが彼らの真に欲する変質だったのかは分かりません。まあ神なる者の似姿を得、あまつさえ間近で祈る、それが「信ずる者」の至上の歓びとするなら、これ以上は無いのでしょう。

では漁村です。実験棟でゴースの血を入れた者たちが、ただ頭を肥大化させるばかりであったのに対して、なぜ漁村の住人はより魚介に近い姿へ至ったのでしょう。

これも発想自体はシンプルです。わざわざ『隻狼』を持ち出さなくとも人によってはピンと来たかもしれません。ご存じでしょうか。漁村で蠢く、軟体のようにつるつるとした女性たち。彼女たちの名は「養殖人貝」と言います。

養殖人貝

貝娘

何を意図して養殖したのか。もう言いたいことはお分かりかと思います。そう、食べるため、だったのでしょう。

養殖人貝。その発生経緯は全く不明ですが、彼女たちに関しても過去に書いています。

君の瞳に恋してる (3) - 月編 -

読まなくていいです。これまた推測ですが、漁村を進むにつれて姿を現す真珠のようなもの、これらが卵だとして、ここから生まれたものがゴースの先触れと思わしき巨大なナメクジを思わせる軟体生物群だと考えています。

そして漁村の洞窟では、住民たちが卵をかき集め、司祭が黄色い神鳴り(雷)によって何かを施している。

養殖中

風通しの良い職場です

言ってしまうと、恐らくこの工程を経る事でゴースの先触れは人型に変貌する。洞窟の光景は、まさしく人貝養殖の現場なのです。

これまた完全に憶測ですが、先触れたちは何らかの施術により、自らの大本たるゴースへと先祖返りめいた変質を遂げたのかもしれません。或いは何らかの方法で人間の女性と掛け合わせたとも考えられます。

養殖人貝
妊娠後期

貝娘

なぜわざわざこのような工程を踏んだのかを更に考えてみるなら、異質なものを交わらせるための触媒として、より人に近いものが必要だったのでしょう。なぜならゴースに宿るものは、「人に宿るものではない」から。

話は戻りますが、そもそも精霊なる存在にはなぜ軟体生物が多く目立つのか。現実のナメクジを例に取り上げればイメージしやすいのですが、これらの軟体生物は寄生虫の中間宿主として語られることが多い。そして上位者を憑き動かす「赤子に成ろうとする意志」は虫を始めとした寄生生物の形を取るようなので、その意志(生物)を周囲にバラまくために、自律して動き、繁殖しさえする便利な感染源、言うなれば種付けマシンを欲した。これぞ医療教会が精霊と呼ぶものの正体であり、上位者が精霊を残すそれらしい理由だと推測します。寄生生物(子種)を運ぶために、軟体生物という入れ物が適していた、ただのそれだけなんです。

しかし上位者の中に蠢く「赤子に成ろうとする意志」は人に宿るものではないので、宿主として適格でない人間サイドは一工夫する必要がある。即ち媒介者たるナメクジに改良を施し、種付けマシンとしての機能を変質させること。人に宿るものではないものを人に宿らせるよう品種改良した媒介者こそ、養殖人貝の正体なのだと愚考します。

そうして通常であれば人に宿らないゴースの血を、人に近づけた媒質を用いることで人に適合させ、美味しく頂く。そうして至った姿が漁村の住人達なんです。

「我ら血によって人となり、人を超え、また人を失う」

何の事は無い。漁村の住民たちも、彼らなりのやり方で聖体拝領を行っていたというお話でした。もっとも死体を漁ってそれを叶えたであろうビルゲンワースや医療教会と違い、ゴースが残した媒質を使用した分、漁村は正規の手段を用いたと言えなくもないので、そこには冒涜も罪もないのかもしれませんが。

というわけで葦名、漁村。二つの場所で行われていたのは、その土地なりの聖体拝領であり、しかしそこには「女性を食い物にする男」がいたという何ともセンシティブな共通項があったと言ったところで、今回の結論としたい次第でございます。

夜空の星が輝く陰で 悪の笑いがこだまする

さて一直線に書き終えましたが如何でしたでしょうか。他にも例えば「なぜ弦一郎は男性でありながら神鳴りの業を扱えたのか」、また「巫女や変若の御子が女性であった一方、当の竜胤の御子は少年だったこと」とか、他にも色々とまだ語れる部分はあるのですが、別の機会と致します。長い記事は良くない。眠くなっちゃうからね。

ただ最後に一つだけ。

この記事で言っていたことが正しいとして、ヤーナムや葦名には上位者がいて、その神秘をばら撒いていました。そして『Bloodborne』も『隻狼』も、人々が神なるものの生んだ淀みに翻弄される恐ろしい物語、その一篇に過ぎないのでしょう。よって物語は上位者の数だけあるとも言える。

蜘蛛のパッチ
「ああ、君か。丁度よい。そろそろお別れの時間なのだ。私は神を失った。新しいそれを、探さなければならない。奇縁があれば、またどこかで会おうじゃないか。君も早く、こちら側にきたまえよ…」

以前こんな記事を書きました。

うごめけ! オドン(前編)

読まなくて大丈夫。『Bloodborne』におけるオドンの正体、および「星」の話ですが、この記事では「星」を「オドン」と訳し、イコールで結んでいました。「オドン」が星を意味する言葉であるという仮説自体は否定しないのですが、劇中の「星」すべてをオドンとするのは乱暴だったかもしれません。

思うに「星」とは上位者そのものを指していたのではないかと、今では考えています。

苗床
実験棟の患者、アデラインにもたらされたカレル
人ならぬ声、湿った音の囁きの表音であり 星の介添えたるあり方を啓示する
この契約にある者は、空仰ぐ星輪の幹となり 「苗床」として内に精霊を住まわせる
精霊は導き、更なる発見をもたらすだろう
ロスマリヌス
血の混じった水銀弾を特殊な触媒とし、神秘の霧を放射し続ける
歌声と共にある神秘の霧は、すなわち星の恩寵である
「美しい娘よ、泣いているのだろうか?」

上位者。神なるもの。だからその傍には介添えたる在り方があり、恩寵があり、祈りがあったのでしょう。そしてそれは「星」の数だけ存在するわけです。

六の念珠
百足衆は、己の「星」を探す者たちだ
星を見出せば、それに仕え、時に名すら変える

『Bloodborne』、そして『隻狼』。

いずれも星の物語。

故に、いずれまた。

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