ちっちゃい「視覚」のミニディスクかわいいね。目を閉じるだけじゃ駄目だったのかな〜と言った感想から始まる今週の『ジョジョ』。プッチとウェザーの因縁が開示され、「どうにもならないこと」への答えを得るために行動するプッチに最後の障害が立ち塞がります。ウェザーとアナスイ。凄い! ここにきて揃った三人ともが「能力の応用が効きすぎて戦闘が大味になってしゃあない」奴らだッ。そんな能力者だけを集めて戦わせたら、果たしてどうなるのか。戦闘は……やはり大味でした。なんというか、「天気」とか「潜航」とか、スタンドのデザインだけを最初に口にしていれば後は好きにしていいという能力同士の戦いは、人間と人間というより「展開の都合」をなぞっているだけに思えて、やはり個人的にはベストバウトにはなり得ないかなと言ったところなのですが、それを演出の妙できちんと味付けするのは荒木先生さすがの手腕でしょうか。また今戦っている相手はまさにその「都合よく展開させようとする意志」そのものとも解釈できるので、そいういう意味でも不自然さは無いかもしれません。何にせよバトルそのものは大味でも、これからジョリーンたちが相手にするのはプッチと、彼を押し上げようとする「世界」なのだと思え、それがまた絶望感を加速させます。そして、仲間がまた一人倒れました。
アナスイがウェザーに友情だとか信頼を抱いていたかと言われれば、個人的にはあまりしっくり来ません。ひと時共に行動したとはいえ、アナスイは結局自分とジョリーンのことしか考えていなかったと思います。しかしだからこそ、同じ女性によって変化を与えられた者として、その意志くらいは汲んでやろう……くらいには思ってくれたんじゃないかと。
ウェザー・リポート。運命によって翻弄され、ただ奪われ、雪辱を果たすこともできず逝った男。しかし今際の際、彼は決して孤独ではありませんでした。後を託し、託したものを受け取る者たちに想われていた。思えば『ジョジョ』とは、ずっとそんな物語だったと思います。そして「ジョースター」は、ここからが強い。