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『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』第 36 話「メイド・イン・ヘブン - 1」

通過点に過ぎなかった「C - MOON」の役割は終わり、神父の能力は最終段階へ! 抜け目なく仕事をこなそうとしたアナスイの体を突き抜けるようにして顕れたのは、人馬一体のスタンド! その能力は――! 気付けばジョリーンたちは離れたところで目を覚ましました。ここ、まさかプッチが一人ずつここへ運んだということでもないだろうから、たぶん瞬間的に加速した地球の自転に吹っ飛ばされた、くらいに考えておけばいいと思う今週の『ジョジョ』ッ!

名誉第一犠牲者エルメェス、話が節目を超えるごとに真っ先に酷い目にあってくれる彼女がいなければ、ジョリーン達の旅は少し味気ないものになっていたことでしょう。そんなところでプッチ神父の新しい、いや最後の能力。先に言ってしまうとこれは「時を加速させるスタンド」でした。「ザ・ワールド」とは時を静止させるスタンドでしたが、極度の重力を持つブラックホール内でも同じように時間は静止していると効きます。「ザ・ワールド」は特段重力に作用するスタンドではありませんでしたが、或いは時間に作用するという共通項を転じることでその能力の矛先を重力へと向けたものが「C - MOON」だったのかもしれません。そして重力制御の究極は、終に時間制御へ至る。「バイツァ・ダスト」のように個人の幸せの為に同じ時間を繰り返すそれではなく、人類幸福の追及の果てに宇宙全体の時をも加速させる、「天国へと向かう能力」――「メイド・イン・ヘブン」。その真意と本領とは?

かつてポルナレフが「ザ・ワールド」を評する為に並べた「超スピード」が最後の敵というのが、皮肉というかなんというか。しかもプッチ神父は同じように「ちゃち」だと言ってのけた、ある種の催眠術まで持ってましたから、どこまで計算づくだったのか知りたいところではありますね。ともかく今の神父は速すぎる。ここで承太郎は「時を止めていられる時間が短い」と言っていますが、これは時の加速によって静止時間が短くなっているのでしょうか。きっちり 5 秒止めてはいるので、個人的には「5 秒じゃ大したことできないぜ〜」ってことだと思ってますが、ここまで静止時間を悠然と過ごしてきた様子を見てきているので、急に「たった 5 秒」として描かれると戸惑いますね。

さてかつて花京院が DIO に対し行ったような「糸の結界」を構築し、一行は超加速神父に対して「待ち」の態勢に入ります。これは承太郎が「スター・プラチナ」の射程内にプッチが侵入したタイミングで時を止められるか、或いはプッチが時間停止の合間の「一呼吸」を狙って承太郎たちの懐へと入り込めるか。そのような戦い――なのでしょうか。決着は近い。

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