最近のジャンプ
漫画を読んで勝手なことを言い散らかす儀を久しぶりに執り行うッ。
- ジャンプ
- 『ワンピース』
- サンジが自分の境遇に対して静かに泣いてしまうところでグッときたし、プリンちゃんが三つ目を褒められて理解するより先に感情が溢れてしまうところでもグッときた。尾田先生はこういうところをちゃんと仕上げてくれるんですよね。
- ジャンプ+
- 『ファイアパンチ』
- おもしろい。「第一話で皆が期待したような物語にはしていかないからよろしく頼むな!」という意思が伝わってくるようだ。
- たぶん、そういう、読者がこの漫画に対して投擲する「期待」は、そのまま作中で周囲がアグニに対して投擲した「期待」と同じものなんでしょう。
- トガタと映画の話がしたい。すぐについていけなくなってガッカリされるんだろうけど。
- 『マッチョグルメ』
- 氾濫するテーマだからこそ独自性が試されるというもの。「チートデイ」に着目した慧眼は素晴らしかったと思いますが、「食べる動機」だけを入れ替えただけでは、やはり 1 rep 足りませんでした。
- チートデイがいくら待ちわびたものだろうと、読者にとっては「毎回のイベント」でしかない訳で、これでは食事のありがたみを主人公と読者が共有できない。ここが難点かなあと感じました。サウナで耐えた時間はビールの旨さに比例するといいます。なればこそ辛い日頃の食事制限を辛く、そして面白く描いて欲しかった。誠に勝手ながら、そんな漫画が読みたかったのです。
- 思うにもっと「トップビルダーの日常」に尖らせて良かったのでは。筋トレ漫画も最近増加傾向にありますが、初心者トレーニーの視点に立つものばかりなので、トップアスリートのゆるふわボディメイクという題材ならばもう半歩先の独自性を確保できたのではないでしょうか。肉体に強い負荷を与えることがトレーニングなら、食事制限とチートデイもまたトレーニングと言えるはず。ボディビルダーとはこのように鍛え、このように食っているんだと知らしめる教本的漫画に成り得たかもしれません。ただ食事をするキャラクターをマッチョにしただけでは、ビルダーを取り上げた意味が弱くはないでしょうか。
- 最終話のラスト、スキンヘッドに戻った主人公が「毛頭ない」と言い放ったところが最高に面白かったです。
- 『終極エンゲージ』
- 初見時既視感がありましたが、以前『ジャンプ SQ』でお見かけした読み切りの連載版なんですね。今はこうして枠が web 上に確保できるので、良い時代です。
- ヒロインが可愛くて好感が持てる作品。話も分かりやすい……と見せかけて、実はちょっとよく分からないです。宇宙最強の王子は宇宙最強の娘と結婚しないといけないから、いっそ自分のクローンを嫁にしちゃえという物語。一行でコンセプトを説明できる作品は良きものとされていますが、スターターとなる設定や主人公の情緒の掘り下げが足りて無い気がして、盛り上がりに欠ける印象を受けてしまいました。
- そもクリスと同じ発想が歴代の王子たちの中から生まれなかったのか、という疑問があります。彼のように自分自身のクローニングという発想には至らなくとも、「ぼくのかんがえた最強のヒロイン」を製造するという発想はそこまで突飛ではない気がします。だってそれが出来る時代だし、黙っていても遺伝子サンプルは毎度集まってくるんですから。なのであの環境にあってクリスの思考や行為が如何に例外的なのか、そこを比較する対象があやふやなので、どちらかと言えば主人公の特異性というよりは、歴代王子の不甲斐なさに関心が移ってしまいます。
- むしろこの時代背景と代理戦争という視点から見れば、他の星こそ進んで遺伝子操作を活用しそうなもの。というかクリスの父親がそこに着目したという始まりで良かった気もしますね。他の星に政権を渡さない為、そして慣習への反逆の意もあり、歴代の女王決定戦参列者の遺伝子から最強ヒロインを製造するも、肉体を限界まで苛め抜いた戦闘種族の前に儚く敗れ去る、という導入。これなら読み切りからの読者にもサプライズとして機能した気がします。加えてクリスが父王の志を引き継ぐ形で物語が開始していくので、「先代の発想を超越した」という印象から、まだいくらか主人公の特異性が強調されたのではないでしょうか。
- それだとあの甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガールからのどんでん返しが描けないだろと思うかもしれませんが、でもあの人魚のキーアちゃん、初っ端から死亡フラグびんびんだったし、あそこまで尺かけてやる必要もなかったような。あの出会いをやりたいなら、キーアちゃんを素直に優勝させて、でも全部演技でしたーという流れにするか、キーアちゃんを倒した相手もあっさり負けちゃって、ポッと出のキャラを女王にして無常感を演出するかしないと、話として強度が低い。クリスくんも「何の手も打たなかった父上が悪い」と言っていますが、まあ、そういう感想だよなあと。
- 読み切りと言えば、手元に無いのであやふやですが、あの時も主人公たちの目的が「大会制覇」と「愛の達成」という両輪に設定されていたが故に、逆に薄まっていると感じた記憶があります。個人的見解ですが、主役の目指す場所は一か所である方がいい。海賊王、新世界の神、火影。大会制覇が目的だったけど、愛に目覚めたが故にその結果が手段にすぎなくなった、とかの方が一本筋が通っていた気がします。「〇〇した上で、〇〇も欲しい」というのが、尖り切れていなくて弱く感じるのかな?
- 主人公のオリジンが見えない。バットマンが、自身の幼少期のトラウマがコウモリだからこそ、自分が悪者にとっての「コウモリ」になってやろうとあの姿になったように、物語を動かしていく核の部分、主人公の原型が見えない。なぜこれまで 13 代も続いてきた仕来りに逆らおうと思ったのか、なぜ「宇宙中の『最強』を全て倒し、自分の分身と結婚する」のか。ナルシシズムでも知的好奇心とかでもなんでも良い。何が彼をそこまで駆り立てるのか。それを一話で描いて欲しかった。読み手に「おっしゃ、こいつに花京院の魂を賭けよう」と思わせる自我が見たかった。
- 色々勝手なこと言ってますが、あの母上、結構好きだなあ。
- ヤングジャンプ
- 『東京喰種』
- もう展開と勢力図とキャラクター数が処理能力を超えて以来ついていけてないんですが、トーカちゃん、君死ぬの?
- となりのヤングジャンプ
- 『悟りパパ』
- 好きだったけど終わってしまった。まず「脱サラして『悟り』を開いたパパ」という紹介文が強すぎるんだ。
- 『社畜と幽霊』
- 好きだったけど終わっ……ってないのか、まだ。幽霊ちゃんに可愛さとおどろおどろしさを共存させているのが凄い。
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