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『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』 第 42 話「亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その1」

心を読むスタンド! 知的勝負を行っている場合、これほど怖い能力もないだろう。ゲームを縛るルールが強固であるほど、凶悪に作用することになる。常に「次の一手」を開示しながら戦うことになるからだ。こいつはやばすぎるスタンドである。しかしここで異常事態が発生する。テレンスの読んだ通りに承太郎が行動しないのだ。そんなことはありえない。あり得なさすぎてテレンスが老化していく。「ザ・グレイトフル・デッド」ではない。そこにはくっだらねー真相があった。テレンスは承太郎の心を読んでいたが、しかし操作していたのはジョセフだったのである。何たる結末。ルールの穴を巧く突いたというべきか、テレンスが穴だらけだったというべきか。ダニエルならこんなイカサマは簡単に見抜いていたというが、しかし当のダニエルは弟に一度も勝てたことがなかったらしい。なんともパワー・バランスが見えてこない話ではある。だがテレンスがゲームの天才であったことは間違いないだろう。でなければ、「YES」か「NO」の先読みだけで、花京院の行動を見越してコース・ジャンプをやってのけた説明がつかない。つまりテレンスにも盤上を見通す高い能力が備わっていることは間違いないのだ。しかしだからこそ承太郎たちが行ったような盤外戦術には滅法弱いのかもしれない。今まで戦ってきた猛者たちも、あくまで勝敗はゲームそのものでつけようとしてきたのだろう。……ん? だとすると盤外戦術のプロフェッショナルたるダニエルが敗れ続けてきた理由が尚更分からないが、そこは兄弟ということで、弟はお兄ちゃんの考えなど全てお見通し、なのかもしれない。

さて遊びの時間は終わった。場面は変わって、ポルナレフ組である。自分たちに音沙汰がなければ館に火を放てというジョセフの言葉を無視し、二人と一匹は館の内部へと入っていく。内部はケニー・G による幻覚のスタンド「ティナー・サックス」によって迷路と化していた。ちなみに精密動作性は「E」。ジョースター一行が皆同じ幻覚を見ていたということは、この部分のステータスが高ければ、もしかすれば幻覚を対象ごとに変えてみたり、或いは敵味方を区別したり、幻覚の内容を細かく操ることも出来たのかもしれない。館のセキュリティ要員のくせに瞬殺だ。「まあ、無いよりはいいか……」くらいの感じで DIO も飼っていたのだろうか。かくして敵を一人始末したのも束の間、次の瞬間である。ポルナレフたちを殴り飛ばしたアヴドゥルは、両腕を残して姿を消した。ヴァニラ・アイス。その男は言う。「アヴドゥルは死んだ」 まずは一人めだ。

ところで、「クヌム神」と「トト神」は一行に認識されていないはずである。「死神 13」は花京院が経緯を話したかもしれないが、この二人は面すら割れていない。ケニー・G とヴァニラ・アイス。この二人が「九栄神の残り」だと思われている可能性は高い。だからなんだという訳ではないが。

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