「ブラック・サバス」ッ! ライターを「再点火」することで発現する自動操縦型スタンドだ。「シアー・ハート・アタック」と同タイプなので本体の意志とは関係なく動き回る代わりに正確な操作は出来ず、しかしダメージが本体にフィードバックすることもない。そう考えるとあんまり益の無い戦いとも言えるが、自動操縦型は一度倒さない限り延々と追撃されるんだから仕方ない。
個人的には「黄金の風」開始からこの戦いまでが 1 セットだと思っている。ジョルノの能力は生命エネルギーを操るという波紋を想起させるもの。対して敵である「ブラック・サバス」は「日光に弱く」「スタンドを増やす(吸血によって仲間を増やす)」と、非常に吸血鬼的だ。言うまでも無く一部・二部の再演であり、それはジョルノが確かに「ジョースター」であるという明示になっている。誰の息子であろうとその精神には正義が通っていると康一くんも保証した。やったぜ安心だ。……しかし、その後ジョルノは犠牲になったおじいさんの仇を討つためとは言え、あっさりと殺人に手を染めてしまった。この行動はその後「漆黒の意志」と呼ばれるそれだろう。心根は正しくジョースターではあるが、それでも DIO の血が流れていることが分かる重要な一幕だと思う。
『ジョジョ』は人間賛歌の物語であり、同時に「ジョースターとは」を描く物語だ。少しずつ「黒」が混じっていく血統は、果たしてどこまでが「ジョースター」なのか。