ACID BAKERY

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「やることやらないで遊んでばかりいると……」

「プリキュアになっちゃうわよ!」

「い、いやだよ! プリキュアだけは嫌だ! 極普通に真っ当な人生を歩んでいたいだけなのに、拒否権皆無の戦いにかり出されるのは嫌だッ! 一難去ってまた一難……貴重な青春時代を消費するまで……年を取って引退するまで……終わりは無いんだ!」

「でも掛け替えのない友人ができて精神的に成長もするし、プリキュアになるのもいいかもね」

「そんなのプリキュアの専売特許じゃないだろ。普通に生きていたって……い、嫌だ! プリキュアにだけはなりたくない! 言うこと聞くから! だからそれだけは!」

「努々忘れないことね……『やりたいことが見つけられない』だとか『頑張りが報われない』だとか、そういった心の闇にこそ『プリキュアの可能性』は秘められているのだから」

「う、うん。遊んでばっかりいないで、それでいて過度な努力も忌避するよ。絶対に高すぎる目標は設定しない! 適度に生きて、適度に死ぬんだ!」

「子どもって凄いのね……すぐに大きくなっちゃう」