ついに吉良が人前に姿を現した。それをしないための「キラー・クイーン」、それをしないための「シアーハートアタック」だというのに。そしてそれを果たしたのは我らが康一君である。痺れるッ! だが「キラー・クイーン」のサポートを得た時、「シアーハートアタック」の恐ろしさは隙の生じぬ二段構えとなる。助けてッ! 「キラー・クイーン」及び吉良の動きを封じても「シアーハートアタック」は追尾を辞めず、「シアーハート」を封じても、迫る「キラークイーン」の格闘能力を対処する術を康一君は持たない。だが考えてみれば、吉良は自身の生み出した爆破に対して耐性がある訳ではない。ならば「キラークイーン」を重くした上で、思い切って吉良に近づいてみれば良かったかもしれない。そうすれば自身が巻き込まれる恐れから吉良は「シアーハートアタック」を解除したかもしれない……いや、でもそうなったらそうなったで、「キラークイーン」直々に爆破される運命が待つのか。うーむ、思った以上に鉄壁だ。「天地魔闘の構え」かよ。
こうして最強戦術によって康一君を破った吉良だったが、その後承太郎にボコられ、仗助には嵌められ、逃げるために片腕を切り離すことになったりと、文字通り人生の最悪を味わうことになる。第四部完ッ! だが「全て」を敢えて差し出した者が、最後には真の「全て」を得る。『ジョジョ』のキャラクターが総じて魅力的なのは、皆が一生懸命だからだ。全力を尽くす姿に、それが悪だとしても敬意を払わずにはいられない。そして吉良の執念は、己の全てをコストに、新たな安息を彼に与えることになった。辻彩先生、安らかに。