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『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』第 25 話「スパイス・ガール」

仲間は重症、それを治療できるジョルノは能力を封じられたに等しい。つまりは詰み。だがジョルノは自らの腕を切り落とす寸前にブローチへ能力を施し、既に「腕」を作り上げていた。しかし「ノトーリアス・B・I・G」は生まれようとする腕に標的を定めており、無力なトリッシュだけがそれを目撃していて……。そんな導入から始まる今週。

今更ではあるがトリッシュはとっくの昔にスタンド使いだ。だから一連のあれこれを認識できているのだが、肝心の能力だけが発現していない。ではそれが明確になるのはいつなのか。スタンドの発現が精神的な成長と切り離せないのなら、それはやはり今この瞬間だった。無力な一般人を自認していた彼女が、それでも仲間の為に命をかけようとしたその瞬間、曖昧だった彼女の「像」ははっきりと形を練り上げた。女性らしい曲線、温和な物腰に加え「物体を柔らかくする」能力……しかしながらのその激情! 「スパイス・ガール」! ひと味違うスタンドである。殺っても殺ってもくたばらない「ノトーリアス・B・I・G」だったが、復活する度にトリッシュの激情が引き出されていくようだった。「良しッ! くそ野郎ッ!」

そんな訳でトリッシュの覚醒と、ジョースターの血統から切り離せない墜落事故、そしてそれでも死なない「ノトーリアス・B・I・G」の不気味さによって物語は幕引きに幕を閉じた。新しい戦力も投入され、いよいよ舞台はボスの核心へ。

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