間一髪「タワー・オブ・グレー」の攻撃を受け止めた承太郎。だが「スター・プラチナ」のスピードでも捉えきれず、かと言ってアヴドゥルの炎は機内で使えない。次いで花京院が前に出る。その能力と知略は奇虫を捉え、そして本体ごと引き裂いた。
こうして読み返すと「機中」と「奇虫」はかかってたんですね。マサクゥル!
墜ちる機を不時着させる。パイロットは既に殺害されていた。この旅は他人を巻き込まず行うべきだ。よって香港より海路を往くことを決める一行の前に一人の男が現れる。旅行者を装う彼は、しかし敵スタンド使いであった。
敵スタンド使いポルナレフ。恐るべき剣の使い手と相対するはアヴドゥルであった。ひとしきりデモンストレーションを行った後、両者はタイガーバームガーデンへ移動し戦い始める。剣と炎の戦い、上回ったのは炎だった。必殺の熱量がポルナレフを襲う。
重傷を負ったかに見えたポルナレフだったが、スタンドの甲冑により逃れていた。凄まじい剣技と速度に翻弄されるアヴドゥルだが、その炎の業は今度こそポルナレフを捉える。最後まで騎士道を重んじる高潔さに絆され、彼の肉の芽を治療する事に決める。
妹の仇を探すポルナレフを一向に加え、一行は次の目的地、シンガポールへ。だが穏やかな船旅になるはずもなく、密航者が騒動を起こした。果ては海へと飛び込む密航者を承太郎が助けた矢先、海中では謎の怪物の影が蠢いていた。
新手の敵スタンド使い。容疑者は経歴の明らかな船員と一般人と思わしき家出少女のみ。だが果たして承太郎の策により犯人は船長と判明した。水中での機動力を誇る「ダークブルームーン」。水中へ誘う敵を、しかし入水前にスタープラチナの拳が砕く。
寸前の攻勢も一転、承太郎は窮地に陥っていた。ダークブルームーンの真骨頂は水中戦だ。パワーを吸収するフジツボ、カッターの如き水かき、鋭利なウロコ入りの大渦。あまりに多彩な攻撃を、しかし承太郎は「スターフィンガー」によって突破した。
DIOは自らの人生からジョースターを取り除きたい。その意思を汲み多くのスタンド使いが動いていた。その頃、承太郎達の船が爆発した。命からがら脱出し、そこへ現れた不気味な船へと乗り込む。中には猿が一匹。そして人が一人死んだ。
無人の船。しかし攻撃の意思だけはあるようだ。くまなく探索を行うが、やはり人の姿はなく、いたのは一匹の猿だけ。だがこの異様に知能の高い猿こそが敵スタンド使いであるようだった。間違いなく攻撃している。だが肝心のスタンドが見えないのは果たして。
貨物船そのものという巨大な実像、それが猿のスタンド「力(ストレングス)」だった。強大なパワーと知能に押される承太郎。だが所詮はエテ公。簡単な挑発に乗った挙句血を見ることになった。動物の域を超えたものに、承太郎のラッシュが突き刺さる。