ワムウは「風」を探知し、常に自らの対象点上を位置取るジョセフを撃った。苦しむジョセフは辛うじて射撃を成功させるが、明後日の方向に終わった。それはワムウの使った弾道。つまり鉄球は戻ってくる。とどめを刺す為近づくワムウを貫いて。
傷ついたワムウは最終流法「渾楔颯」を発動。火でワムウを内部破壊しようとするジョセフだが、油瓶と燃えたバンダナは共に切断されてしまう。だがそれらはワムウの起こした風に乗り彼の内部へと吸引され爆発した。ジョセフとシーザーの勝利だ。
肉体を砕かれたワムウ。あとはとどめを刺すばかりだが、ジョセフは静かにその最期を見送ることにした。拳を交えた者にしか分からない、奇妙な敬意がそこにあった。悠久の時を生きたワムウはただジョセフとの出会いを喜び、そして風になった。
「触覚も目も言葉もいらない……伝わるよ…動作だけで十分だ」
亡き仲間の為に正正堂堂の戦いを所望するカーズが指定する戦地は神殿だった。違和感を覚えながらも勝負に挑むリサリサは、熟練の業によってついにこれを撃破し、だが次の瞬間には胸を貫かれていた。対戦相手は影武者。正正堂堂など笑止。
嗤うカーズ。吸血鬼たちが一斉にジョセフを襲うが、そこへSPW財団とナチス兵たちが駆け付けた。乗じてカーズと対するジョセフは、だが瀕死のリサリサを盾にされる。スモーキーは思った。(リサリサってジョセフの母親なんだよなあ)。
ロープで結ばれたリサリサを掴んで離すことができないジョセフ。後はカーズが労せず二人を始末するのみ。そしてロープは切断され、しかしカーズの足に巻き付いていた。ジョセフお得意のロープマジックだ。波紋がカーズのブレードを砕いた。
タイトルが 42 話「最後の波紋! の巻」との対比に。思えば遠くまで来たものだ。
ジョナサンの息子ジョージ。スピードワゴンの口から語られる一族と波紋を巡る哀しき運命。一方波紋傷に苦しむカーズにトドメをさすべく照射される紫外線は、しかし既に赤石をはめた石仮面へと収束した。骨針がカーズの脳を押す。
それは静かに立ち上がった。佇む彼の腕からはあらゆる生命が誕生した。そして何よりも彼は夜明けの中悠然と笑っていた。柱の男は今、太陽を克服したのだ。究極の生命体カーズの誕生である。だがジョセフにはまだ策があった。「逃げる」ッ。
軍用機に乗り込むジョセフ。彼にはアイデアがあった。イタリア・ヴォルガノ島にある火山へカーズを叩き込むのだ。奴を産み落とした地球そのもののエネルギーを信じるしかない。既に機体はボロボロ。故にジョセフは諸共に火口へと落ちていく。
カーズ諸共火口へ突っ込むジョセフだったが、寸前、密かに同乗していたシュトロハイムによって助けられた。溶岩の中、カーズの絶叫が響く。ついに究極の生物を打倒した――確信した瞬間、ジョセフの左腕が切断された。カーズは地球を克服した。