EDF と乙は敵に背中を見せない。好奇心は乙を殺す。でも露伴は悪くない。漫画家という人種に対してミステリアスさをひけらかす方が悪いのだ。ということで無事に「チープ・トリック」発現。露伴はもう誰にも背中を見せられなくなった。露伴は悪くないかもしれないが、因果応報だ。
一方「エニグマ」。便利なスタンドだ。正直欲しい。物事を「一時停止」できるスタンドと捉えれば、ある意味で「世界」と似たスタンドと言える。むしろ「世界」が強力過ぎる故に大雑把過ぎて、かつ自分の加齢を気にしなくてはいけないのに対して、「エニグマ」はそこんところを気にする必要が一切無い。人間に対して使う場合は「恐怖」というトリガーが必要だが、無機物に対してならば余りに利便性が高い。劇中でやったように出来たての料理を、熱々の状態で幾らでもストックできる。今は使わないけどいつか使うものを、経年劣化を気にせず幾らでもホルダーできる。紙になるので耐久性は低下するかもしれないが、保存の仕方次第だろう。こんなにロマンあふれて生活を豊かにしてくれそうなスタンドに目覚めておいて、なぜこいつは人を害そうと思ったのか。いつもの如く、こういう性格だからこそスタンドに目覚めたのかもしれない。ともかく「エニグマ」は本体と共に封じられた。人物としての凶悪さは、もしかすれば大したことはなかったかもしれないが、仗助の家族に手を出したのだ。殺されるよりも重い罰を覚悟しなければならないのである。
あと何度見ても噴上がかっこいい。改心した訳ではないところが良いよね。そして別に仗助や、ましてや康一のために動いた訳でもない。彼は仗助に負けはしたが、「大切なものの為にはどうすべきか」「かっこいいとは何か」、そんなことを説かれるほど見下される言われはないのだと奮起したのだ。ちっぽけなプライドこそ男の原動力なのである。