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『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』第 35 話「アナザーワン バイツァ・ダスト その 1」

親子水入らずの入浴シーンからの、殺人ッ! ついにやっちまった! 想像してたより、なんて事はないな、ということはあるはずも無く、焦りまくる吉良。もう顔を変える手段はないのだ。しかしその時不思議なことが起こった。「矢」が吉良の精神に呼応するようにして動き、驚愕の「二度刺しッ」! そして目覚めたのはッ!

吉良吉影は殺人犯であって爆弾魔ではない。そんな男に「キラー・クイーン」が発現したのは、一切の証拠を残さないためであり、「捕まりたくない」という精神の顕れだ。裏を返せばそれは、人を殺さずにはいられないという「サガ」を真っ向から受け止めた証でもある。膝を折るのでもなく、神に祈るでもない。それはある意味で「立ち向かう意思」と言っていい。強すぎる思いがこんなどうしようもない男に誰より凶悪なスタンドが宿したのだし、そして「思い」にまだ先があるのなら、それを矢が引き出してもおかしくはないのだ。

思いの名は「バイツァ・ダスト」。真相が発覚したという事実そのものを爆破し、時間を巻き戻してしまう能力だ。そして一度起きた「事実」と「爆破」は固定され、変更を加えることは誰にもできない。以前のループで真相に気づいてしまったものは、その後のループでも爆破され続けるしかないのだ。素晴らしいのは当の吉良にループの自覚がないこと。追われる心配をしなくてもいい上に、延々と続く同じ時間に心が擦り減ることもない。これぞまさしく、彼が望んだ平穏な人生そのものだろう。まあ、欠点が無いわけではないのだが。という訳で長かった 4 部も最終局面に達した。止められるか、仗助!

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