レクイエムの効果によってスタンドパワーがアップしていた。むしろ軽い暴走状態にある。それに合わせてか、ナランチャの死亡フラグの立て方もパワーアップしていた。馬鹿にされるのも悪くない相手がフーゴになっていたし、アバッキオについても触れてしまう。アツアツのピッツァも食いてえ! ナラの木の薪で焼いた故郷の本物のマルガリータだ! どうしたナランチャ。そんなに生き急いで……ナランチャ――――ッ!
急ぎジョルノが治す。だが間に合わなかった。肉体は元に戻っても、魂が既に離れている。即死だったのだろう。苦しまなかったはずである。そしてここに来てフーゴが再登場した。台詞も何もなく、肩を落として歩く彼は、狭い路地で孤独に空を見上げ、そこには「エアロ・スミス」。……に似た模型飛行機だったのかは分からないが、とにかくフーゴの心に去来したものは言わずもがなだろう。そしてアバッキオの元へも。原作ではあっけなさすぎるくらいの扱いだった者達への鎮魂歌が、アニメ版スタッフの心意気と共に過ぎ去り、天へと昇っていく。
そして怒り。後はもう怒りだけ。どこかへ潜むボスへの怒りを燃やし、矢を追って走るのだ。