敵本体は既に船に乗り込んでいた。容疑者は二人、どちらが? そして億康は音石を殴る。何のことは無い二人とも殴るつもりだったのだ。そして船が着く。再開する親子。気の無い素振りの仗助だが、そこには確かな喜びがあった。
音石戦から後日、仗助とジョセフは二人歩いていた。ジョセフを父と呼ぶ気の無い仗助。母を遠目から眺めるのみで対面させる気もない。気まずい雰囲気。だが道中、ジョセフが奇妙なものを見つけてしまった。それは透明の赤ん坊だった。
拾った赤ん坊は「スタンド使い」だった。母と離れたストレスからか自分を透明にしているのだ。母を探すことになった。分かった事は幾つからある。赤ん坊は女性であること。美人であること。そして能力は周囲にすら及ぶこと。
赤ん坊を守ろうとしたジョセフだが、勢い余って乳母車を突き飛ばしてしまう。横転、水音。赤ん坊は池に落ちた。仗助からの失望を受けたジョセフは、しかし自身の血で水を染め、「透明」を特定する。赤ん坊は戻った。親子の笑顔も。
ある朝康一は間田と再会する。何故か気に入られた康一は二人で杜王朝に住む漫画家のうちへ行くことになった。そして本当に漫画家は現れ、快く招き入れられる。だが漫画家岸部露伴は余りに奇怪な人物だ。康一達は生きて帰れるのか。
帰ろう、と康一は言った。嫌な予感がする。了承する間田だが、その前に未発表の原稿を読んでからにしようと提案した。二人はそれを見て、一瞬で魅了された。するとどうだ、二人は「本」になってしまった。岸部露伴はスタンド使い。
対象を人生が記述された「本」に変える。それが「ヘブンズ・ドアー」。しかも露伴に追記された事で康一は彼に危害を加えられない。漫画家として最高のリアリティを掴んだと叫ぶ露伴は康一から体験を奪った。記憶を奪われたのだ。
記憶の改ざんに気づけない康一はおかしいと感じつつも再び露伴の元へ向かってしまう。露伴の仕事を目の当たりにし「本」になる康一。また体験を奪われてしまうのか。だが露伴の家に入る康一を発見していた者が二人。仗助と億康だ。
「ヘブンズ・ドアー」の影響下にある今、康一は助けを求められない。しかし康一が無意識に負った傷を見て億康達は露伴の家へ押し入った。だが恐るべし岸部露伴。一瞬で億康を「本」に変えてしまう。視線の先、次なる標的は仗助だ。
身を隠す仗助。それは露伴の原稿を目視しない為である。逃げられては溜まらない。露伴は億康に自害の命令を下し仗助を誘い出した。だが仗助は目を閉じている。どう開かせるか。露伴は仗助の髪型を馬鹿にした。目は開かれた。