吉良が逃げた先は「シンデレラ」だった。全員を迎えたのは死に瀕する辻彩と一人の男。男の顔は「シンデレラ」の力で奪われ、吉良は別人に成り代わったのだ。尚も移動する左手の先ではサラリーマンの帰宅ラッシュ。もう区別はつかない。
吉良の自宅へ踏み込む仗助達だが、見つかったのは手がかりにもならない情報だけ。吉良は徹底して目立たないように生きていた。その時部屋のインスタントカメラが自動で撮影を行う。誰かいる。写真には吉良の父親が写っていた。
吉良の「オヤジ」は幽霊となっても「写真」の中で息子を守り続ける。そして「オヤジ」が写真の中で行った攻撃は、既に写ってしまった仗助達にとって確定した未来となる。写真を破れば仗助たちも破れる……迫る殺意をどう防ぐ?
写真の中は切り取られた空間。億康たちも助けに入れない。止めようのない「オヤジ」の殺意は容赦なく迫り、遂に仗助達を切り裂いた。それが現実になる寸前、承太郎は「オヤジ」だけを撮影し、別の写真へ隔離する事に成功した。
写真を閉じ「オヤジ」は封印された。一行は吉良への手がかりを再び探す。だが「オヤジ」は億康を唆し、隙を突いて脱出する。同時刻、仗助はあるものを発見する。あの「弓と矢」だ。そして「矢」が「オヤジ」の手に渡ってしまう。
「矢」が仗助たちの敵を増やす事を予言して、遂にオヤジは逃げ遂せた。一方「川尻」という家では一人の女性が夫を迎えた。最早愛など無いその男は、しかしいつもと違う。手際よく料理を作り、切ったばかりの爪を切る。その男は。
川尻しのぶは夫の些細な変化を感じ取る。夫に怯える猫、髭の剃り方、金庫の開け方を忘れたかのような仕草。何よりも滞納する家賃を何らかの方法で大家自身から盗み出して払うという大胆さ。だがその奇妙な変化はしのぶをときめかせる。
露伴は吉良を追う。サラリーマンを張る。年と背格好は分かっているのだ。特定は不可能ではない。と、そこへ変な小僧が現れた。露伴に執拗にジャンケンをせがむ妙な小僧、彼は先ほど吉良のオヤジが持つ「矢」が選出した新手の――。
しつこい小僧に付き合ってやり、露伴はその場を立ち去る。一勝。カフェにも小僧は現れた。席を得る為に勝負。二勝。本屋にも小僧。本の為に勝負。……一敗。そして「ヘブンズ・ドアー」が吸収される。彼は新手のスタンド使いだ。
小僧は覚醒したてのスタンド使い。ジャンケンで 3 勝した相手の力を奪う事ができる。1敗した露伴は能力の 1/3 を奪われた。事態を把握した露伴は本腰を入れる。ジャンケンとは精神の戦い。狡猾な心理戦の末、両者の戦績が並ぶ。