「『ジョジョ』のあそこが分からない」という話題において絶対にやり玉に上がるエピソードの一つが今回のバトルだ。正直普通のボートにぺらっぺらのボートを被せて、敵はぺらっぺらの方に挟まってたから、その向こうの普通のボート部分をいくら探しても見つかりませんでしたってだけの話だと思うのだが、まさかこちらが多くを考えて無いから簡単に受け入れられているだけなんだろうか。いやそんな……。
ただトリックの内容はともかく、ブチャラティたちがよく真相に気づけたなというのは理解できる。他の可能性だってあるはずだ。なのでアニメ版ではチャーターしたはずの船の番号を弄っていたりと、ブチャラティたちに多くのヒントを、また視聴者が類推し易いような改変が加えられていた。構成も良い。言うなれば入団からこの辺りに関してはアバッキオ編と言ってもいい。アニメでは一連のエピソードが二話に収まっているので、よりその印象を受けやすいはずだ。
警官から堕ちたはずのアバッキオがギャングという立場を得た後で、誰よりも警官らしい能力を得たという皮肉。正道から外れた者達が、それでも輝く夢を見る。五部のこういうところが良い。