「だったら助けなくていいラビ! 悩む必要もないラビ! のどかが自分を犠牲にしなきゃいけないなんて、そんな義理も責任もないラビ!」
ずるくない? この後のどか(グレース)はダルイゼンに向かって問いかけるじゃないですか。「今後悪事は働かないのか」と。例えばダルイゼンがあんな姿じゃなくて、本心はともかく「もう悪いことはしない」「治ったらすぐ出ていく」とでも口にしていたら、「のどかの選択」はまた変わっていたと思うんです。じゃあなんでああいう形で怪物化させたかと言えば、「人間の形をしているよりも倒しやすいから」じゃないのか、それはずるくないかと。自分を犠牲にしてまで他人を助けることの是非を問うのは良いテーマでしょうけども(もっと早くやっておくべきだったのではないかとは思いますが)、その答えに対して「倒しやすい敵」「倒しやすい状況」を用意してやるのは、自己犠牲への懐疑に対して「でもそれってプリキュアとしてどうなんだろう」と制作サイド自身が首を捻ってしまっている証じゃないのか。そして助かりたがっている「敵」を、「自分が大切だから」見捨てるのであれば、話の筋として理解できます。けど結果は、しれっと「地球のために」という公共性のある解答へとすり替えられていた。みんなが「仕方がないね」と頷いてくれる選択だ。重ねて言うがずるくないか。