『GODZILLA 怪獣惑星』
総評として「面白かった」です。以下細かい部分。ネタバレあり。小説版は未読。
- 全体的に予想したことがそのまま実現する内容でした。ゴジラとの決着と、決着でもなんでも無かったその後と、原住民の存在など、概ね期待した通り。王道。
- 色んな怪獣が現れて、どったんばったん大騒ぎ! な導入なんですが、「怪獣惑星」というサブタイトルとして第一部を銘打つにはどうなのかなと。地球全体がジュラシックワールドさながら、今や自然動物と化した怪獣たちが跋扈しているのならタイトルも見合うものになるのですが、登場するのはゴジラと、ゴジラから派生した中型モンスターや植物くらい。否応なく「他の怪獣は?」という気持ちに。もちろん第一部は言ってみれば「お目見え」として作ってあると思うので、第二部以降にそういった展開になるのだろうとは思いますが、ちょっと冠負けしているかなという印象でした。もっとカオスが欲しかった。
- 怪獣に異星人とか詰め込み過ぎでは、と思わなくもなかったですが、我々がいま過ごしている文明レベルに対して怪獣が出現する必要がある上で、地球外へ脱出・移民かつ、1 万年以上の時間経過ギミックのために亜空間航行を実現しなければならず、更に主人公を「実際に惨状を目にした 20 代の若者」として設定するという無茶な舞台設定を実現するには、やはり異星人という存在は必要だったのでしょう。ついでに他の星にも怪獣はいた、という設定のために。頑張ったなという感じ。お仕事は大変だ。
- BGM が良い! と言っても特筆したいのは終盤のゴジラ誘導作戦時に流れたものくらいなんですが、あれかっこいい。あの曲のためにサントラ欲しい。
- 個人的に残念だなと思うのは、ゴジラ並びに怪獣たちが、高度文明に対して自然にポップするカウンター装置として設定されていた点(思い違いでなければ)。それ自体はいいのですが、それを第一部で語ってしまうのはどうなんでしょう。だって他の星、既に滅んだ文明の跡には当然ゴジラが湧いている訳で、そのゴジラは地球産のものより古いのですから、ラストのアレよりも更に大きく育っていることになりますよね。つまり地球人類の怨敵、最大最期のボスキャラであるオリジナル・ゴジラは、宇宙全体としてみれば後発の「小型」でしかないことになります。世界観としては好きなんですが、物語の導入に「これからお前たちが必死こいて倒すのはゴジラの中でも最弱……」みたいなことやられたら、ちょっと萎えちゃう。
- メトフィエスの冷静な予言者っぷりが萎えに拍車をかけている感はあります。あの人が余裕ぶっているせいで危機感が薄れているというか。
- 「メカゴジラ」なんてワードを真面目に口にしてくれるの、素敵ですよね。
- どうでもいいんですけど、貰った特典のアニゴジケシ、分かっているのに「ビニールの中身はなんだろう」なんて友達に問いかけてみたら「宮野真守じゃね?」とか返されて笑ってしまった。ちょっと想像できるから困る。
スポンサーリンク