ACID BAKERY

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『君の名は。』が面白かったという内容の記事。

「ねぇ、知ってる? 隕石が地球に落ちてくるスピード。秒速 5 cm なんてあくびが出るスピードじゃねえんだぜ……」

はい。何だかすごい高評価ですね。いや公開三日後くらいに観てて「はー、おんもしれーなー」って感じだったんですが、書くことがまとまらなかったのでこんな伸び伸びになってしまいました。めんどくさくなったので適当にアップします。適当、大事。

ところで「ジブリを超えた!」って謳い文句、何なんですかね。興行収入のことを言っているのか、内容を指しているのか。一般的なイメージとしての「アニメと言えば」に続く言葉、宮崎監督というお神輿の代わりを、みんな探しているのかもしれませんね。

あとこの記事。「『君の名は。』で急に寄ってきやがって。いいか、新海誠ってのはなあ、こういうんじゃねーんだよ!」という気持ち、かどうかは知らんのだけど、ただ歴代の新海誠監督作品にあった「別離」の部分に冷や冷やして本作の視聴に挑んだ部分は否定しがたい。それが良い意味で裏切られた人間が殆どだとすると、悪く受け取ってしまった人間もいるでしょう。実際に新海監督がどのような環境で制作に挑んでいたかは知らないし、もしかしたら「別離」で終わる話を「大衆向け」に軌道修正させられた裏事情があったかもしれないという可能性を無視するのであれば、「集大成」を謳う本作は、これまで書いてきた「別離」の「先」を描けた結果になる。観た人間がどう受け取ったかはともかく、作り手としてこれまでの積み重ねの後に続くものを作り出せたことは、きっと喜ばしいことなんでしょう。

ああ、そう、大切なことを思い出しました。『君の名は。 Another Side : Earthbound』を読みましてですね。これは本編を補完する外伝になっているのですが、これが凄い出来でした。新海監督が書いている訳でもないので、正直あまり期待せずに読んだのですが、いいですかもう一度いいますよ、これが凄い出来だったんです。全四話の内、前二話は「外伝」「スピンオフ」の枠内に収まってくれているんです。が、その後から逸脱を始めて、特に最後。あの本編でいけすかねえ役割を演じていた三葉の父親。……もうね、許したもん。「ごめん、あんた間違ってないよ! 応援するよ!」という気持ちにさせられてしまいました。ちょろい。いや、この外伝が凄いのだ。要するに彼と三葉の母(二葉)の馴れ初めから始まり、そして町長になるまでの経緯が補完されてるんですが、まさか本編の印象をひっくり返されるとは思いませんでした。と言っても彼の嫌な感じの行いの正当性が保証されたり、実は家族を愛しているが故に……みたいな天地返しではなく、本編の描写はそのままに、しかしそこに突き刺さるぶっとい「芯」を見せつけられるんです。これがね、まあね、「そりゃ仕方ないわあ」という気にさせられる。そして、それほどまでの信念に突き動かされていながら、なぜ最終的には憎んで止まない「宮永の巫女」の言葉を聞いたのか。ここの着地のさせ方が実に素晴らしい。こんなことがあったのかもなあ、という想像を超えられる。こういう「負け」があるから楽しいのです。

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