『2018』レビュー
あけましておめでとうございます。
容赦なき 2019 年の到来でございまする。元号、どうなるんでしょうね。本当は去年の末にやる予定だった「今年の色々」をやります。
去年みたもの、やったもの
映画
- 『グレイテスト・ショーマン』
- ヒュー・ジャックマンに期待していくとその通りのものが返ってきてくれる傑作。もちろん他の俳優陣も素晴らしい。ストーリーに関しては捻りもなく、その必要もない。終幕に限定して言えば『ラ・ラ・ランド』の方が好み。あちらとの共通項をあえて見つけるなら「夢との決着」といったところだろうか。
- 『バーフバリ 伝説誕生 / バーフバリ 王の凱旋』
- 悔しいことに、騒がれているほど刺さらなかった。けど良い映画である事は確かで、好みなのは登場人物が無駄に悩まず、また不慮のトラブルがその場で解決されるので無用なストレスと無縁なところ。「信念は通じるし、強い訴えかけは人の心を即時動かし得る」という事が全編に渡って描かれていたように思う。だからこそ絶対に分かり合えない者同士の戦いが映えるのだ。
- 『レディ・プレイヤー 1』
- レビュー
- 時間を置いても「ラストが気にくわない」という結論は変わらない。いや楽しいし人に勧めたい映画なんですよ。でもそれでいてぼんやりと心の中でもやもやが広がる作品でもあった。
- 『インフィニティ・ウォー』
- まあ、 2018 年の目玉と言えばこいつか。傑作すぎると特に書くことが見つからない。傑作を表現する手腕が無いとも言えるし、時間を捻出する能力が無かったとも言える。無いものばかりじゃねえか。タイム・ストーンをくれ!
- 『パシフィック・リム:アップライジング』
- 言われてるような監督が変わってロボ描写が〜という部分はあまり分からなかった。ロボものに特別な執着を持ってないからだろうか。見識眼が無い。個人的にはシナリオ面での弱さを感じていて、前作よりマズイ状況を前作より弱いメンツで解決できちゃ駄目だと思ったし、その無茶を実現する為の工夫に欠けていたように思う。
- 『カメラを止めるな!』
- 2018 年の目玉その 2 か。いや面白かった。それしか言葉が見つからない。ラストの人間ピラミッドのくだりは、最高に笑えるポイントであると同時に最高潮に泣けるポイントでもあったと思う。人が働く姿は気高い。
- 推したいシーンはカメラマンが若い子に交代して、試したかった「ダサかっこいいカメラワーク」をやってしまうところ。そしてそれに対してその「ダサかっこよさ」を監督の娘が汲み取るところ。新時代の息吹というか、今後はこの子たちが「かっこよさ」を担っていくんだなという可能性に胸が熱くなる。
- 『GODZILLA 決戦機動増殖都市』 / 『GODZILLA 星を喰う者』
- 『決戦機動増殖都市』レビュー
- 『星を喰う者』のレビューは書いてなかった。徹底してゴジラのみを描きゴジラを通して問答を行うという三部作で、その試みを貫き通していた点は好感触。オチも好き。
- 『ミッション : インポッシブル / フォールアウト』
- レビュー
- 期待を上回る一方で外してもくれた作品。だってあんなに心惹かれた「上腕二頭筋再装填」の直後に返り討ちに会うと誰が思うよ。
- 『ヴェノム』
- 寄生獣。面白かっただけに、ヴェノムが人間に肩入れするまでの心の動きはもうちょい盛り立てられたのではと思わざるを得ない。
- 『ドラゴンボール超 ブロリー』
- やっぱり「アニメ版『ドラゴンボール』」なだけに脚本はいまいちなんですけど、パワーでノリきってくれた感はある。
- チライちゃんが恐ろしいほどに可愛い。彼女の活躍が「戦闘外」で影響して決着に影響するという鳥山先生の試みが好ましくあっただけに、もう少しブロリーへの感情移入や心の動きを盛り立て……なんか上でも同じこと言ってんな。いや、例えばチライがブロリーと同じように親と確執があった、とかだけで結構違ったと思うんですよ。或いは「自由」というものへの強い憧れを抱かせるだけでもブロリーに肩入れする強い理由に成り得たと思うんですけど、「可哀そうなブロリーを救いたい」という、まあ理解は出来るけどもチライがそれを行う必要はないよねという感覚に着地してしまう。クリリンとかでも代わりには成り得た訳で。
- だんだん願い事がしょぼくなっていくドラゴンボール。『神と神』の感想で、ブルマがドラゴンボールを誕生日会の景品にしていた点に不満を唱えた覚えがありますが、今ではちょっと考えが変わっていて、むしろアンチエイジングとか身長を伸ばすとか、そういう下らないことで消費されているくらいが丁度いいのかなと思っています。「願いを叶える魔法の道具」が存在し、それが世間に認知されることは本当に動乱を招きかねない。一周回って老界王神の境地になってしまった。
- この映画は鳥山先生よりも『ドラゴンボール』に詳しい人たちの助力で成り立っている部分があって、過去映画からの拾い上げもそうですし、他にもゴジータとブロリーが肉弾で空間の壁を破壊してしまうところなんかは、多分ゴテンクスとブゥが精神と時の部屋の空間に穴を空けて脱出したくだりから持ってきていると思うんですけど、そんなの鳥山先生が覚えているはずがない。
- 逆に「スーパーサイヤ人ゴッド」に変身するところなんかは「スーパーサイヤ人ゴッドの力を持ったサイヤ人になったからこそスーパーサイヤ人ブルーに変身できるようになったんだから今更二人がスーパーサイヤ人ゴッドに変身する意味って無くない? 鳥山先生どうなってんの」と思ってしまう訳ですが、既に設定が『超』準拠になってるのだろうし、もうその辺はいいや。
- ただ、変身を繰り返し強くなるサイヤ人と、無暗な変身に頼らず際限なく力のみを上昇させ続けるサイヤ人という対比の為にゴッド形態を挟んだなら頷けるものはある。
- ところでフリーザが匂わせていた「相棒」はセルかな。力の大会に出場しなかったのは今後の展開のためだと思いたい。不自然なまでに除外されてたからな。
- 『来る』
- 来てた。
- 知人に「『シン・ゴジラ』っぽい」と言われたけども、観終わった後もピンと「来ない」感想である。ただ全く意味不明という事でもなくて、たぶん霊は現実に存在して、偉い人達もそれを認めていて、その上で有能集団が手加減なしにその対策を講じている、「超現実的な災厄に現実的な対応を用意する」という点が『シン・ゴジラ』っぽいと言えばぽい。ただその印象が先行すると肩透かしを食らうので、これから観る人はあまりその路線を期待しない方が良い。
- 純粋なエンターテイメント・ホラーとして面白い作品だった。みんな言ってるけど、柴田理恵がかっこいい。
- 『機動戦士ガンダム NT』
- 悪くなかった。ガンダムに強い思い入れが無いからか、ネット評にある「オカルトに寄り過ぎる」という部分はさほど気にならなかった。全く気にならなかった訳でもないけども、後の世代でオカルト的なものが残っていなかったのはバナージやオードリーたちが戦後処理していたからだという理由付けは個人的に好みなので OK としたい。むしろ人の心の光と、それに感応するサイコフレームという技術が合一した事で「考えられるべきオカルティックなシンギュラリティ」がなぜ後世に影響を与えていないのかという、「断絶」に言及してくれたのは好ましいんだけども、まあ「ガンダム」らしくはないよね。
- ただその点差し引いてあまり盛り上がらなかったと思う部分もあって、理由は敵も味方も「主役のなりそこない」だったからだと思う。ニュータイプとしてもパイロットとしても二流同士の戦い。もちろんわざとやってる部分だろうしそのプロット自体は好みなんだけど、だからこそ心の在り方は一流にして欲しかったというか、せめて「本物になろうとするもの」として描いて欲しかった。なりそこないとして生まれたからなりそこないとして世を嘆くというのでは、やはり盛り上がらないかなと。
- ミシェルが哀れで「何も死なんでも」と思っているけども、あれだけの事をしでかしてしまっているし、「死後の世界はあって、真のニュータイプとなった人類はいずれそこに辿り着く」という結論ありきの脚本だから仕方ないのかもしれない。そこら辺も「オカルト寄り」と言われる所以か。
- ところで『cage』凄くいい曲ですよね。お台場に等身大ユニコーンを観に行った時にかかって感激した覚えがありますけど、「cage(鳥かご)」とはこの映画のことを指していたんですな。
- 『ボヘミアン・ラプソディー』
- この映画に関しても言うことが無い。しかしむしろ観終わった後でじわじわ効いてくる作品で、帰ってからクイーンの曲を聴き漁ってしまった。あの終わり方からあの曲がエンディングでかかるの、反則だよね。「だれもぼくを止めることはできない」
思い出せる範囲だとこれくらい。記憶が新しいだけあって年末に集中してる。『若おかみ』が観られなかったのが大きな後悔の一つ。
アニメ
- 『ウマ娘 プリティーダービー』
- 『ヒナまつり』
- 『ゾンビランドサガ』
- 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 2』
今年のアニメと言えば、でパッと思いつくのはこの辺か(一つだけアニメではないが)。繰り返し視聴したアニメを良作でないと判定することは不可能である。続編が期待できるものが多いので楽しみ。『JOJO』5 部開始も大きなニュース。
漫画
色々読んだが、『衛府の七忍』、『映画大好きポンポさん 2』なんかが記憶に新しいかもしれない。だがこれ一本と言うなら、やはり『王様ランキング』か。流行り物には飛びつく性分で、ありがたい事に裏切られた経験があまりない。騒がれるものにはそれだけの理由がある。
ゲーム
- 『DARK SOULS REMASTERED』
- 久しぶりに、と言えないほど定期的に触っている作品だが、やはりリマスター画質だと印象が違う。
- PSVR
- 『Deracine(デラシネ)』に合わせてやっと VR を購入したので、合わせて何本か DL した。勢いって大事。何作かクリアまで漕ぎつけたが、少ししか触ってないゲームも何本かある。まあじっくり楽しもう。
- ゲームではないが『JAPAN Studio VR音楽祭』がとても良かった。偽りなく 360 度がコンサート会場、或いはそれを超えるものに成り代わるので、このシリーズは継続して出していいと思う。無理だろうけど『クロノトリガー』とかでやってくれませんかね……。これで HMD の装着感がより軽く自然なものになるなら、臨場感は何割も増すだろう。
- 『Starblood Arena』のデモ版を少しプレイしたが、これがヤバい。人生で初めてゲーム酔いした。すげえんだ。本当にすげえんだ。と同時にパイロット適正はないんだなと痛感し、心のどこかで臨んでいた「操縦者としての才能を見出されて突如現れた巨大怪獣を超兵器で迎撃する」という夢が打ち砕かれてしまって哀しい。
- 『サマーレッスン アリソン・スノウ』
- 色々買った中での本命。だって可愛いんだぜ。こんな可愛い子が「そこにいる」んだぜ。ただ惜しむらくは画質がぼやけてしまっていたこと。 PS4pro であれば改善されているらしいが、これでぼやけていなかったらどれほどの……。
- これに関してはその内感想をちゃんと書く……と思う。
- 『Deracine(デラシネ)』
また 2018 年のゲーム関連の騒ぎと言えば色々あるが、やはり『デモンズソウル』のオンライン終了が個人的には大きい。なので『デモンズ』も何かの間違いでリマスターされないかな(二回目)。
その他
後はなんだろ。「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」に行ってきたこととか。ただ「JOJO 展」で既に見たものが多くを占めていたというのもあり、かつての興奮は無かったというのが正直なところ。ああでも「映像展示 AURA〈アウラ〉」は思っていたよりも良かった。精細に描くならスタンドの像はあのように結ばれているのかもしれないと想像してみると、かっこいい。
今年の目標
力を入れるべきソウルシリーズの考察記事が全然書けていないので、今年はもうちょっと頑張りたいですね。今は「書きたい記事」の前に「書かなきゃいけない記事」を書くために「書かなきゃいけない記事」を書いてます。へへ、末永くよろしくお願いしますぜ。
あとはねえ、時間が無い中で時間を捻出する技能、また少ない時間を無駄にしない技能を揃えて鍛え上げたいと同時に、やはり自由にできる時間そのものを多く確保したい。て、転職……。
スポンサーリンク